何でどうして、怖い怖い怖い怖い怖い…………?!
「ローゼ、俺は大丈夫、ゴブリンもちゃんと追い払ったよ。」
「本当!?」
「うん、本当。だから安心して?」
「おーい、ユート君!」
あ、シアン。すっかり忘れてた、
「シアンー!安心してくれ!ローゼは助けたぞ!」
「そうか、なら良かった…」
「おい!ローゼの声が聞こえたけど大丈夫だったのか?」
「あぁ、何とかなったよ。」
「そうか、なら良かった!てか、ユート!ひでぇぞ、俺の話も聞かずにどっかにいくなんて!」
「ごめん、初めて捕まえられて嬉しくてね。」
「ったく…ん?なんか変な匂いしねぇか?」
「…そう言えばそうだね。何の匂いだろう?」
まずい!
「ねぇ、みんな、実はさっきローゼはゴブリンに襲われてたんだ。」
「「え?」」
「実はそうなの…でも!ユートがやっつけてくれたから大丈夫だったよ!」
「うん、相手が一匹だから何とかなったかもだけど、次は二匹来るかもしれない、だから今日はもう村に戻ろう。」
「あ、あぁ、そうだな…」
「う、うん…そうだね、一旦戻ろうか………」
ゴブリンの死体はどうしよう…
「ごめん、ちょっと先に行ってて。」
「いや、でもまだゴブリンがいるかもしれないんだろ?」
「大丈夫!本当にすぐに戻って来るから。」
「そうか?じゃあ、じゃあ待っててやるから早く行って来い!」
「ありがとう!」
さて、何とかゴブリンの死体を見つからず戻ってこれたけど、本当にどうやって処理しよう?
うん…どっか捨てれるとこを探そう。…と思ったけど時間がかかりすぎるので、無難に埋めとこ。
さてと、何で掘ろうか、…ん?おぉ、ここに平たい木の枝あるじゃん。
《身体強化》かけてどんどん掘ってこー!
≈十分後≈
よし、こんなもんだろう。
被せた土が少ない気がするけどまぁいいだろう。
「終わったー!」
「「「おかえり(ー)(!)(。)」」」
俺たちは、このあと特にに話すこともなく(話せなかったが正しいかもしれないが)村に帰った。
村に帰ってからは、ゴブリンに襲われたことをすぐに伝えた。
その後、すぐにゴブリンにあったことをみんなに伝えた。もちろん村は大騒ぎだ。
「みんな!大丈夫だったの?」•「怪我してない?」•「ローゼちゃん?!大丈夫?!!」•「シアン、大丈夫だった?」•「レオナルド?、大丈夫なの?!」•「みんな本当に怪我がなくて良かったわ…」•「本当に良かったわ」•「ゴブリンはどうしたの?」などなど色々言われた。
………………あれ?………俺への言葉が無い?……………きっと気のせい…気のせいに決まってる!そうじゃなければこの状況で何も言葉が無いなんてあり得ないんだ!
……大丈夫だよね?(この村での俺の立場…)
その後、すぐに近場のゴブリンの掃討が始まった。結局、一匹もいなかったそうだ。
どうやら、ただ単にゴブリンが迷い込んだだけらしい。それに運悪く遭遇したと……
≈その日の夜≈
今日のことで、ユートは恐怖に苛まれていた。
あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い…………
何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で……
頭にこべりついている、木の枝からつたう血、貫通した時の感触、そして命を奪ったという罪悪感。
違うっ!!そうじゃ無いっ!
俺が…俺が本当に怖いのは自分自身だ。
俺は…ゴブリンを殺した時に間違いなく喜んでいた。誓って、俺は今まであんな大きな命を奪ったことはない!
でも…でも俺は命を奪う時に興奮していたっ!嬉しくも何ともないのにっ!殺したことに対して嫌悪感しかないというのにっ!
喜んでっ!楽しんでっ!快楽なり得るほど気持ちのいいものだったっ!
《仕方がなかったのだろう?お前が悩むことは何一つない。》
たったこの一言で視界が黒く染まる。何も見えなくなる。
…仕方ない?そんなわけ無いっ!ゴブリンを殺したのは仕方がなかったかもしれない、けど…けどっ!…………
頭から離れない……ゴブリンにとどめを刺した時の声が、表情が、痛みで憎悪に満ちた目が、頭からっ、頭から離れないっ!
「そもそもお前は一体誰なんだ!何が目的で俺の頭の中に入ってくるんだ!一体何なんだ!」
《俺はお前で、お前は俺だ。それ以外の何者でもない。》
「そんな訳がないだろう!俺は、邪魔だからといって、破壊したことはない!」
《だが、お前はそれができなかっただけでしたいと思っていたんだろう?》
「違う!俺はそんなことは望んでないし、するつもりもない!」
《それはお前が気づいてないだけだ、いつかお前はそうしなければならない時がくる、その時に全て悟るだろう、お前の中にあるものすべてをな》
「いつかっていつだよ!なに訳の分からねぇこと言ってんだ!俺は俺だ!お前に何か言われる覚えは無い!」
《今は認めなくとも結構、しかし、お前はこの運命から逃れることはできない。》
「何の話だ!お前は結局なにをしたいんだ!」
《さらばだ、また話すときは、お前が俺であり、俺がお前になっているだろう。》
「だから何の話だ!俺は俺で、お前は俺じゃ無い!」
《いつか分かるだろう、この言葉場の意味が。》
少しずつ、声が遠くなる
「おい待て!話は一切終わってないぞ!」
その後、五分待っても、十分待ってもなにも返事は返ってこなかった。
わからない、わからないわからないわからないわからないわからないわからない!
俺は何なんだ、何であんな声が聞こえる、何で喜んだ、何で興奮した!
なぁ誰か教えてくれよっ!俺がどうして自分に恐怖しないといけないんだっ!誰か…誰か俺に教えてくれよっ!
「無言じゃ何も分かんねぇよ……誰か…おれをここからだしてくれ……」
俺はその後、何か安心できる温かいもの包まれてすぐに寝てしまった……