無属性ってすごい?!
「おーい、みんなーちょっときてー」
みんなを読んでいるのは悠斗ことユートの俺だ
「なーにー?」
「なんだー?」
「なんだい?」
三者三様の答え方をしてくれたのは俺の友達のみんなだ。
仲良くなってからみんな楽しく過ごせるように頑張ってきたからな。いまでもみんな、仲のいいままだ。
「今日はみんなで鬼ごっこってゲームしない?」
「「「おにごっこってなーに?(なんだ?)(なんだい?)」」」
「鬼ごっこっていうのは、鬼が鬼じゃない人をタッチして捕まえるゲームのことだよ。」
「でも、ここに鬼はいないよ?」
「ごめん、言い方が悪かったね。つまり、誰かが鬼の役をして捕まえるって事。」
「あ〜、なるほど!」
「面白そうだな!早速やってみようぜ!」
≈≈ 一時間後 ≈≈
「全っ然捕まんない!!」
今鬼をやっているのは俺だ。前世で多少はやってた俺が有利かと思っていたらそれが全く意味が無かった!
最初は俺は逃げる側だったんだが10回やって全部最初に捕まった…
じゃあ今度は、捕まえる側になってみたんだが影一つ見つけることができてない。
……ねぇ、コレってオニゴッコデスヨネ?カクレンボジャナイデスヨネ?
「みんなー!俺の負けでいいからでてきてくんないー?」
ガサッ!音が聞こえたのはなんと背後からだった!!!
「ウヒャア!」
そこにいたのは、呆れた顔をして僕のことを見ている三人だった。
「…なぁ、ユート、俺たちは始まってからずっとお前の後ろに居たんだが……」
え?!ウソッ!?
そんな音も気配もなかったよ?
「何も音がしなかったと言わんばかりの顔だが、エルフなら本来この位なら余裕だぞ?」
……知らなかった………まさかこんなにみんなが隠れるのが上手いとは…いや、俺が下手なのか。
「ユート君、大丈夫?違う遊びにする?」
いくら自分が出来ないからって、諦めるのは男がすたる!
「いや、大丈夫!次こそ捕まえる!」
そうは言ってみたものの、どうすればみんなを見つけることできるだろうか……そうだ!
「じゃあみんな、もう一回逃げてね?」
「おう!」「うん!」「いいよ。」
「じゃあ行くよー、30・29・28……3・2・1・0!行くよー!」
俺はみんなに比べてエルフの感覚が鈍い、これは前世が人間だったのが影響しているだろう。
だが逆に考えろ、つまり!感覚さえ鋭くできれば俺もエルフのように出来るのではないか?
そしてそれを実行することのできる方法は…そう!魔法だ!
そして!俺が考えた策とは!!………
「《身体強化》!!」
無属性の強化魔法だ!卑怯?知らんな、こうでもしないとエルフの基礎能力に勝てないんだから仕方ないよね?……だよね?
ヤベェ、嫌われたらどうしよ…………ま、まぁナントカナルヨネ?
よし、とりあえず今のことを考えよう。
まずは、落ち着いて感覚を研ぎ澄ませるイメージで…………ナンモカワンネェ。
え?、ちょ、マジで?これ以外の策なんもないんだけど?
い、いや!まだだ、まだ終わらんよッ!!
まだ強化できるところはある!それは…五感だ!
でも五感すべてに神経を集中するのもやだし、だって味覚良くなっても、今はなんの意味もないし。
だから、みんなを見つけるのに必要なのは、嗅覚と聴覚を強化すれば良いかな。
魔力を鼻と耳に集中させて………
!!……スゴイ…周りの音がものすごく鮮明に聞こえる…しかも集中すると聞きたい音も探せそうだ…今、10メートル先の葉っぱの音が聞こえた。
鼻も、とても良くなっている…今まで普通の森だと思って気づかなかったこの森特有の匂い……これなら…これなら、いける!!
まずはレオナルドから探していこう、まずは匂いを探す…自分を中心に左斜め前から匂いがした。
次に音を探す…ガサッ…いた。
【ドクンッ】
あと……30メートル。
【ドクンッ、ドクンッ】
《身体強化》で一気に詰めるッ!
ユートは目を開けた。
【ドクンッ、ドクンッ、ドクンッ】
……今ッ!
レオナルドを目視ッ!このまま気づかれる前に捕まえる!
レオナルドが振り向き始めたっ!あと10メートル、間に合ってくれ……!
完全にこっちを向いたがもう遅い。
「レオナルドッ、確保ー!」
「なっ…!ユート、お前そんなに動けたのか…」
イ、ヨッシャー!やっと一人!あとは、シアンとローゼの二人だ!
「そんなに動けるんだったら、最初っからしろよなー」
よーし、この調子で二人とも捕まえてやる!←(聞いてない)