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魔科学世界のリズ  作者: Luna(ルナ)
第1章  始まりの物語
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10話 オスマンの過去

[リズ達が話し合っている一方、オスマンの方では…]


「はは、バカだなぁ…。」

「オスマン!」

「ソレイユ…。」



「大丈夫?」

「うん…。」

「…、オスマンが思っているほどリズは傷ついてないよ。」



「…、そんなのわからないじゃないか。」



「あの時は冷静さに欠けていました…。でも…同じようなことが前にもあったんです。

切り捨てられたり、されなかったとしても『めんどくさいやつだ。』『足手まといになりそう。』」


「そんなことを言う人はいないよ、だから安心…。」

「そんな風に思われたら僕は生きていけない!」

「……。」



オスマンは取り乱していた。

いつものような穏やかそうな雰囲気はなく、そこにあったのは恐怖や不安に引きつった顔だった。



「……もし、もしみんなに裏切られるようなことがあったら?そんなことされたら立ち直れなくなってしまう!

………怖いんだ…信頼されている人から裏切られるのが。」

「オスマン…あなたまだあの時のことを…。」


オスマンは恐れていた、大切な人や友達から嫌われたり裏切られることに。

それもそう、オスマンがこうなったのはある事件がきっかけだった。


[時は遡り、過去]


「おはようございます。」

<当時、オスマン、13歳>


「おはよー!」

「よーオスマン。」

「あ、丁度いい所に!なぁ、ここ教えてくれよ!」


当時のオスマンはみんなから頼られる存在であり、先生達からの信頼も厚かった。



「生徒会役員を決めることになった。なりたいものは立候補してくれ。」

「「はい/ははーい!」」

「オスマンも出るんだね!お互い頑張ろうぜ!」

「えぇ、一緒に頑張りましょう。」


彼には親友がいた。

名前はパトリシオ・スアレス


[そして時は過ぎ、生徒会役員選挙]


「…〜、そして生徒会長に決まったのは、オスマン・ユースティフィア君です!」


その時のオスマンはとても喜んでいた。

まさか自分がなれるだなんて思っていなかったのだ。


「…。」


隣で睨んでいる親友に気づかずに…



[翌日]


「おはようございます。」


オスマンが挨拶をしても誰も返してくれなかった。


「?」


不思議に思ったオスマンはパトリシオになんでか聞いてみようと、パトリシオに話しかけた。


「ねぇ、シオ「パトリシオ君に話しかけるな!」?」

「パトリシオに聞いたぞ!お前生徒会選挙の時ズルしたんだってな。」


もちろんそんなことはしていなかったし、思い当たる節すら微塵も思い浮かばなかった。


「そんなことしてないですよ。」

「嘘つけ!パトリシオがオスマンが現生徒会役員に自分を生徒会長にしてくれるように言ったっていってたぞ!」

「え?」


「うわー、サイテー。」

「まだしらを切るつもりなのかよ。」


(ヒソヒソ)


周りはオスマンに聞こえるように愚痴を言った。

そんなことないと思いたかった、何より自分の親友のパトリシオが自分のことを悪くいうはずがないとオスマンは信じたかった。


「シオ?タチの悪いドッキリならやめてよ。ほら、いつもみたいに話そうよ。」

「ドッキリなんかじゃない!まさかお前がズルをするだなんて思わなかった…見損なったよ。」


冷たい目を向けられて、オスマンは教室を飛び出した。

後ろで笑っているパトリシオに気づかず…。


その日からオスマンは裏切られるのが怖くなった。

ただ一人、幼い頃からの親友ソレイユは裏切らないと信じて生きてきたのだ。

しかし、心の傷は癒えずに、誰に対しても敬語を使うようになった。

パトリシオにも敬語、ソレイユにも敬語で話すようになっていた。


だからソレイユがいじめられているのが許せなかった。

昔の自分を見ているような気持ちがあり、あの時の自分のような思いはして欲しくないと思ったのだ。



[時は戻り、現在]


「…、辛いのはわかる、でも、必ずしも人が正しい道を歩むとは限らない。

誰だって過ちを起こす…だから…一緒に今と向き合おう?どうしようもないことをどうにかする事は出来ない、過去は変えられないけど明日なら変えられる。

いつまでも殻に閉じこもってちゃダメ、………ほら、行こ?」


ソレイユは手を差し伸べた、自分の殻に閉じこもってしまったオスマンに光を差し伸べたのだ。


「っ、ずるい…、あなたはいつも僕に欲しい言葉をくれる…。」


オスマンはソレイユの手を取り、差し伸べられた光を受け取った。

心なしか、彼の顔は何か吹っ切れたような顔をしていた。

ソレイユもオスマンも泣きながら笑いあった。




その時の二人は本当に楽しそうに、ただただ純粋な笑顔を向けあっていた。

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