力
今日は力とはなにかについて話そう。
力とは、世界を変えることが出来るということだよ。
ん? それじゃよく分からないだって?
うん、じゃあ、具体的な話しをしよう。
ハル、ちょっとこのコップを右にずらしてくれ。
そう、いいぞ。
今、お前は世界を変えた。
ん? それっぽっちが世界を変える力なのだって?
そうだよ?
だってコップの位置が左から右に変わったじゃないか。
ん? ちっさい。パパの言うことは果てしなく小さいだって?
ふふふ、覚えておいて。
現代魔法は、大きなひとつのことを成そうとするけれど、精霊魔法は、小さなたくさんのことを成して、いくつも積み重ねるんだ。
それが、自分のままで変わり続けるということだよ。
出来るとは、出て来る。
かくれていた真実が、現実になるということだ。
かくれていた心が、表に現れるということだよ。
ただの想いが現実になる。
良い心が、表現される。
ぶっちゃけちゃえば、欲望が叶う。
したいことができて、欲しいものが手に入れるってことさ。
欲は良く。
良い心を表現しようとする、愛の運動なのだから。
ひとりの欲が、誰にとっても良くあるかどうかは別だけどね。
それには、その人の精神力の大きさが問われるのさ。
精神力が大きいと、誰にとっても良くなる欲を叶えることができるよ。
閑話 自慢話
ん? パパって、全然パッとしない普通のおじさんだよねだって?
うん、そうだぞ?
ん? なにか人に自慢できるようなことはないのだって?
おお、あるぞ。
タオルでハエを叩ける!
見てろよ?
こう、パシーン、パシーンって。
ん? なんだよ、その顔は。
いいか? もう一度するぞ。
よく見てろ。
やわらかなタオルが、まるで、しなやかなムチのように!
パシーン、パシーン。
……………………。
パシーン




