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魔科学世界のリズ  作者: Luna(ルナ)
2章  逃げ出した先で
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26話   今後

その後森の中をチェスと共に周り、しばらくしてからサイネリアが用意してくれた寝床の方に戻って行った。


「ん?二人とも仲直りしたのか?」

「あぁ、なんとかな。」


寝床に戻ると、他の3人がすでに集まっていた。


「よかった!このまま二人が仲直りできなかったらどうしようかと思ってたの。」

「本当に仲直り出来て良かった。僕もてっきり二人はこのままなんじゃないかと思ってたから。」


ソレイユとオスマンはホッとした表情になっていた。


「仲直りしたばっかりで悪いんだが、これからの予定を組み立てたいんだ。」


レオが今後について話し始めると、少し場の雰囲気が変わった。


「今は見張りがこの辺に来ているため、ここから出ることは叶わないが、この後はチェストたちの学校に忍び込まなきゃならないわけだ。ちゃんと作戦を考えておかないと後で後悔することになるからな。」


あまり考えたくないようなことを言われ、リズは思わずため息をつきたくなった。


「あまり考えたくないけど仕方がない。」


浮かれていた気分も沈み始めた。

いっそ憂鬱な気持ちにでも身を任せてしまいたい。


しかし、そんなことをして計画を一切立てずに突っ込めば、待ち受けているのは今よりも考えたくないものだ。


身を任せてる暇なんてない。とにかく予定を立てることにした。


「後6日はこの森に止まらないといけないから、いっそ数日文の食料でも蓄えておけばいいんじゃない?」


珍しくリズが一番に名乗りを上げた。


「ほら!行く先々に必ず食料があるともわからないし。」

「確かにそれもそうだけど…あんまり持ちすぎても腐っちゃうし…。」


リズは痛いところを突かれた。

魚などは特に腐りやすい。


「いや、木の実と果実くらいなら2日間くらいは持つんじゃないかな?」

「そうか?小生はその辺のことはよくわからないが、レベトとかは腐りやすかったと思うぞ?」


オスマンが言ったことにレオが気になったことを言った。


レベトとは、比較的早く実りやすいため昔は栽培される量が多かった。

甘酸っぱく、タルトにするととても美味しい。

しかしみのりも早ければ腐るのも早い。


「そもそも持っていくための鞄がないぞ?」


根本的な問題があった。

そもそも誰も鞄を持っていないのだ。


「思いっきり鞄の存在忘れてた〜!」

「鞄がなきゃ持ち運びできないもんね。」


鞄を作ろうにも布がなけらば作ることもできないし、そもそも作る技術がない。


「サイネリアに相談するか。」

「それしか方法がないだろ。」



「ということなんだ、持ってたりしないか?」

「僕もそこまで万能じゃないからね。鞄は持っていないよ。」



流石にサイネリアも持っていないらしい。

逆に持っていたらすごい。



「確かに食料を持って行こうとしたい気持ちもわかるけど、最近はシャールク達(魔物)も凶暴になっているからね、何か食べ物を持っていたらすぐに襲われてしまうかもしれない。」

「でも食べ物を持っていなくても人間の匂いがしたら襲ってきそうだけど…。」



リズの言ったことは他の4人も思ったことだ。


凶暴になっているのだとしたら、人の匂いがした方向に来そうだが…



「いや、案外人の匂いなんて分からないものさ。第一、原理は分からないが人の匂いもシャールクの匂いもオプティルトの匂いも、何種類かしかないんだ。」

「匂いがそう変わらないってこと?なんでかしら…。」



不思議なことである。


人にはそれぞれ少なからず『体臭』というものがあるはずなのだ。

体臭がないということは必然的に体から分泌液が出ていないということになる。



「さあね、そこら辺は神様達だけで作り上げてしまったものだし、今の僕は使命を果たさない限り戻ることもできないから聞くことすら出来ない。ただ、人間以外の生物達は『魔法』の匂いを感じ取っていると、前にシェチェから聞いたね。」



なんともまあ不思議なことである。

神様はどうしてそのようなことをしたのだろうか?



一つのことにまとめてしまえば、作るときも楽だろうし覚えるのも楽だ。

まぁ、それを知るすべをリズたちは持っていないため、知ろうにも知ることができないのだが。



「魔法の匂い…つまり魔法だけでは相手が人間かも分からないから迂闊に手を出すことはできないというわけか。」



レオはどうやらサイネリアの話から一つの答えを導き出したらしい。



「その通り。ただ、シャールク達が同じ食べ物を持っているのかもしれない…そう思っているのだろう?」



当たりだ。

そもそも食べ物の匂いだけでわかるだなんておかしい。そうリズは思っていた。



「シャールク達は僕たちオプティルトや人間の食べ物では栄養を摂取できないからね、だからわかるのさ。」



学園にいた頃は聞いたこともない話のてんこ盛りだ。

めまいがしそうなほど、一気に知らない情報が出てくる。



「だから食べ物を持っていくのはよしたほうがいいと…しかしそれならこの森は多少危ないんじゃないか?」



チェスが聞いた疑問に、サイネリアはそれを聞かれるとは思わなかった。とでも言いたげな顔つきになった。



「心配しないでも大丈夫。この森の生き物に危害を加えようとやってきた者達の相手は僕がしているからね。」



神様の使い魔という称号は実力も伴っているのだろうか。

今まで聞いたことがある森の噂をサイネリアにすると、全て自分が追い払ったと言ってきた。



どうやら噂を巻いた本人達は、この森のオプティルト達を売りさばこうとしてやってきたものが大半だったらしい。



他にも悪意を持ってやってきた者もいたとか。



この日、自分たちの知らない情報も手に入れ、今後の作戦を立てる上でのアドバイスなどももらうことができ、大収穫だった。



しかし、自分の故郷に戻るということを実感するたびに不安が襲ってくるのをリズは感じた。


失敗することがありませんようにと、心の中で呟いてから眠りに入った。

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