表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/44

筋肉痛と瞑想

 ダンジョンからバスに揺られて寮まで戻って来るとちょうど晩御飯の準備をしていた管理人さんに怒鳴られた。


「ちょっとあんた! なんて格好をしているんだい! 血だらけじゃないか」


 そう言われて自分の姿を見るとゴブリン共の返り血で悲惨な状態になっていた。


「あ、いや、これは返り血です。 自分はかすり傷一つないです」


「返り血だって? ならいいけど、それなら早くなんとかしな!

 臭くて堪らないよ。 洗浄とか消臭とか早めに習得するって小冊子に書いてあったはず」


「えっと、そんなん書いてました? 覚えてないですね」


「ったく、スキルが無いならエレベーターの隣にシャワー室があるからそこで洗ってきな!」


「了解であります」


 早速、言われた通りにシャワー室に向かい、服を脱ぎシャワーを浴びた。 シャワーを浴びてから気が付いたが、自室に戻るまでの間に着る服が無いことに。 仕方がないからステータスを出し、先ほど聞いた新たなスキルを習得することにした。



名前 間崎聖人(かんざきまさと)


スキルポイント   20885P


習得可能技能 洗浄 消臭 乾燥



 3つ新たなスキルが表示されていた。 とりあえず全て習得し着ていた服を乾かし、自室に急いで戻った。

 自室に帰り清潔な服に着替えて食堂で晩御飯を食べ、自室に戻るとベッドに倒れこんだ。 そこで意識が飛んだ。


 次の日、目が覚めると全身筋肉痛で身体を動かすことが出来なかった。 枕元に置いていたスマホに手を伸ばし、管理人さんに連絡した。


「どうしたんだい、こんな朝早くから」


「すみません。 全身筋肉痛で動けないんで、今日の食事は全てキャンセルでお願いします」


「全身筋肉痛って……あんた、まさか闘気を使ったのかい!」


「ええ、まぁ」


「初日で闘気を習得するまでダンジョンに潜るとか命知らずだね……分かったよ。 消化に良い物を作って瑠美(るみ)に持って行かせるから」


 管理人さんは言いたいことを言うと通話を切った。


「は? 持って行くって……それに瑠美って誰だよ」


 この寮は全てオートロックの為、登録したチップ以外は中に入れないって、しばらく放心していると声が聞こえてきた。


「間崎さん入りますね!」


 すると、ロックが外れる音とドアノブを回す音が聞こえ侵入者が室内に入って来た。 ベットの所まで来た侵入者の正体は昨日も会った受付嬢だった。


「おはようございます! 初日で闘気を習得するなんて優秀ですね! でも、使えるのと使いこなすでは意味が違うので無理はダメですよ♪ はい、これはお母さんから頼まれた朝食です。 卵雑炊ですよ~お母さんの卵雑炊は絶品なんですが、こう言う時にしか作ってくれないんですよ。 だから、ラッキーですね」


 受付嬢は持って来た卵雑炊をベットの近くにあるテーブルに置いた。


「あ、はい、おはようございます。 でも、どうやって入ったんですか? 確かロックが掛かっているはずですが」


「あー、それはですね。 お母さんが端末にアクセスして私が一時的に入れる様にしてくれたんです。 あ! そうだ、闘気を使った反動で痛めた筋肉を早く治す方法があるんです! それは『瞑想』とスキルなんですが、スタミナを消費して自然治癒力を高めることが出来るんです。 ま、そんなことは置いておいて、冷めないうちに卵雑炊食べて下さいね。 ちなみに、食べさせてあげるサービスは付いていないんで悪しからず♪」


 そう言うと受付嬢は部屋から出て行った。 相変わらず嵐の様な人だったが、食事を運んで来てくれたのには非常に助かった。

 ベットから転がり落ちてテーブルまで這いつくばって行き、スプーンで少しずつ食べた。 卵雑炊はかなり熱かったが、優しい味で疲弊した身体に活力を届けていった。 食事を終えてベットまで行き再び寝ようと思ったが受付嬢の話を思い出した。


「ふむ、確か『瞑想』だったか」




名前 間崎聖人(かんざきまさと)


スキルポイント   20735P


習得可能技能 瞑想



 物は試しに瞑想を使うと、ゆっくりと瞼が重くなってきて目を瞑った。


 ふと、気が付くと時間は昼前だった。 ゆっくりと起き上がるとあれほど痛かった筋肉痛がかなり緩和されていた。シャワーを浴びてから食堂に行くと管理人さんに声を掛けられた。


「おや、もう動けるようになったのかい」


「ええ、お陰様で。 あ、これ、卵雑炊美味しかったです」


 そう言って洗った食器を返却した。


「そうかい。 で、昼飯は食べるのかい?」


「はい、朝に要らないと言いましたが、何か簡単な物で結構ですので作って頂ければと」


「安心しな、あんたの分もちゃんと作ってあるよ。 ほら、筋肉痛には上質なたんぱく質を取ることが重要だよ。 今日のメニューはタンドリーチキンと豚肉の冷しゃぶサラダに納豆とご飯の定食だよ!」


 

 昨日と同じく全てが特盛になった定食をなんとか食べきり自室に戻ると、今回の件について考えてみた。 ダンジョンで闘気を使って探索したのが約2時間程。 その後、筋肉痛で倒れ瞑想にて2時間程の仮眠でほとんど回復した。 つまり、ダンジョンに行かなくても自室にて闘気を使い身体に負荷を掛けた後、瞑想で急速回復すれば効率良く身体を闘気に馴らすことが出来るかもしれない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ