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2DAY

DAY 2



行政地区 米子市民センター ロッカー室 8:08



 どこからともなく聞こえてくる散発的な銃声に勝は目を覚ました。

 おそらく軍用のものだろう、布地の張ったパイプベッドから上体を起こすと周囲を見渡す。

 睡魔と格闘して割り当てられたロッカー室まで辿り着き、ベッドに倒れこんだところまでは はっきりと覚えていた。

 ロッカー室の床には勝の持ちこんだ私物が投げ捨てられ、そのままの状態になっている。

 勝はリュックからコーヒーを一缶取り出すとブルタブを開け、眠気覚ましに缶の中身をあおった。


「この紙はなんだっけ?」


 ポケットに乱雑に押し込んだ白い紙には日本語と英語で市民センター内の地図が書き記されていた。

 装輪装甲車から降りて、入り口のドアを潜った辺りで職員から渡されたものだ。

 敷地面積は800,95m2程の広さで自由に行き来できるのは上階のみ、シェルターのある地下は既に封鎖され下りられないようになっている。

 おそらくメガフロート内に居住していたお偉方が、先に逃げ込んだ先だろうと勝は溜め息を吐いた。

 食糧の配給などはイベントフロアで行われているようだ。

 勝はパイプベッドから腰を上げるとドアを潜り、イベントフロアに通じる通路を歩き出す。


「外にでられないってどういうつもりだ!」


「家族がまだ表に取り残されているんです!」


「皆さん落ち着いて! 他の要救助者も我々が責任を持って探し出します。救助を待って、くれぐれもパニックを起こさないよう……」


「なぜ血液検査なんて受けさせたんだ。お前達何か隠しているんだろう!」


 イベントフロア内部では民衆と兵士達が揉みあいになっているのが目に入った。

 群衆の中には目の血走った者も混じっており、一触触発の状況だ。

 腹が減ってそれどころではなかった勝は、配給の列に並ぶとランチパックの配給を受ける。

 水は1.5リットルのペットボトルが一日一本支給されるようなので、問題なく得る事ができた。

 こちらでも赤ん坊を一人としてカウントするのかで女性が揉めている。

 ランチパックの中身はベーコンマフィンにマッシュポテト、つけ合わせにサラダがついていた。


(失敗したかもな)


 勝は再び市民センターのマップへと目を落として難しい顔をしてうなる。

 民衆とのトラブルはあらかじめ予測しており、問題は施設の構造だった。

 出入り口が正面玄関の一つしかなく守るのには有利かもしれないが、一旦押し切られれば逃げ場を失ってしまう。

 また人が運び込まれるのがわかっているのなら事前に対策して攻め込まれる恐れがあった。

 装甲車の支援がなかったとはいえ、先日のバケモノ二名にあっさりと封鎖線を押し切られたぐらいだ。

 勝は食事を終えると階段を上って二階へ昇り、階上から窓の向こうの景色を見下ろした。


「窓際に立ったらあかんで?」


「あ、すいません」


 市民センターの駐車場には戦車が一両、装甲車が三両ほど並んでおり、機関銃陣地も構築されていた。

 思った以上に安全であるのを確認した勝は安堵した表情を見せる。

 さきほど声をかけてきた男へと目を向けると、男は禿げ上がった頭を撫でつけ弱った声量で口ひげに覆われた口を開いた。


「お宅、警察署の方へはまわりなはったん?」


「いえ、港湾地区の連結部付近からこちらへ……」


「東側の港湾地区? アンタ危ないとこやったなぁ、今頃あっこはガスマスク軍団の支配地域や」


「警察の人ですか?」


 男は黙って頷くと名前は桂 文吾と名乗り、警察署から連携を取る為に情報を伝えにきたのだが、そのまま保護され釘付けにされていると語った。

 警察と軍隊は別々の命令系統で動いており、現場の状況は混乱している。

 文吾はまだ警察署へ向かう事を諦めていないらしく兵士にかけあっているのだが中々取り合っては貰えない様子だ。

 勝は昨日であったジャクソン曹長の事を思い出し、幾分階級が上なら融通が利くのではないかと考えた。

 階段を下りた先には丁度外回りの兵士達が食事に現れたようで、その中にジャクソンの姿も見える。


<説得>(8) <1D20>15


「やぁ勝、昨日は助かったよ。よければバリケードに手を加えるのに協力してくれないだろうか?」


「こっちの話もえぇやろか? 警察署はどないなったんや? ワイはあっこまで戻らなあかんねや」


「すまないが、それは出来ない相談だ」


 ジャクソン曹長に丁重に断られた文吾は眉を上げると、男は説明を始めた。

 警察署は米子議会の管理下にあり、双方との連携が取れていない為にあちら側で何が起こっているのか不明のままだ。

 何度か無線で呼びかけを行っているが返答もないので、救援隊を派遣する準備が整えられている。

 文吾はその話を聞いて参加を要求すると、ジャクソン曹長は考え込むそぶりを見せた。

 煮え切らないジャクソン曹長に対して勝は現状を整理した上で提案する。


「このままじゃ埒が明かないのでは? 昨日のような連中が徒党を組んで雪崩れ込んでくれば、警察官とは言えどもひとたまりもない」


「ん……」


「自己責任って形でえぇんや、銃の腕前なら少々覚えがありまっせ?」


 市民センターのバリケードを防衛するだけなら問題はないが、救出に向かうにはどうしても歩兵戦力が必要となった。

 民間に三億丁の銃器が存在する米国本土であれば、セルフディフェンスも難しくないのだが、メガフロートの銃器所得には申請が必要だ。

 ジャクソン曹長は欧米人らしく合理的な判断を下す、仮に役には立たなくとも射線が一ヶ所増えるだけでも総合的な火力は向上する。


「わかった。それでは君達の同行を許可しよう。軍曹!」


「はい」


「陸上自衛隊所属の香・パウエル二等陸曹だ。現場では彼女の指示に従ってくれ」


 二人は香の先導で引きつられて、屋外にある駐車場へと向かう。

 玄関から外へと歩み出ると市民センターの壁の脇にはボディバックが積み上げられており、被害の甚大さを物語っていた。

 勝は香から拳銃と取り扱いマニュアルと受け取ると装輪装甲車に揺られる間はそれを読んで時間を潰した。



行政地区 米子警察署前 10:19



 装輪装甲車は警察署の手前で停止すると、車両上部に備えつけられたロボット銃架を遠隔操作して探査を行っている。

 警察署の駐車場には血まみれになった者達が警察署の方角へと頭を向けて倒れこんでおり。

 警察署の二階ではこちらの装輪装甲車に気付いたのか、白いシーツを掲げてふっていた。

 一階の玄関口はガラスが割られており、ドアの蝶番がねじ切れ枠ごと破壊されている。

 香は二人の兵士を後方へ引き連れて、勝達に向けて手をあおいだ。


「今から突入する。暴徒がいれば玄関口まで誘き寄せて後は装甲車に任せろ」


「暴徒? 相手は人間ですのん?」


「細菌、薬物、それはまだわからないが、重要なのは連中が敵だということだけ……時間だ。」


<隠密>(12) <1D20>16


<ニューナンブM60>(8) <1D20>19


 香は頭を下げて警察署へと走りこむと、乾いた銃声が周囲に鳴りひびきアスファルトへと跳弾した。

 二人の兵士も後に続き文吾も警察署の外壁に取り付く事に成功すると、文吾の後を追った勝も無事に通過する。

 まさか相手から撃たれるとは思っていなかった勝は文吾の腰を叩くと、文吾は顔の前に手の平を立て謝罪した。

 先行する三人が正面玄関から威嚇射撃を行いながら侵入する。

 一階の窓際に拳銃を持った警察官が現れると狙いもつけずに乱射し始める。


<射撃>(10-5) <1D20>2・17・5・17・20・6・15・15・10・7


<2D10>10+9+4=> 23


 装輪装甲車の車載機関銃が火を噴き大口径の機銃弾が掃射される。

 警察官の頭部が弾けるとアスファルトの破片を撒き散らしながら、機銃掃射は完了した。

 兵士の一人は大き目のバックパックからロボットを降ろしてその場で起動、金属質な外観を持った犬型ロボットは足を折りたたんだ状態から立ち上がり、機敏な動きで警察署内へと走り込んだ。


<ニューナンブM60>(8-3) <1D20>14・17・7


<Colt M203>(10) <1D20>11


 走りこんできたロボットめがけて暴徒達は発砲、反撃とばかりロボットに装備されたグレネードが発射され床板にぶつかると、破砕片を撒き散らしながら爆発する。

 暴徒達が誘い出されて屋外へと走り出さないのを確認すると、香達は銃を構えながら三点射を与えつつ正面玄関から警察署内へと突入した。

 警察署内にいる暴徒は九名、内三名は銃器で武装しており一名は既に排除している。


「Go Go Go!」


<H&K MP5>(15-3) <1D20>5・12・2

<H&K MP5>(10-3) <1D20>3・6・19

<H&K MP5>(10-3) <1D20>19・2・5


<7D8>4+1+6+7+5+2+5+8=> 38


 香は出会い頭に銃で武装していた暴徒の姿を識別する。

 銃口から放たれた三発の銃弾は吸い込まれるように全て着弾、暴徒はその場でのけぞり、リノリウムの床へと倒れこんだ。

 残りの兵士達の射撃も命中すると九名いた暴徒の内、三名を問題なく排除また一名に深手を負わせた。

 暴徒達はそれぞれ鈍器で武装しており、爆発に加え銃撃すらも浴びせられた上で怯む事なく反撃を開始する。


<鉄パイプ>(8) <1D20>4・13・3・12・13

<破砕用斧>(8) <1D20>15


<防御>(5) <1D20>13


<2D6>3+5=> 8


 鉄パイプを片手に襲いかかる暴徒達の攻撃をかろうじて避けながら間合いを離す。

 兵士の一人が短機関銃で鉄パイプを受け止めると銃は手元から落ち、リノリウムの床をすべる。

 続けて振り払われる一撃をまともに顔面に浴びて転倒した兵士に仲間の暴徒が追い討ちをかけ更に殴りつけた。

 勝は文吾の肩を叩くと文吾は拳銃を構えて発砲を加え、その隙に勝が間合いを詰める。


「あんまイチビルなや!!」


SIG SAUER P230JP(10) <1D20>10・19


<1D6+1>6


スパナ(17) <1D20>4


<1D4>3+<1D8>7=> 11


 文吾の放った銃弾が暴徒の一人の肩口に食い込み体勢を崩す。

 もう一方の暴徒が走りこむ勝に向かって鉄パイプを振り下ろすが、勝はその攻撃を大型スパナで弾き返し頭部に痛烈な一打を叩き込んだ。

 勝の強烈な一撃をもろに浴びた暴徒は体を半回転させて床に叩きつけられ動かなくなる。

 香は床の上を滑るように跳躍、床に落ちていた短機関銃を拾い上げ両手に保持すると仲間に向かって警告を発した。


「伏せろ!」


<H&K MP5>(15-5)<1D20>14・13・1・1・5・11・20・15・4・2


<7D8>4+4+4+5+4+3+3+5=> 32


 玄関通路に閃光が奔るとその場にいた暴徒達は鉛の雨に薙ぎ払われ、弾かれる様にその場に転げ落ちた。

 短機関銃は拳銃弾を利用している為にストッピングパワーが高い。

 その上自衛隊所有の弱装弾ではなく、海兵隊の通常弾を装填していた結果、殺傷力も充分なものだ。

 床へと弾き倒された暴徒達は沈黙、微かな動きを見せた最後の一体も撃ち込まれた銃弾によって止めを刺された。


「終わったみたいだな、桂さん」


「あぁ、せやな」


 勝の言葉に文吾は震える声で答えると、かつての同僚だったと思しき警官の遺体の前で膝を着いた。

 文吾は同僚の白く濁った眼光が覗く両目を手の平で閉じると、浅い深呼吸で精神を落ち着ける。

 その頃、兵士達は一階に残蔵残存する暴徒がいない事をもう一度確認すると要救助者の避難している二階へと足を向けた。

 二階には防火シャッターが落とされ、防火扉にも鍵がかかっている。


<信用>(8) <1D20>4


「おう、ワイや! 皆無事かいや!?」


「このバカでかい声は……桂か? 死んだのかと思っていたぞ!?」


「くたばるにゃまだ早いですわ。署長」


「陸上自衛隊、香・パウエル二等陸曹、一体何があったかの説明を求めます」


 六十代の白髪の警官は詰め寄る香に圧されると、詳しい状況を説明し始めた。

 先日はなにごともなく避難民の受け入れを行っていた所に夜間警官の一人が発狂、釣られて避難民の中の数人が感染するように暴れ出すと、手が付けられなくなったとの説明を受けた。

 暴徒化した人間の力はさほどでもないが、道具を使い連携を取って襲い掛かるという。

 勝は避難場所となっていた部屋の中を巡ると、先日警察署への避難を勧めた中年女性の姿を見て、罰が悪そうに頭を下げた。


「おい! なにをするんだ!」


「まずは水を回収します! 避難民の皆さん! お手持ちの水道水は汚染されている恐れがあります。ただちに廃棄してください」


 兵士が避難民がそれぞれ持ち寄っていた私物の中から水を回収すると、ビニール袋へと回収していく。

 民衆は兵士の先導によって警察署の玄関から駐車場へと案内され、装輪装甲車に乗り込ませた。

 思いの他避難民の数が多かった為に作業にはかなりの時間を要した。

 トラックには防弾装備が備え付けられていない為に、全て装甲車で行う必要がある。



行政地区 米子警察署 受付所 13:09



 兵士が自販機を抉じ開けて回収したペットボトルの水を飲んでいる勝の対面に桂が腰を下ろすと、電子タバコのカートリッジを差し込み吸い始めた。

 勝は覗き込んでいた端末の電源を落とすと文吾に向かって声をかける。


「桂さんはひょっとして刑事?」


「桂でえぇよ。咄嗟の時に呼びにくいやろ? ワイは四課の丸暴やったんや」


「メガフロートに暴力団なんて居たのか?」


「組織犯罪対策課ゆうてな、テロリストやカルト団体がおるやろ? 公安の仕事の応援団やな」


 文吾は米子警察署での組織犯罪対策課は主に教団と呼ばれる地下組織の行方を追っていたと語る。

 メガフロートに外部から薬品を密輸する組織で麻薬に限らず、研究所でしか利用しないような特殊な化学物質まで揃えていたらしい。

 MDPVと呼ばれる危険薬物や新種の合成麻薬をメガフロート内で流通させていたが、信者の名簿などがほとんど記録に残っておらず。

 追跡するには末端の売人を抑える必要があり、それが文吾の所属する四課の仕事であった。


「丁度良い、二人とも来て貰えるか?」


「ん? お迎えが来たのか?」


「ここから二キロメートル先にある電波塔が“奴”等に占拠された。電気技術者の専門家に手を貸して貰えると助かる」


「専門家って言えるほどの腕じゃないぞ?」


 香は勝の言葉を聞き流すと、血濡れの顔であごを引き玄関口を指す。

 勝は一つ大きな溜め息を吐き、駐車場で待機していたトラックに乗り込む。

 騒音のしない電気自動車に乗り換える必要があったようだ。

 勝がトラックに乗り込むのを見て、何故か文吾も同行するとトラックは電波塔へ向けて走り始めた。



行政地区 よろず屋 裏口 13:25



 電波塔から距離を充分にとって兵士達が降り立つと、香達は再び先行する。

 先行部隊は三人、後続から勝と文吾に護衛の兵士が一人カバーに付く。

 トラック内に残った兵士が端末を操作すると、トラックの荷台から鳥に偽装した小型のUAVが発進した。

 見た目にはカラスにしか見えないので、敵を油断させる事ができる。

 UAVから所得した偵察情報を先行する突入部隊へと共有すると、電波塔の真後ろにあるテナントビルの一階裏口から静かに侵入する。


<開錠>(10) <1D20>19


 兵士の一人が裏口の鍵を開けようとするものの上手くいかない。

 ブリーチングで物音を立てる訳にもいかない為に窓からのエントリーを選択する。

 除音シールを貼ると小型ハンマーで窓ガラスを割り開錠、先行する三人はテナントビルへの侵入を成功させる。

 ビルの上階から電波塔に居る敵を排除する手筈となっており、勝達別働隊は裏口に張り込み回り込もうとする敵兵の待ち伏せへと移行した。


イニシアチブ(9+5) <1D20>6


 先行した偵察情報からは自動小銃で武装した兵が二名、短機関銃で武装した者が四名、そして指揮官と思しき男が一名。

 計七名でこちらの戦力に比べ敵側にかなりの数的優位がある。

 従来であれば航空機等での支援が受けられるのだが、現在では使えない状況にあるようだ。

 しかし銃を用いた戦闘では先制を取った側が一方的優位に立てる。

 香は自動小銃のバイポッドのセットを終えると、指を立てカウントダウンを開始した。


<M27 IAR>(15-5) <1D20>6・16・16・6・8・6・12・2・2・12

<コルト AR15A4>(10-3) <1D20>5・2・4

<M67破片手榴弾>(10) <1D20>6


<6D10>1+7+1+2+8+3+6=> 28

<3D8>1+4+5+4=> 14

<3D6>4+6+3=> 13


<隠蔽>(10) <1D20>11


 ラストバタリオンの兵がテナントビルに違和感を感じ、敵の襲撃を察知したとほぼ同時。

 ビルの二階から火砲の圧力が降りかかると、敵兵は隠れる暇すらも与えられる事なく、鉄の圧力に押し潰される。

 指揮官と思しき男は指示を出す前にその場に斃れ、兵士一名と突撃兵の二名の排除に成功。

 突撃兵は射撃を掻い潜り、ビルの側面に取り付くと裏口へ侵入を試みる。


<建造>(10) <1D20>10


<3D6>5+5+1=> 11


「よしッ! クソ野郎ッ!」


 手榴弾を用いた勝の罠が起爆すると横薙ぎの爆風に薙ぎ払われ、二名の突撃兵は転倒する。

 文吾の拳銃弾が生き残った敵兵を問題なく処理すると、残存兵力を確かめる為にしばしの静寂が訪れる。

 銃声が完全に止んだのを確認後、六人は合流すると電波塔へと向かった。



行政地区 電波塔 16:58



 足元に充分注意をしながら電波塔の梯子を上る勝は、命綱だけでもしておけばよかったと後悔しはじめていた。

 メガフロートには山が存在しない為に電波塔の高さは自然と高くなる。

 三百メートルほど昇りきった所でアンテナ部に見慣れない機材が運び込まれている事がわかった。

 どこからか持ちこんだ日米合同軍の軍用無線機を利用して妨害電波を周辺に発信していたようだ。


<修理>(10) <1D20>18


『状況はどうです? 伊波さん?』


「妨害電波の停波は済んだが、衛星通信の復調は難しい」


『時間をかければ直せます?』


「悪いけど電気修理が専門で、破壊された物の修復は専門外だ」


 マイクロ波送信用のキャビティが破壊され、衛星通信の復調は不可能な状態になっている。

 電波塔の護衛に人員を割く余裕もない為に廃棄が決定され、遠隔操作用のタレットを設置して撤収する運びとなった。

 日が暮れてからの移動は危険になる為、向かいのビルで休息を取る事にし、支給された味気ない軍用レーションで食事を取る。


 勝は湿気たクラッカーをかじりながら、微かに揺れる海上の大地の上で眠りに付いた。




LV:2


NAME:伊波 勝


CLASS:電気設備


STR:17

VIT:17

INT:10

MEN:15

DEX:15

LUK:8


HP:17/17

TP:7


EV 7


D・BONUS +1D8


C・BONUS 1/0 (+0) 10%


・SKILL


《怪力》


・ABILITY


<感染>(21%)


<殴る>(17)

<蹴る>(17)

<防御>(8)

<回避>(7)


・JOB


<直感>(10)

<探索>(10)

<運搬>(8)

<運転>(4)

<修理>(10)

<建造>(10)


・PERSONAL


<射撃>(5)

<??>(0)

<??>(0)


<日本語>(10)


ITEM

リュックサック(積載3)

ジャンプスーツ

ヘルメット(ヘッドライト)

工具箱

コーヒー (1)

缶詰 (2)


ツールベルト(積載2)

ワイヤーカッター 1D4+1D8+1

モンキーレンチ 1D4



LV:2


NAME:桂 文吾


CLASS:警察官


STR:14

VIT:14

INT:13

MEN:14

DEX:16

LUK:10


HP:14/14

TP:7


EV 8


D・BONUS +1D6


C・BONUS 1/1 (-1) 25%


・SKILL


《不屈》


・ABILITY


<感染>(7%)


<殴る>(14)

<蹴る>(14)

<防御>(7)

<回避>(8)


・JOB


<威圧>(5)

<説得>(8)

<信用>(8)

<探索>(5)

<隠蔽>(10)

<運転>(4)


・PERSONAL


<射撃>(10)

<??>(0)

<??>(0)


<日本語>(10)


ITEM

SIG SAUER P230JP 1D6+1 10

警察服

防弾ベスト


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