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クレア・キング

 その後、私がクレアちゃんを≪蘇生≫している間にみんなが倒してくれていた部下の死体を片付けたりした。

 そして出発しよう、となったときに、クレアちゃんが手を挙げてみんなを止めた。

 そうしてすぐ、渋い顔になると、何度かうなずいたり、濃い金色の髪の毛をかきむしったりしていた。

 誰かと≪通信≫しているようだった。

 やがて、思い詰めた表情に変わったクレアちゃんは、私の方を見ながら、唇を噛みしめた。

「祝、ちょっといいか?」

「う、うん。どうしたの?」


「父上の部下の「魔導師」からの≪通信≫なんだが……。

私は、父と決別して家を出ることにしたい。いいだろうか?」

「えっ!? そ、それは、どういうことなの?」

「今詳しくは、」

 そこまで言ったところで、クレアちゃんはまた≪通信≫に戻ったようだった。

 瞳に怒りをにじませたクレアちゃんは、握りしめていた拳を自らの太ももに叩きつけた。

 みんなも、心配そうに見守っている。


 クレアちゃんは、一度目を閉じると、

「済まないな。さっき言ったとおりにしてしまった」

「詳しく、話してくれるよね?」

 私の言葉に、クレアちゃんはうなずいて、どっかとその場に座り込んだ。

「みんなも座って聞いてくれ」

 言われて、みんなもクレアちゃんの周りに腰を下ろした。

「父上から無理難題を押しつけられてな。

家――つまり、キング家か祝か、と選択を迫られたんだ。

それで私は、家を捨てて祝を選ぶことにした」


「なにを言われたの?」

 私が再度問うと、

「なにから話したものかな。いや、全部話さないとわからないか」

 クレアちゃんは、長い話だと前置きして、語り始めた。

 彼女の、クレア・キングのこれまでの物語を――



 クレアちゃんの実家、キング侯爵家は魔道共和国でも屈指の、名実ともに力を持つ名家中の名家だ。

 先々代にあたるお爺さまは元老院に入り、権勢を大いに広めたという。

 クレアちゃんはそんな趨勢のキング家に長女として生まれた。

 男の子が期待されていた中での女の子の長子。

 クレアちゃんはお爺さまから疎まれて育ったという。

 お父さまもお母さまさえも、お爺さまに(おもね)り、クレアちゃんにきつくあたった。


 やがて6歳離れた弟さんが生まれる。

 すると、クレアちゃんは弟さんを中心に回るキング家の中で居場所を失った。

 そしてキング家が所有する爵位のひとつである子爵位を授けられて、独立することを言い渡されたという。

 わずか7歳のときに、だ。

 それからのクレアちゃんは、元「姫騎士」でキング家に仕える侍女兼護衛のマリアさんに育てられた。

 別邸に移住させられ、「姫騎士」となるべく英才教育を施される毎日だったが、実の親兄弟の下にいるより、よっぽど安心して生活できていたとクレアちゃんは語った。


 10歳でクレアちゃんは魔導学院に入り、寮生活をはじめた。

 そして優秀な成績を修めて卒業し、無事に「姫騎士」に叙任された。

 だが、キング家からの真の呪い(・・)はこのときからはじまった。

 実家に呼び戻されたクレアちゃんは、正式に子爵位を授かるとともに<龍姫理法>で強力な≪制約≫を受けたのだ。


 なによりもキング家の名誉を守り、栄誉を築くために働くことを優先すること。

 キング家当主の命に背く場合は、爵位を奪い、「姫騎士」も自ら辞任し、キング家の家名からも除籍されること。

 これは、命の続くかぎり守らねばならないこと。

 以上のことを誓約し、また守秘義務を負うこと。


 どうしてそこまでする必要があるのか、私にはさっぱり分からなかったが、お爺さまは家督を争って長く親族と抗争を繰り返したと聞いて納得した。

 派閥の分かれた親族は容赦なく粛清・放逐し、やがてキング家はひとつにまとまったのだという。

 クレアちゃんに選択の余地はなく、その≪制約≫を受けて「姫騎士」として生き始めた。

 キング家の名誉のため、クレアちゃんは粉骨砕身して「究竟」の称号を授かることまでした。

 しかし、その直後にお爺さまは亡くなられた。

 何の感慨も浮かばなかった、とクレアちゃんは乾いた声で笑った。


 そうして間もなく、クレアちゃんは私と出会ったのだ。

 そして今回、クレアちゃんは命を落とした。

 その際、≪制約≫もまた効力を失った。

 しかし、クレアちゃんはあろうことか蘇ってしまったのだ。

 一度、効力を失ったはずの≪制約≫が不完全な形で再起動したことから、お仕えの「魔導師」はいたく驚いたという。

 その話は即座に当主であるお父さまに伝えられ、今回の≪通信≫に至ったというわけだった。


 話の内容は、なにが起こったのかの説明と、再びきちんとした≪制約≫を受けること、また私のことよりもキング家が優先されるのだから、今すぐ私の下を離れて導都に戻ることを要求されたというものだ。

 しかし、今さらクレアちゃんにそんな言葉は無力だった。

 すべてを捨て去ってでも、クレアちゃんは私を選ぶ決意をとっくの昔に固めていたからだ。

 ≪制約≫について言えなかったのは、守秘義務があったからにすぎない。

 それに、家のことなどもはやどうでもよかったからだ。



 だから、クレアちゃんは私を選んで、キング家の家名と爵位を棄てた。

 「姫騎士」でいられるかどうかはお仕えしている聖下次第でもあるので、今のところは不透明らしいが、圧力がかかるのは明白だという。

 私たちは、思ってもみなかったクレアちゃんの18年の半生に驚きを隠せなかった。

「貴族というのも、大変なものなんだな」

 セラちゃんが言うと、クレアちゃんは苦笑しながら、

「自由に生きられる貴族なんて、家を棄てた貴族だけらしい」

 と、おどけてみせた。


「苦労してきたんですのね」

 おなじ貴族であるリィシィちゃんが、痛ましげにクレアちゃんを見つめながら言う。

「まあ、それなりだよ。

それを言うならリィシィのところだって、何千年も続く、本物の名家中の名家じゃないか。

いろいろあったんじゃないのか?」

 リィシィちゃんは肩をすくめた。

「そうですわね。いろいろですわね」

 ふたりは、くすりと笑い合った。


「そうだ。祝にもそうだが、セラにも謝らないとな」

「なにをだ?」

 セラちゃんは目をぱちくりとさせる。

「借金だよ。信用の担保とした子爵位を失ったから、返却を急がされるかもしれないし、爵位の年金がなくなるから、本気出して稼がないと不渡りを出してしまうことになる」

「そうだった!」

 クレアちゃんの話に、私も声を上げていた。

 今まではなんとかなるだろう、とのんびり構えていたが、そうも言っていられなくなったのだ。

「謝らなくてもいいけど、どうするかはきちんと考えようよ」

 私の提案に、みんなもうなずいてくれた。



 とはいえ――

 とはいえだ。

 そう簡単にお金を稼ぐ手段が転がっているはずもない。

 まして、額が高い。

 10万金貨なのだ。

 地道に毎月の返済を滞らせないようにするくらいしか、方針として固められなかった。

 そのための手段としても、冒険者活動を本腰を入れてやる、というものに落ち着いた。

 というか、他に思い当たるものがなかったと言うべきか。


 セラちゃんの元々の所有者であった佐々原丙は、「焔蛇」一派だったことがわかり捕縛され、財産等すべて没収されている。

 故に、セラちゃんの返済金の債権は、現在は魔導共和国政府が有している。

 佐々原個人に返却するよりも、債務が重くなっているように感じるのは私だけではあるまい。

 とはいえ、一度公的に交わされた契約なのだから、返却さえ滞らせなければ、無体なことは言ってこないと思われた。

 担保の話についても、難癖をつけられたらそのときに改めて話し合おうということになった。

 なので、これからは頑張って、「黒百合」一丸となってお金を稼がなければならないのだ!


 この世界に来た当初、お金がなくて絢佳ちゃんとふたりでこつこつと働いていた頃のことが思い起こされた。

 あれから随分と時間が経ったように感じるが、実際には3ヶ月少々しか経っていない。

 私にとっては人生そのものの長さとほとんどおなじなのだが、不思議とそれほどの時間が経っていないという常識判断めいた感覚があった。

 私の歪な存在性ゆえだろうか。

 しかし、今の私はそういうことでうじうじと悩んだりはしない。

 為すべきことがあって、そのための道程も一応とはいえ決まったのだ。

 今は前に進むときなのである。



 しかし、その前にひとつ、やらなくてはならないことが私にはあった。

 聖下への報告だ。

 クレアちゃんのお父さまから話が行く前に、私から話しておかなくてはならないだろう。

 それに、「黒書の欠片」が現実に襲ってきたことも重要だ。

 私は「魔王」チャンネルでラトエンさまに話し、クレアちゃんとともに御苑へとテレポートした。

 クレアちゃんも<妖詩勁>を会得したことで、一緒に行けるようになったからだ。


 喫緊の話がある、という曖昧な名目でも、ラトエンさまは聖下にお話を通してくださり、私たちは謁見の間に入っていった。

 聖下に挨拶をすると、早速、私は今日あった出来事をお話しした。

 聖下もラトエンさまもたいそう驚かれていた。

「キング家か。少々やっかいだな」

 ラトエンさまは渋い顔をした。

「申し訳ございません」

 謝罪の言葉を口にしたクレアちゃんに、

「いや、キング……クレア卿が謝ることではない」

 と、ラトエンさまは首を振った。


「むしろ、そこで不解塚卿のことを選んだのはよい判断だった。

いろいろと失うものも多い中、辛い決断だったかもしれないが、むしろそこについては礼を言おう」

「閣下にお礼を言われることなど、恐れ多いことです。

それに、私は祝を選んでおりましたから」

「そうか。わかった」

「ラトエン、クレアの件とセラの債務については任せます」

 聖下の言葉に、ラトエンさまは頭を垂れる。

「御意」


「祝、それよりも「黒書の欠片」の件、それに「妖書」の件ですね」

「はい。今後の活動方針に、なにかありますでしょうか?」

「いいえ、それは今までどおりにお願いします。

ただ、十二分に気をつけてください。

わたくしとしても、あなたを失うわけにはいかないのです」

「もったいないお言葉です」

「それと≪蘇生≫のことについては、軽々に話さないように」


「はい。それも、分かっております」

「キング家については、これもラトエンの方から話を通して箝口令を敷きます」

「お手数をおかけいたします」

 クレアちゃんが言った。

「構いません。あなたたち、そして「妖書」の力は切り札ですから、手間も惜しんではいられません」

 私は聖下の言葉にうなずいた。

「祝、「妖書」と<妖詩勁>について、あなたが把握していることをすべて報告書にまとめてください。

「魔王」チャンネルで閲覧制限を「ID:0」でかければ、わたくし以外に情報が漏れることもありませんから」


「仰せのままに」

「それからクレア」

「はっ」

「あなたの「姫騎士」辞任は認めません」

 聖下の言葉に、クレアちゃんは喜色を含んだ驚きの表情を浮かべた。

「祝とともに、今後も「姫騎士」としてわたくしに仕えてください」

「拝命つかまつりました」

「はっ、はい」

 私たちは、ともに頭を下げた。


「あとは、報告書が来てからの話になりますね。

あなたたちの方から他になにか話はありますか?」

 私たちは顔を見合わせた。

「聖下からこれ以上ないのであれば、私たちからは特にありません」

「そうですか。では、ご武運をお祈りしています」

 私とクレアちゃんは一緒に頭を下げ、謁見の間を辞した。

 そして、すぐにみんなの下へ戻った。



「なんとかなりましたわね」

 リィシィちゃんが言う。

「そう言い切るのはまだ早いと思いますけど」

 沙彩ちゃんは慎重な判断をしているようだ。

「大丈夫だと思おうよ、沙彩ちゃん」

 私が言うと、沙彩ちゃんも笑顔でうなずいてくれた。

「セラちゃんもだよ」

「ああ、感謝してる」


 私は急ぎ、「妖書」と<妖詩勁>についてのすべてを≪情報化≫して、≪通信≫で聖下に送った。

 その間に、みんなは各々の<妖詩勁>や≪戦いの指輪≫の調整をしたり、新たに≪魔術≫を使って武具を調整したり、≪止蔵≫したりと忙しかった。

 それで一晩、休むことにした。

「じゃあ、出発しようか」

 クレアちゃんの言葉に、みんなでうなずき、出発した。

 馬車は壊れてしまったので、ここからは徒歩での移動だ。

 荷物は、クレアちゃんが<龍姫理法>で≪浮遊≫の「場」を作り、そこに載せて運んでいる。

 私は列の真ん中で、<武術>の改変について考えていた。

 <忍術>をベースにして、<光剣道>の技を組み入れるという方針は決まっているが、これがなかなかに難しいのだ。


 <武術>には、4つのスタイルがある。

 上古の種族や龍などが生来会得しているものと、それをベースに作られた<上古武術>。

 徒手空拳をおこなう<格闘術>。

 武具に頼る簡易だが応用性の高い<武装剣術>。

 英雄不知火神如が創始した、刀をあつかうことに主眼を置いた<刀剣術>。

 厳密に言えば、銃器をあつかう<機甲闘法>もあるのだが、今の時代には死滅しているので外してもよいだろう。


 <忍術>は<格闘術>、<光剣道>は<武装剣術>になる。

 問題なのは、スタイルの壁を越えて<武術>を統合することが、難易度を高めているということだ。

 過去に例がないわけではないのだが、どちらかと言えば魔法寄りの私には難しい課題だった。

 しかし一番の難問は、<忍術>が本来ならば改変不可能な<武術>だということだろう。

 それも<妖詩勁>の力を使えば弄ること自体はできるのだが、やはり難易度を跳ね上げている。

 なので、<忍術>から必要な要素を抜き出して<新武術>に組み入れる、という手段を取ることになる。


 改変が容易な<武装剣術>である<光剣道>からは簡単にできることなのだが、<忍術>は一筋縄ではいかないのだ。

 そもそも<忍術>は、その修得からして難しい技術なのだ。

 幼少時より叩き込まれて10年以上かけ、ようやく会得できるもの。

 しかも、そこには隠密や知覚といった技術も含まれる、総合的な<職業>なのである。

 そういった苦労も最初から与えられていた私にはよくわからないものなのだが。

 ちなみに<忍法>も同様の技術なのだが、これはそのままであつかうので今回は問題ない。


 そこで相談する先生役は、もちろん、パーティ「黒百合」最強の恋ヶ窪絢佳師匠だ。

「師匠と呼ぶのはやめて欲しいです」

 ノリノリで師匠とか言ったら、即座に駄目出しされてしまった。

「でも、相談には乗るですよ」

 にっこり笑顔の絢佳ちゃんが私はやっぱり大好きだ。

「とはいえ、<武術>の改変や創始の経験はないので、どこまで役に立てるかわからないですけど」

「それはみんな経験ないことだし、構わないよ」

「そうでしたですね。この世界は<勁力>が会得できないから、技術革新ができなくなっているんでしたです」


 そう言われてみれば、新しい「世界法則」が発布されて以降、はじめての<新武術>ということになるのだろうか?

 なんだか一大事業みたいで申し訳なさを感じてしまう。

「祝ちゃんは、考えすぎなのです。気楽にやりたいことを実現できる<技術>を組み上げると考えればそれでいいです」

「そうだね」

「じゃあ、まずは名前から考えるです」

「そこからなの!?」

 予想外の展開に、私は思わず突っ込みを入れていた。

「名前は大事だと思うです」


「でも私、そういうの苦手だなぁ」

「不解塚流格闘術でいくです」

「えー、自分の名前入れるのはイヤ」

「じゃあ、黒百合流格闘術はどうです?」

「その方がまだマシだけど、それでいいのかな? ううーん」

 私が腕を組んで考えていると、クレアちゃんが振り返った。


「<格闘術>には開祖の姓を入れて<何々氏拳>みたいなのがあるから、名字入れるのはありだと思うけどな」

 言われて≪検索≫してみると、なるほどそういう感じだった。

 <劉氏拳(りゅうしけん)>に<陽氏拳(ようしけん)>、<影氏拳(えいしけん)>などがある。

「でもやっぱりイヤ」

「じゃあ、「姫流」の名を入れるのはどうだ?」

 確かに<姫流光剣道>もベースのひとつだが、その名前もそもそもを語れば、リルハの二つ名であるところの「魔龍姫(まりゅうき)」から来ているのだ。

 リルハの筋を表わす名前にするのはもっとイヤだ。


 私がそう言うと、

「そっか。それはそうかもしれないな」

「でしたら、<魔術>の方から入れるというのはどうかしら?」

 リィシィちゃんが意外な方向性を口にした。

「<光真術>と<龍姫理法>の魔法武術としての<格闘術>ということがわかるようにするのですわ」

 一理ある。

「<光真拳>とか、そんな感じかな?」

「<光輪拳>はどうですか?」

 と、沙彩ちゃんが言った。


「<光剣道>の皆伝称号である「光輪」を組み入れる形になりますけど」

「お、いいんじゃないかそれ?」

「確かに、いいかもしれない」

 とりあえず、ということで沙彩ちゃんの鶴の一声を仮の名前として採用することにした。

 <光輪拳(仮)>である。

 私たちは、昨日のことを早く忘れるように、なかったかのように、わいわいと賑やかしく旅を再開したのだった。




          ***




「遂に来たるべき日が来たって感じだね」

「真の脅威は、今回の「写本の欠片」であるか?」

「「写本」だけでなく「欠片」でも突破されることが分かったということが大事なのではないかしら」

「いずれにせよ、我々の力が万全ではなかったということが証明されてしまった形だ」

「万全どころか、穴だらけの間違いでしょう?」

「まあ、そう言わずに」

「だって……」

「最初から、これは想定内ですよ。少なくとも僕にとっては」

「じゃあどうするのよ」

「僕たちも本腰を入れて準備を整えましょう」

「戦うのですね?」

「戦わせて済むところは、それで済ませるつもりですけど」

「同士討ちを期待していいものかどうか」

「仕方ないでしょう。我々は内世界に直接介入はできないのですから」

「やっぱり、「特権」を用意しておくべきだったんじゃないの?」

「まずは落ち着け。今までどおり、我々は監視を続けるのだ。しかるうちに、好機も訪れよう」

「訪れなかったら?」

「決まっていますね。この世界が滅ぶだけ、ただそれだけのことですよ」

「ま、それもそうね」

「それもまた、想定内であるか」

「左様」

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