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魔科学世界のリズ  作者: Luna(ルナ)
3章  神の使い
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40話  アジュガ

キキョウが必死に、街にいるフェードや町長から逃げる様に走っていると



「おい!どうしたんだ!?」



レオが声をかけてしばらくしてから、キキョウは走るのをやめた。

彼ははぁはぁと呼吸をし、息を整えるとレオに話してくれた。



「あの場にいるのが辛くなったんだ。俺の考えなんて何もわかっちゃ無い癖に、俺の考えがおかしいって決めつけるやつらのとこになんか居たくなかったんだ。」



キキョウは俯いて、自分の手をギュッと握りしめた。

キキョウの気持ちは最もだ。



自分のことを認めてくれたり自分の気持ちをわかってくれる人がいないと、大体の人は自分の考えなんてまともに話せない。



否定されるのが怖くて、自分の考えとは正反対な答えに賛成して、当たり障りのないことを言ってしまうことだってあるかもしれない。



「それは誰かに話したことあるのか?」

「いや、友達も俺のことは変わってるって言うのさ。」



「そんなの本当の友達じゃないだろ……。」

「それでも付き合って行かなくちゃ、孤立しちゃうからさ。」



本音も言えない友達なんて本当の友達じゃない。

レオは昔から、自分のことを否定する様なやつは切り捨ててきた。



心が無いだの冷たいやつだの言われるかもしれないが、付き合っててストレスが溜まるようなやつに何も言い返せず、親や大切な人に八つ当たりをするくらいなら、ストレスが溜まる原因の友達を切り捨てたほうがいいと思う。



その方が自分にとっても親にとっても自分の大切な人にとってもいいはずだ。



「辛く無いのか?」



こんな質問をしてすぐ、レオは自分の聞いたことは愚問だと思った。



「辛いよ。バカにされたりするし、正直あんな奴ら友達とも思いたく無いけど……学校の中で1人になるのは嫌だから。」



なんと、彼は学生の身らしい。

確かに、学校の中で1人孤立するのは精神的に辛いだろう。



寂しがりやな人なら尚更精神的負担が増える。



「他に友達はいないのか?」

「いるよ。俺と同じ様に、この街に疑問を持った奴の集まりがあるんだ。今からそこに向かおうと思って。」



その時、誰かが走ってくるのを感じた。

キキョウとレオはサッと後ろを振り返った。



後ろから走ってきているのはリズたち3人だった。

レオたち2人はホッとして、リズたちに話しかけた。



「なんだ、チェストたちか。」

「お前が引っ張られていくから急いで追いかけてきたんだ。」



リズとソレイユは疲れ切っている様だが、チェスは少し呼吸を乱れているだけだ。

キキョウは3人にもこれから向かう先を教えてくれた。



「あと少ししたら俺の本当の友達の所に付く。」



呼吸を整えながら、5人は歩いた。

しばらくして、キキョウが大木の前で止まり、ノックを3回、地面に星を書いてすぐに消した。



すると、先ほどまで無かった扉が出現した。

キキョウはためらいもせずその扉をあけて、リズたち4人にこう言った。



「ここが俺と同じ考えを持つ奴らの集まり、名ずけて独立組織アジュガだ!」



「アジュガ?」



独立組織とは言っているが、詰まる所ここは反政府組織ということだ。

アジュガの拠点の中には数人の人がいた。



「ちなみに何人くらいいるの?」

「何が?」



リズがキキョウに疑問をぶつけた。

しかし、言葉足らずだった様で、キキョウはリズが何を聞きたいのかわからなかったらしい。



「この組織?にいる人の人数。」

「あぁ、アジュガに属してるのは約60人前後だよ。」




リズはあまりの少なさにびっくりし、チェスは自分の想像よりも多いことに驚き、レオは人数動向の話など気にもなってない様で、他のことを考え、ソレイユは想像していたほどの人数だなと思った。



「具体的に何をしてるんだ?」

「まぁ具体的に何をしてるかって言える様な事はしてないけど、この中だけでは自分達の考えを話し合えるからそうしてるんだ。」



特にこれといった活動はしていない。

何か活動をしている様ならそれに乗っかることも考えたチェスだが、していないなら仕方がない。



しかし、この場所はアジュガに属しているものしか知らない場所らしく、作戦会議や秘密の話をするにはもってこいの場所だった。



「とにかくこれからどうするかについて話し合わないとな…。」



ーーー



アジュガの中は魔法によって作られた空間らしく、大木だとしてもありえないほど広い場所だった。

リズたちは一つの部屋を貸してもらい、キキョウも交えて作戦会議をした。



「あそこまで町長やフェードが人間嫌いだとは思わなかった。正直想像よりもひどい。」



街の人たちの態度はレオの想像を超えていたらしい。

しばらく沈黙が場を支配したが、キキョウが案を出した。



「町の人たちを救う様な行動をすれば少しは話を聞いてくれるかもしれない。」

「けどそんな大規模に危険なことが起こるとは思えない。」



チェスに最もなことを言われ、『う゛』とうめき声に近いものを出し、敢え無く撃沈した。

しかし諦めず『確かなんかあったはずなんだけどな〜』と、キキョウは頭を振り絞って記憶を辿りはじめた。



「近所の人たちの悩み事とかを少しづつ解決してあげればいいんじゃないかな?」

「そもそも帰れだのにどとくるだの言われておしまいだぞ?」



レオに正論を言われ、リズは何も言い返せなくなった。

その後も色々な案が出ては言い返せなくなる様なしても無駄な理由が出た。



どうすればいいのか、本格的につまり始めてきた。

そもそもなぜそこまで人間を嫌うのかもわからない。



第一自分達は何もされていないだろうし、人間だって変わってるかもしれないじゃないか。

まぁ……何も変わってなさそうだが……。



沈黙が広がり始めた時、キキョウが言葉を発した。



「町の人たちを説得できる方法が一つだけある!」



彼の言葉に、暗い顔をし始めていたリズたちはバッとキキョウの方を向いた。

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