1話 始まりの物語
第0章 プロローグ
ここはシュエット国クルエット州ペリーシャ町、この世界では生き物すべてに魔力が備わっている。
しかし、種族によっては魔力自体はあるものの個人の力だけでは魔法が使えない種族もいる。
その為、魔法が使えない種族は他の種族と契約することにより魔法を使えるようにする。
何故使えないの? そんなふうに思った方もいるでしょう。
何故使えないのか、それは…おっと、そろそろ物語が動き出すみたい。
質問の答えは物語の中で明かされるでしょう。 それでは、また会う機会が訪れるといいですね。
第1章 Anfang (アンファング)
「…い……きて〜……は……れるぞ〜……起きろ!!」
「!?、急に耳元で大声出さないでよルナ」
「呑気なもんだな〜、今日がなんの日か忘れたの?」
ルナのせいでそのうち耳が壊れそう…
「今日がなんの日か?……あぁ!やばい、入学式早々遅れるのは流石にまずい!、ルナ、今何時?」
「6時50分だよ」
「なんだ、まだ余裕あるじゃん」
「早めに起こしてって言ったのはそっちなのに…」
自己紹介が遅れてしっまたが、私の名前はリズ、そして今話していたのは私のお母さんのオプティルトのルナ。
え? オプティルトって何って? オプティルトとは魔法が使えて私たちの言葉が話せる動物のこと。
まぁ、簡単に言うと魔法生物ってとこかな。
ちなみにルナはネコのオプティルトだよ。
…で! 今日は魔科学専門学校の入学式なんだ!
この世界では各々使える魔法が限られているから瞬間移動だとか風を起こす魔法だとかは1部しか使える人がいないの。
そこで魔法と科学の両方を発展させる為、学校では魔法と科学の両方を習うの、魔法と科学だと長いから略語として魔科学って呼ばれているんだ。
「考え事してる中悪いけど、そろそろ行かないとまずいんじゃない?」
「本当だ! そろそろ行かないと間に合わなくなっちゃうかも、…じゃあ行ってくるからお母さんが帰ってきたら伝えておいて。」
「りょーかーい」
「行ってらっしゃーい」
「行ってきます」
ーーー
まぁ今日から学生になるんだけど、学生になって1番目に悩むのはズバリ!学科決めなんだよね〜、私が通う学校は学科が多いから決めるのに悩む…
でも結局は学科を決めたところで習うことはほとんど一緒!
違うのは時間割とどこまで習うか!
学科によっては将来魔法戦士になったり、学校の先生になったりと道が分かれてくるの。
<まもなく、入学式が始まります。入学生の皆さんは大広場に集まってください。>
もうすぐ入学式始まるのか…緊張するな。
「おいリズ、そろそろ入学式始まるのにそんなところでぼーっとしてていいのか?」
「今行こうと思ってたところ!って、チェス!?」
「よっ!一緒に広場まで行こうぜ。」
彼はチェストミール、私の幼馴染であり、1番の親友。
そういえばどこの学校に進学するか聞いてなかったな〜
「取り敢えず広場まで行こうぜ、詳しいことは入学式が終わってから教えるよ。」
<只今より、入学式を始めます。バルト校長、お願いします。>
「入学生の皆さん、ご入学おめでとうございます。皆さんは今日からローズベルト学園の生徒です。君たちがより良い毎日を過ごせるよう祈っています。」
<ありがとうございました。これにて入学式を終わりにします。入学生の皆さんは、これよりクラス票を掲示します。各自自分のクラスを確認の上帰宅路についてください。>
「えーっと…1ーCか…チェスは…1ーC…っておんなじクラス!」
「おー、リズと一緒じゃん。」
「そういえば、チェスってここに進学することにしたんだね。てっきり隣のピスィカ学園に行くと思ってたよ。」
「えー…だってあそこの学園学科が魔法戦士学科と科学学科しかないんだぜ?つまんないし将来魔法戦士か科学者の道しかないだなんて嫌じゃん?だからここにした。」
「でも、チェス昔は魔法戦士になりたいって言ってたじゃん。」
「それは昔の話だろ?だいたいあの学校は入学初日に学科決めさせられるし、選ぶ期間がないまま学科を選択して、ついていけなくなって退学って事もざらにあるらしいぜ?」
「まぁ確かにそんな話もあるけどさ?あっちの方が将来スカウトされる人も多いし、いろんな人から賞賛されるからいいと思うけどな〜、それにあそこで優秀な成績を得た場合、高ランクの大学の学費を援助してもらえるんだよ?」
「確かにそこはいいけどさ…俺は大学とか興味ないし…それに学費援助の代わりに将来つく職決められて国の為に尽くさないといけないってことが俺は嫌なんだよ。だからこの学園にしたのさ。」
「そっか…まぁチェスが行きたい道に進むのが一番だよね!」
「だよなぁ〜、本来はその反応が正しいんだろうけどさ?うちの親すごい猛反対してきたんだよ。やめといた方がいい、絶対ピィスカ学園に行った方がいい!ってさ。」
「チェスの親すごい厳しいもんね、チェスの性格的に考えて家出でもしてきたんじゃない?」
「あったり〜、やっぱリズは俺のことわかってんだな〜」
「まあね、でも家出したって行っても今後どうするの?まだオプティルトとの契約もしてないからお金を稼ごうにも難しいし…」
「その点は大丈夫!今1人暮らしの友達の家に泊めてもらってんだ。」
「その友達はどうやってお金を稼いでるの?」
「あいつなにしてんだろうな?」
「あっ…わかってないのね…」
「まぁそこはいいとして、明日から授業始まるらしいぜ?」
「明日から魔法について学び始めるのか〜」
「中学までは魔法なんて1ミリも習わなかったもんな。でも基本から習うからついていけなくならないように頑張れよリズ。」
「大丈夫ですぅ。まぁ明日からよろしくね。」
「あぁ、よろしく」