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al fine─アルフィーネ─  作者: 鈴村嵐夢
一章家族の思い
4/23

#4確かな無関係の繋がり

「どうぞどうぞー」


ルシルが許可をだし扉が開く。

一体誰だ?とは言っても、俺が知っているのはルシルとセバスさんだけだ。

つまり、セバスさん以外だと誰も知らないわけで、


「失礼します」


少女がペコリと礼をして入ってくる。


「おいっすおいっす~。シスカちゃん♪」


...やっぱり『おいっ→す↑おいっ→す~↑』なるようだ。

っと、そんなことは置いておき、今は新たに現れた少女のことだ。

見た目は中学生位か?髪型はサイドポニー。

ポニーの部分、というのか?それを右に作り左側はストレートになっているようだ。瞳の色は黄緑。


「...お帰りなさいませ。お兄様」


なんだ、今の微妙な間は...


「あ、ああ。というより、キミは?」


「彼女はシスカちゃん。シスカ・サツキ」


ルシルが答えた。


「ってことは俺の...妹?」


流石に姉には見えないし、お兄様と言ったので間違いないだろう。


「...その通りです。お兄様。私はあなたの妹です」


「ああ、うん、そうか」


一つだけ気になることがある。セバスさんやルシル、今あったシスカも俺が以前から居たと思っている。


神様が身分的なのもを用意してくれたのか。

もしくはとても可能性が低いが同姓同名で、顔も似ているそっくりさんがいる。


さっき言ったように、後者はとても可能性が低い。天文学的数字のはずだ。だが、前者にも問題がある。それは遺伝だ。

瞳の色は無理矢理だが突然変異ということにしよう。だが...


「なあ、シスカ?俺とキミは、血が繋がっているか?」


まずは確認。


「はい。同じ親から産まれ、同じ環境で育っています」


確証が得られた、次は


「髪の色って遺伝するよな?」


「...?すみません。遺伝とは?」


「ああ、遺伝は親から子に外見的特徴等が伝わることだ」


生物学的には違うかもしれないが、今必要な情報は外見的特徴だけだ。


「そういう意味なら、瞳の色はお母様に、髪色はお母様、お父様、共に金色ですので、どちらからかは分かりません」


そう、そこが問題なのだ。シスカは金色、俺は黒なのだ。

表情の変化が乏しく、とても分かりにくいが、なぜそんな事を聞くのか不思議がっているな。


「ああ、ごめんな。シスカの髪も金色だろ?」


「はい。そうですね。ですが、お兄様も、ですよね...?」


「...へ?」


驚いて情けない声が出る。

俺が金髪?髪染めたっけ...?いやいや、俺が通ってた高校は染めるのは禁止だ。


「ルシル、鏡あるか?」


俺は頭を抱え下を向いたまま、暇そうにしていたルシルに聞く。


「ん?鏡?ちょっと待ってて」


ルシルは部屋から出ていき、数秒経って、手鏡を持って戻ってきた。


「はい」


「おお。さんきゅー」


ルシルから鏡を受け取り、自分の顔を覗く。


バタン。机に顎をのせ脱力。

おおぅ...確かに金髪だよ。


「ホントに金だし...」


「何色だと思ってたの~?」


「くりょだひょおもっひぇた。あひょしょえやへぇて」


ルシルに正面から両頬をつつかれる。


「ええ~、残念~。」


愉快そうな笑顔で残念とか、全く思ってないだろ。

てかそうだよ。神様だ。俺の髪色変えるくらい造作もないだろ。


「ええっと。聞きたいことはまだありますか?」


シスカが困惑気味に聞いてくる。


「ああ、大丈夫だ。ありがとな」


体を起こしてシスカに答える。

そういえば、俺しか質問してないけど、


「そういえばシスカ、部屋に来たってことは何か用事があったんじゃないのか?」


「...いえ、私はお兄様が帰ってきたと聞いて様子を見に来ただけなので」


またこの微妙な間。何なのだろうか?


「そうなのか」


「はい、以前のお兄様とはまるで別人です。いえ、...」


「シスカ?」


「あ、いえ、何でもありません」


「そうか。以前の俺ってどんな奴だったんだ?」


「あ~。それはねぇ...」


何で言いづらそうなんだよ。

コンコン。扉がノックされる。


「あ、はい。どうぞ」


俺が許可を出すとメイドさんが入ってくる。部屋の前にいた人とは違うな。


「シスカ様、そろそろご就寝のお時間でございます」


「あら、もうそんな時間でしたか。お兄様、ルシルさん、お話の続きは明日でも良いでしょうか?」


「ああ、俺はいいよ」


「私も大丈夫だよー」


「では、明日でお願いします。失礼します」


「おう、おやすみ」


「お休み~」


ルシルはフリフリと小さく手をふる。


「さて、私も戻ろうかな。じゃあね、シンヤ君♪」


そう笑顔で言い残すと、目の前から消える。


「なんだよ、これ。魔法?」


ルシルはいなくなり、部屋には俺と窓から吹き込

む風だけが残っていた。







「シスカ様、シンヤ様のご様子は...」


後ろについているメイド、アイナが私に問いかける。


「まるで別人ですね。別人だと言われた方が納得が出来るほどに。それとも...いえ、何でもないです」


「そうですか。ではごゆっくりとお休みください」


「ええ、お休み、アイナ」


アイナが出て行き、私はベットに入り、枕に顔を押し付ける。


「...なんで、なんで今さらシスカと呼ぶのですか...()()()


暗闇の中で静かに、ひっそりと、感情が瞳から零れ落ちる。


さて、4話も読んでいただきありがとうございます。今回は新キャラ、シスカ・サツキの登場回でした。

昨日は初めて評価していただけ、一人深夜で発狂していました。評価してくださった方にとても感謝しています。

シンヤと深夜でかけたことに気づいた人はいたのでしょうか?笑

作者の鈴村嵐夢です。昨日Twitterで聞かれたのですが、嵐夢は「らいむ」と読みます。

作品に関する質問などはTwitterの方が返信しやすいのでDMに送って頂けると幸いです。


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