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魔科学世界のリズ  作者: Luna(ルナ)
3章  神の使い
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38話  説得する方法

「へ?ここにいるのがおかしいって……。」




リズたちはパームの瞬間移動の魔法によりここへきたため、どうして人間がいるのがおかしいのかわからないかった。



「普通人間はここに入ってこれないんだ。町長が霧の魔法を張っているから人間は入れないはずなんだ。」

「入ってこれない?そんな便利な魔法があるんだね。」



確かにおかしい。

もしも彼の話していることが本当ならリズたちがここにいるのはおかしい。



彼の話しに矛盾が生じるのだ。



「君たちがどうやって入って来たかはわからないけど、早くここから立ち去ったほうがいい。他のフェードたちに会うと面倒だ。」



「それはわかったが…どうしてお前は俺たちにそのことを教えてくれるんだ?」



チェスに聞かれて、彼は少し難しい顔をしたが話してくれた。



「おじいちゃんから聞いた話なんだけど、昔はフェードも人間界で暮らしていたらしいんだ。」



その頃は種別問わず、みんなが仲良く協力して土地を豊かにしていた。

しかし、数年後に人間が土地を占領し始めた。



人間たちは自分たちの種族以外を追放し、自分たちが魔法を使うために契約したオプティルトだけを残した。



その中でも特に、フェードは酷い仕打ちをされた。

幸い、ミスリルのほとんどは咄嗟に尻尾や耳を隠したため人間にバレず追放されなかったが、フェードのほとんどは人間に似ていて人間ではない生き物として追放された。



追放される途中祖先たちは心無い言葉をかけられたり、逃げた先でもまた追われて、ずっと逃げ続けることは不可能だと悟ったため、霧の魔法により自分たちが住んでいるところに人間が入れないようにした。



数百年前の話だし、昔のことだと割り切れてる奴もいるが、ほとんどのフェードは今も人間を嫌っているんだ。



「ちなみに俺は昔のことだから仕方ないかなって思ってるけど、俺の友達は人間を嫌ってるんだ。」

「だからあなたは私たちに色々教えてくれたのね。」



ソレイユが『ありがとう』と、感謝の気持ちを伝えた。

彼は調子に乗ることもなく、『困っているみたいだったし、そういう人は助けるのが俺の決まりだから』そういった。



「だから誰にも見つからないうちに逃げたほうがいい。」

「それは無理だ。小生たちはある目標を果たすためにするためにもここの住人たちを説得しなければいけない。」



レオがここに来た目的を言うと彼はたいそう驚いて



「そんな酷い条件を出したのは誰だい?僕は君たちのやりたいことに協力したいけど…他の奴らはそうじゃない。もしもここの奴らを説得したいんだったら、それこそ僕たちを救うような大きなことを成し遂げなきゃ無理さ。」



町長や会議に出るようなやつはみんな頭が硬いからね。

一度ギャフンと言わせなきゃ君たちを攻撃するかもしれない。



彼はそうとも言った。



「そんなこと言われても……。」

「俺たちはこのままじゃ帰れない。注告してくれたのは嬉しいが俺たちは行くよ。」



チェスは彼の帰れと言う言葉をはっきりと断り、リズの手を引いて家を出て行った。

ソレイユとレオもチェスについて家を出て行った。



「ちょっ!」



彼の焦るような声も聞こえないように、ドアの閉まる音がした。



<バタン>



「なんでだよ!せっかく教えたのに!ああもう!」



彼はその場で宙返りをして、狐の姿に変身した。

狐の姿になった彼は器用にドアを開け、すでにこの場からいなくなったリズたちの匂いを頼りにリズたちを探しに走り出した。



ーーー



その頃リズたちはフェードたちの町長に会うために町長の家を探していた。

しかし、リズにはある疑問があった。



フェードの彼が言っていたことを聞いてリズは口ごもってしまったが、チェスがリズの代わりに答えてくれた。



だが、チェスは現実主義のはず。

普段の彼だったら成功する確率の低いものはすぐに諦めるはずだ。



代案を自分の中で出してそれを実行することはあるが、今回のようなチェスにとって諦めたほうが賢明なことは諦めているはずだった。



しかしどうだ?今回チェスは諦めなかった。

どうゆうことだろうとリズは思い、チェスに聞いた。



「ねえチェス?」

「ん?どうした?」



「どうしてフェード説得のこと諦めなかったの?」

「はぁ?どうゆうことだ?」



聞きたいところのみ口に出していたため、どうして急にリズがそんなことを聞いてきたのかチェスにはわからなかったらしい。



「えっと……チェスだったら今回みたいに成功する可能性が低そうなものは諦めそうだなと思って。」

「あぁ、そうゆうことか。」



狐に変身する事ができる彼の家にいた時に手を引いてくれたが、その手はすでに離されていた。

チェスは『まぁ確かにな。普段の俺ならやるだろうな。』と、自分でも普段だったら諦めることを認めた。



なら何故だろう?と、リズがさらに疑問を深めていると



「確かに昔のままの俺だったら普通に諦めてただろうけど、リズたちとこの旅をし始めて少しずつだけど変わり始めたんだ。リズは少しでも可能性があったらそれを試してみるだろう?」



「うん。」

「それをやってみてもいいかもなって思ったんだよ。」



リズは驚いて目をパチクリさせた。

まさかチェスが自分のやり方に挑戦してみようと思っているとは思っていなかったのだ。



しかし、驚きとともにリズは少し嬉しくなった。

いつまでも効率や高い可能性を秘めたものだけにしか向き合ってこなかったチェスが、自分のようなやり方にも挑戦してみようと思えるようになったのだ。



こう言っちゃなんだが、リズは子供の成長を見守る母親の気持ちになったように感じたのだ。

リズの思いがわかったのか、チェスはこちらをジト目で見ながら



「リズ、俺はお前の子供じゃないんだからな?その子供の成長を見届ける母親みたいな顔はやめてくれ。」

「えぇ!?もしかして顔に出てる?」



そんなやりとりに少し幸福を感じながら、リズたちはフェードの町長のいる家を探した。

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