死後その2
ん? パパは死んだらどうなると思っているのだって?
ハルは、この話題が好きだなぁ。
いいよ、パパの現代魔法の腕前を見せてやろう。
本当はーーー真実が誰にも分からないものを、推測で、まるで、さも真実であるかのように騙って見せよう!
パパは精霊使いであると同時に現代魔法の魔術師でもあるからねっ。三流だけど。
以前、「無がないから全てがある」って話したことがあったよね?
だから死後も、人の想像する全てがあるんじゃないかなぁ。
天国もある地獄もある、そのどちらでもないどこかもある。
あの世に行かずに、幽霊になって、この世をさ迷うのもある。
新しい存在に転生するのもあるし、強情にも無に止まって無のままで居るものもある。
と、まあ、誰にも本当がなにか分からないから、自由な空想が膨らむわけだ。
現代魔法は、楽しいなぁ。
自分の空想という安全な避難場所から『分からない』という無を眺める。
そこで英気を養い、やがて『分からない』に立ち向かって行く。
そのまま、避難場所に引きこもって出て来ない人のほうが多いけどね。
ホント、勇者なんて一握りしかいない。




