表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/37

誉めると叱る



 次に、叱ることと、誉めることについて話すね。


 叱るとは、残酷な真実を突きつけることで、誉めるとは、優しい真実を告げることだよ。


 真実は時に人を傷つける。


 真実は時にどんな刃よりも深く突き刺さる。


 真実とは心を切り裂く(やいば)なのだ。


 同時に心を(うるお)す水なのだ。


 だから、真実を口にする時、本当のことを言ったりする時は気をつけないと、知らずに相手を叱りつけることになるよ。


 現実は、時に残酷な真実に傷つけられるのを防ぐ緩衝材、クッションの役割をする。


 現実は、人の気遣(きづか)いによって、時に優しい。


 叱ると、心に傷をつけて、伸びてはいけない方向に成長するのを止める。


 誉めると、心に栄養を与えて、伸びていい方向に成長するのを助ける。


 水を与えなければ木は育たないが、与え過ぎると枯れてしまう。


 それと同じ。




 子供って、本当のことを口にするから、つまり、相手が大人でも叱ってくれるから、子供のことが好きで嫌い。



 ん? 好きか嫌いかどっちなのだって?



 気分だよ気分。




 子供であるお前達が本当のことを教えてくれるから、パパはただの一人の男から家族を持った父親になることができた。


 一人の幸せだけじゃなく、家族みんなの幸せが自分自身の幸せになった。


 お前達がパパを父親にしてくれた。


 言わせてくれ、ハル。


 ありがとうな。



 ん? パパって、おっきなおっぱいが大好きだよねだって?



 いきなりなんだよ、確かにそうだけど……。



 ん? おっきなおっぱいのキレイな女の人にゆーわくされたら、どうするのだって?



 たちまち一人の男に戻って襲いかかります!



 ん? パパにとって父親って、その程度だよねだって?



 トホホ……、面目ない。



 ん? えっちなことしてうつされる病気には、治せないものがあるから、安全を確かめてからにしなよだって?



 はい、気をつけます。



 ん? ママを泣かせないようにだって?



 はい、気をつけます。



 

 …………コホンッ。



 叱った後は、誉めてもいいんだ。叱るとは誉めるための口実だよ。


 (叱る。我が子の心を真実の刃で剪定(せんてい)するデスゲーム。やりたくねぇよぉ……。)




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ