誉めると叱る
次に、叱ることと、誉めることについて話すね。
叱るとは、残酷な真実を突きつけることで、誉めるとは、優しい真実を告げることだよ。
真実は時に人を傷つける。
真実は時にどんな刃よりも深く突き刺さる。
真実とは心を切り裂く刃なのだ。
同時に心を潤す水なのだ。
だから、真実を口にする時、本当のことを言ったりする時は気をつけないと、知らずに相手を叱りつけることになるよ。
現実は、時に残酷な真実に傷つけられるのを防ぐ緩衝材、クッションの役割をする。
現実は、人の気遣いによって、時に優しい。
叱ると、心に傷をつけて、伸びてはいけない方向に成長するのを止める。
誉めると、心に栄養を与えて、伸びていい方向に成長するのを助ける。
水を与えなければ木は育たないが、与え過ぎると枯れてしまう。
それと同じ。
子供って、本当のことを口にするから、つまり、相手が大人でも叱ってくれるから、子供のことが好きで嫌い。
ん? 好きか嫌いかどっちなのだって?
気分だよ気分。
子供であるお前達が本当のことを教えてくれるから、パパはただの一人の男から家族を持った父親になることができた。
一人の幸せだけじゃなく、家族みんなの幸せが自分自身の幸せになった。
お前達がパパを父親にしてくれた。
言わせてくれ、ハル。
ありがとうな。
ん? パパって、おっきなおっぱいが大好きだよねだって?
いきなりなんだよ、確かにそうだけど……。
ん? おっきなおっぱいのキレイな女の人にゆーわくされたら、どうするのだって?
たちまち一人の男に戻って襲いかかります!
ん? パパにとって父親って、その程度だよねだって?
トホホ……、面目ない。
ん? えっちなことしてうつされる病気には、治せないものがあるから、安全を確かめてからにしなよだって?
はい、気をつけます。
ん? ママを泣かせないようにだって?
はい、気をつけます。
…………コホンッ。
叱った後は、誉めてもいいんだ。叱るとは誉めるための口実だよ。
(叱る。我が子の心を真実の刃で剪定するデスゲーム。やりたくねぇよぉ……。)




