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アラサー×ゲーマー+ダンジョン=主夫!?  作者: 一汁三菜
アラサー×ゲーマー+ダンジョン=主夫!?
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幕間~とある男の末路

 聖人がダンジョン都市を出てしばらく経ったある日の深夜。男は都市の中を逃げていた。ただ逃げるなら都市を出た方が可能性が上がるはず。だが、男は都市の中を走りダンジョンを目指していた。逃げる男の名は笹崎。聖人を嵌めようとして失敗し自らの首を締めてしまった男。闇の中、路地裏を通りダンジョンを目指していた。朱雀のダンジョンへ


「こんなはずじゃなかった。あいつが居なくなって朱音さんが俺の物になるはずだったんだ。なのに……」


 小休止の為、狭い路地に入り隠れる様に身を縮めた。すると、上から声が聞こえた。


「なのに、お前は失敗した」


 全身に緊張が走った。恐る恐る上を見上げると壁に垂直に立っている男がいた。その男は間崎達を青龍のダンジョンに連れて行った時に笹崎と行動を共にしていた男だった。


「ま、待ってくれ!必ず、必ず約束の日までに結晶を納品する!だから」


「どうやって結晶を作るつもりだ?」


「そ、それは……とにかく今から朱雀に行き結晶を回収する!」


「朱雀か。だが、数が足りるのか?」


「青龍と比べて数は少ないが、純度は高いはずだ!だから、待ってください。お願いします」


 壁に立つ男は逡巡したかの様に黙っていた。その間に逃げようと立ち上がり走り出そうとした。その時、


「何処へ行く」


 男の声が背後から聞こえた。


「待ってくれ!必ず、必ず……」


「お前は我々の支援がなければ生きていけない。だが、我々はお前が居なくても構わない。故に」



 笹崎が聞いた言葉はそれが最後だった。



 笹崎の首を飛ばした後、その場を立ち去ろうとした。その時、路地に転がっていた笹崎の首を片足で踏みつけた人物がいた。


「あーあ、殺したんですか。相変わらず気が短いですね」


 男は振り返らなくてもその声に聞き覚えがあった。


「お前か」


「それでこれからどうするんですか?これが居なくなったら誰が結晶を納品するです?」


「我々は既に結晶に興味は無い」


「そうなんですか?ついに、諦めたんですね」


「いや、今度は例の薬だそうだ」


「はぁ……まだ諦めてないんだ。巨乳になる事を」


「我々はお嬢様の望みを叶える為に動くだけだ」


「そうなると、私達はライバルですね」


「そうか、お前も例の薬を探していたな」


「ええ、妹の目を見えるようにするには人体錬成薬が必要なんです。だから、数多のダンジョンを攻略して、薬を取ってくる探索者を見つける為に組合に入ったんです」


「それで、見つかったのか?」


「うーん、鑑定した能力以上の成果を出す探索者はいましたけど……秘密です♪」


「我々はお互いに協力してきた。情報提供を求める」


「そうですね~まあ、今は都市の外にいるから良いかな。名前は間崎聖人。でも、彼に目をつけたのは私が先ですからね!」


「間崎聖人……」


「でも、あなた達が結晶から手を引くなら都市の運営は難しくなりますね。そろそろ潮時かな~お金はだいぶ稼げたし実家に帰るのも良いかな」


「好きにすれば良い。必要な時はこちらから接触する」


「ふふ、彼を見つけたら教えてくださいね♪さてと、私はそろそろ帰ります。寝不足はお肌に悪いですから、ちゃんと後始末お願いしますね」


 そういうと音もなく気配が消えた。


「間崎聖人。どんな男か探りを入れるか」



 男は主人の次なる欲望を叶える為の獲物を探しに夜の闇に消えた。

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