ある家族に代々伝わる伝承
常識を理性で解体し、感性で詩的に1から10まで言ってみます。
哲学に分類されるべき小説になるのでしょうか。
基本的には親子の会話で話が進んで行きます。
ん? どうして勉強しなくちゃいけないのだって?
それはね、みんなで心をひとつにして、力をあわせて、世の中をより良くしていくためだよ。
勉強で知ることは、誰にとっても同じ心なんだよ。
ん? どうして世の中をより良くしていかなきゃいけないのだって?
みんな、そうしたいからだよ。放っといても自然と、好きだろうが嫌だろうが、そうしちゃうんだ。
もう、どうしようもない。
これを運命とか理とか言うんだよ。自由じゃなくて理由なんだ。
ん? どうして心をひとつにしなくちゃいけないのだって?
例えば、お前がーーーハルがパパと力をあわせて机を移動させるとしよう。
その時に、どっちの方向に動かせばいいのかを、二人が知ってなくちゃいけないだろ?
ん? どうして良いことをしたいのだって?
良いことっていうのは価値のあることなんだ。
価値があるってことは、みんなが欲しがるーーーそうしたいってことなんだよ。
逆を言えば、みんなが欲しがるものに価値があるってことかな?
価値があるって思うものは人それぞれだけどね。
ん? パパの言うことは、みんなが言ってることと、ちょっと違うって?
心をひとつにすることは大切だけど、だからと言って、誰か1人の心が大切じゃないってことは、絶対にないんだ。
社会も大事だけど家庭も大事。みんなが大切だっていうことは、それをつくっているひとりひとりが大切だからなんだ。
学校のみんなの心は学校で、社会のみんなの心は社会で、そして家庭のみんなの心は家庭で学ぶ。パパが今からハルに教える心は、当然、家庭の心だ。我が家に昔から伝わるお話だよ。
学校や社会のみんなの心も大切だけど、パパの子のお前には家庭のーーーパパの心を伝えておきたい。
それが親子なんだよ。
だから、パパは、お前に精霊使いとしての知識を伝える。
頑張って立派な精霊使いになるんだぞ。
ああ、それから、注意しておくけど、誰にもパパやお前が精霊使いだってことを言っちゃいけないよ?
この科学万能の時代にそんなこと言ったら、頭のおかしい変な人だって思われちゃうからね。
ん? 勉強しなくてはいけないのは生きるためじゃないのって?
ああ、ごめんごめん。
そうだね、そのとおりだ。肝心なことを言い忘れていたね。
パパが言ったのは『生きる』っていう目的じゃなく『生きるためにはどうすればいいのか』っていう方法のほうだったね。
もっとも、生きているかぎり、生きること以外のことはできないけどね。
ん? 死ぬことができるよだって?
でも、死のうとしている間は生きているだろう? 生きているかぎりってことは死んでいないってことだよ。
死も生も、存在の形式の多様性の現れーーー在り方が違うってだけで、無ではないんだよね。
もっとも、死んじゃうと、二度とこの世には戻って来れないけどね。
良いことをするのが生きる目的で、生きるのはその手段に過ぎないって言ってた人もいたよ。だから良いことをするために簡単に死ぬ人がいるって。
ん? パパも目的は良いことをすることなのだって?
パパは生きるのに精一杯で、良いことをしたいとか思ったことないなぁ。
……体の目的が生きることで、精神の目的が良いことをすることっていうのはどうだろう?
ん? そんなこと知らないよだって?
ケチー、一緒に考えてよー。
そうそう、過去の魔術師の言葉だよ。
「我々は、神のように考えて、獣のようにふるまうことしかできない」
2019年3月28日 追記
2019年4月10日 修正
2019年4月13日 修正
2019年4月25日 追記
2019年5月3日 追記
自分の子供に言ってやりたいことなどを思いついた時、順次更新して行こうと思います。
そのため不定期更新となりますが、よろしくお願いいたします。
2019年3月24日改稿