闘気の使い方
寮での食事を終えて一度自室に戻り、初心者用のダンジョンに行く準備をした。 表向きは初心者の為、リュックサックを背負ってヘッドライトを付け、木刀を帯刀しダンジョンに向かった。
初心者ダンジョンは寮から少し離れている為、専用のバスが走っている。 寮の前にあるバス停で少し待ち、バスに乗りダンジョンを目指した。
バスは俺以外の乗客はおらず、貸し切りだった。 30分程バスに揺られていると目的地に着いたみたいでバスが停車した。 バスから降りると目の前に『初心者ダンジョン』と書かれた看板が立っていた。 看板に向かって歩いて行くと、警備員が立っていて暇そうにしていた。 警備員の後ろにダンジョンの入口らしき物が見えたので近づいて行くと声を掛けられた。
「ちょっと待て! 貴様、その格好はなんだ! 遠足にでも行くつもりか!」
「はぁ、今日初めてダンジョンに入るので、とりあえず必要な物を持ってきただけですが?」
「初めてって、初心者か……なら、ダンジョンに入る前にそこにあるスキャナーにかざして行けよ。 1日経っても退出が確認出来なければ死亡扱いになるからな」
「分かりました」
ダンジョンの入口の近くに小型のスキャナーがあったので、右手をかざしてダンジョンに入った。
「バカがまた1人逝ったか……」
幾人もの新人探索者を見送ってきた警備員の呟きは誰の耳にも届かなかった。
初心者ダンジョンの一階層にやって来た。 入口から少し進むと裏庭ダンジョンと同じようにテニスコート程の部屋がすぐにあった。 ヘッドライトで周りを照らし確認していくが特に何も見付から無かったので、とりあえず自分自身を鑑定してみた。
名前 間崎聖人
称号 無し
スタミナ 100/100
スキル 無し
スキルポイント 0P
状態 良好
「ふむ……何かのスキルを使われた形跡は無いな」
ダンジョン都市に入ってから複数人に鑑定をされたから、他にも何か使われた可能性も考えていたのだが杞憂だったようで、今度はステータスを開いた。
名前 間崎聖人
称号
生還者☆☆☆☆☆ MAX 効果 極
ファイアーマン MAX 効果 極
屠殺 MAX 効果 極
迷宮踏破 1/3 効果 微
スタミナ 100/100
スキル
光源 火 地図 自動書記 鑑定 固定 遅延 空間収納 水 隠蔽 偽装 ストレージ
スキルポイント 20983P
習得可能技能 闘気
「よし、あるな」
習得可能欄にスキルが表示される条件は自分で考えるか他人に教えて貰う。 それ以外にも方法は有るんだろうが今はわからない。 とりあえず闘気を習得し、使用してみた。
闘気を使うと全身が薄い膜に包まれた感じがした。 闘気を鑑定してみると、
名称 闘気
効果 スタミナを消費し一定時間、使用者の肉体及び装備している物を強化する。 一定時間毎にスタミナを消費し効果時間を延長する事も出来る。
名前 間崎聖人
称号
生還者☆☆☆☆☆ MAX 効果 極
ファイアーマン MAX 効果 極
屠殺 MAX 効果 極
迷宮踏破 1/3 効果 微
スタミナ 99/100
スキル
光源 火 地図 自動書記 鑑定 固定 遅延 空間収納 水 隠蔽 偽装 ストレージ 闘気
スキルポイント 20933P
「スタミナは問題ないな。 後は時間か、だがその前に……」
前回手に入れた称号『迷宮踏破』はパッシブで周囲1mを警戒するスキル。 今回はアクティブスキルで広範囲を探索するスキル、こう人の気配を感じるとか魔力っぽい何かを周囲に飛ばしてソナーみたいに探す事が出来る様なスキルが欲しい。 裏庭ダンジョンと違い1人で探索している訳ではないから、他の探索者と鉢合わせしない様にしたい。
名前 間崎聖人
スキルポイント 20933P
習得可能技能 アクティブソナー
「ん、出たな」
アクティブソナーを習得し、早速使ってみた。 自分を中心に何かが飛んで行き、何かが反射して帰って来ると周囲のダンジョンの地形を感じた。 それと、背丈の小さな生き物を何体か感じたが人の様な物は感じなかった。 闘気の検証もしたかったが、とりあえず一階に人らしき物はいない感じなので、普段通りにスキルを使って探索を開始した。
一定間隔でソナーを使用し警戒しながら進み、いくつかの部屋と通路を進むと先ほど感じた小さな生き物の反応が正面の部屋の中から感じた。 通路から部屋の中を伺うと、絵物語に出てくる様なゴブリンがそこにいた。 薄汚い布を腰に巻き、その手の近くにはナイフが落ちていて奴は部屋の中央で寝ていた。
ゆっくりとゴブリンに近づき、闘気を纏った木刀を奴の頭に向けて振り下ろした。 すると、奴の頭はスイカを割った時の様な感じになった。
「闘気……ちょっと強すぎるな」
闘気による強化が想像以上だったので、これなら真正面から戦ってもいい勝負が出来そうだった。 ソナーを使用し近くの反応を探して、サーチ&デストロイで片っ端から潰していった。 あるゴブリンは上半身が吹き飛び、又あるゴブリンは右半身が吹き飛んでいた。
一階層を全て回り終え入口まで戻り、闘気を解除すると凄まじい倦怠感が襲ってきた。 もう一周回るつもりだったが、身体が悲鳴をあげていた。 ダンジョンから出ると、入る時に見た警備員が驚いた表情をしていた。
「お、お前、生きていたんだな」
「おい! 勝手に殺すなよ」
「悪かったよ。 だいたいこのダンジョンで初心者の大半は死ぬんだよ。 だからな」
「そうか……だが、俺は生きてるぞ」
「ああ、そうだな。 無事に帰ったのなら、そこのスキャナーにかざしてから帰ってくれよ」
「了解」
行きと同じくスキャナーに右手をかざしてからバス停に向かった。




