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al fine─アルフィーネ─  作者: 鈴村嵐夢
一章家族の思い
7/23

#7専用魔法とあにぃ

「だ・か・らキミも専用魔法があるんだって!話聞いてた?」

いや、聞いてたよ。というか聞いてたからこんなに驚いてるんだよ。


「マジ?」


「マジ」


二文字に対し二文字で返される。


「お兄様は闇属性の専用魔法を持っています」


闇、何かダークヒーローみたいなカッコいい魔法がいいな。


「えっと、その魔法ってどんな魔法なんだ?」


「デバフ」


ルシルが放ったひと言。本日2度目の爆弾発言。


「はあぁぁ!?」


デバフって、あのデバフ?相手を弱体化するやつ。何とも渋い...


「だ・か・らデバフだって!話聞いてた?」


いや、聞いてたよ。というか聞いたからこんなに驚いてるんだよ。


「マジ?」


「マジ」


本日2度目の爆弾発言に対して、2度目の同じくだりをする。

なんか、ルシルと話してると変に言葉を選ばなくていいんだよな。そう、楽、というか。


「ルシルさんの言う通りですよ。お兄様の魔法は対象を50%低下させます」


「50%?」


「んとね、50%ていうのは、半分って意味で5割とか2分の1とか───」


「いや、知ってるし」


「あはっ♪」


こいつ、分かっててやってたな。


「魔法名と詠唱句はなんなんだ?」


「魔法名はアビリィティロスト。詠唱句は、『常闇よ、闇夜の辰星を地に落とせ、霊魂の死鎌』ですね」


カッコいい!


「なんか、2つ名にピッタリな感じするな。闇って言ってるし死鎌って」


「お兄様が闇の死神と呼ばれるようになってから発現したので関係しているのかも知れません。ただ、闇属性は元から適性が高かったのでそれも関係しているかもしれませんが」


魔法ってわかんねぇな。


「で、詠唱句がえーっと、常闇よ闇夜の...何だっけ?」


「常闇よ、闇夜の辰星を地に落とせ、霊魂の死鎌です」


「ありがとう。えっと、常闇よ、闇夜の辰星を撃ち落とせ、霊魂の死鎌。だな!」


「撃ち落とせではなく地に落とせです」


違ったし。何が、だな!だよ。本当誰だよ自信満々で言ったやつ、いや俺だよ。


「常闇よ、闇夜の辰星を地に落とせ、霊魂の死鎌」


「おおー。言えた。ぱちぱちー」


ルシルが手を叩きながら口で擬音を発する。


「...詠唱句ムズくね?」


「もっと長くて似たような言葉が続くのもありますよ?」


「マジ勘弁」


歴史上の偉人覚える方が楽そう。


「ええと、これで剣、ステータス、魔法に関する説明は終わりなのですが。」


「あ、ああ。ありがとう、めちゃ助かったよ」


よしよしとシスカの髪を撫でる。


「あ、()()()、止めて下さい!」


耳まで真っ赤にしてこちらを見てくる。


「おっと、すまん。つい癖で」


乃衣にするような感じでやってしまった。と、それより


()()()?」


「そ、そんな風に呼んでいません!」


更に真っ赤に染め上げてそっぽを向いてしまうシスカ。

え、けど確かにそう聞こえた気が...


「ねぇ、女たらし君」


「俺のことなら一時間ほど話そうか」

そういってルシルの方を向く。


「これからどうするの?」


安定の無視。なにそれ悲しい。


「んー、町を見たい...って、怖がられてるんだっけか」


先程聞いたばかりだ。せっかく異世界に来たと言うのに町が見れないのはとても残念だ。


「決まってないならさ、一緒に教会に行かない?」


「教会?」


「うん。キミはステータスボード持ってないでしょ?」


確かに今の俺は持ってない。けど、


「記憶がなくなる前の俺は持ってないのか?闇属性の適性が高いって言ってたけど、そういうのもステータスボードに書かれてるんじゃ」


「いいえ、お兄様はステータスボードを持っていません。全属性の魔法を使ってみて、闇属性が一番使いやすかったようなので、適性が高いと分かっているだけです。ステータスも記憶がなくなる前は全項目Aはあったんじゃないのか、と言われています」


復活したシスカが説明してくれる。推定Aランク。俺は神様ボーナスでSだけど、ボーナスなしでA相当って...めちゃ強いやん。


適性に関しては納得。

使いやすい使いにくいはあっても全属性一応使える。なら、後は使いやすさで分かるのか。


「そっか、じゃあ行くか。シスカもどうだ?」



「いえ、私はお父様が帰ってくるまで家の仕事をしなくてはならないので、すみません」


「え、そうなのか、俺も手伝えることがあったらやるけど。兄ちゃんだしな」


「記憶がない状態で家の仕事を任せるのは...」


「そ、それもそうだな...」


そりゃそうだわな。記憶がない人に任せるとか恐怖でしかない。


「シスカちゃん来れないのかー。じゃあシンヤ君と二人きりでデートだね♪」


ルシルがいい笑顔でこちらを向く。

もうそろそろ俺も分かってきた。今のルシルは俺の様子を見て楽しんでる。さっきからからかわれてばかりだからここらで反撃を、


「おお。そうだな。デートだな」


こちらも笑顔と明るい声で返す。


「え」


笑顔から一転、ぽかんとした顔になる。瞬間、ルシルの顔がゆでダコの様に赤くなっていく。


「俺の勝ちだな」

「うぅ、私の負けー」


本当、ルシルと話してると楽だな。このやり取りも楽しいと思っている自分がいる。


「じゃあ行くか」

「あ、うん」


シスカに見送られて、俺とルシルは教会を目指して家を出た。

てか、教会でも怖がられたりしないよな?...しないよな?

お読みいただきありがとうございます。今回はシンヤの専用魔法が明らかになりました。意外とショボそう。

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