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紅夜様のために
皐月さんがわたしを膝の上に乗せて、椅子に座る。
「で?どうしたんだ?俺の姫?」
ふわり、ふわりとわたしの髪の毛を梳きながら、聞いてくる。
「皐月さん大好きよ」
「あぁ。愛してる」
だから、協力してちょうだい。
わたしのために。
わたしの紅夜様のために。
「紅夜様のためか?」
「えぇ」
すこし眉を八の字にして皐月は問うてきた。
当たり前だ。
愛しているわたしのために、自分じゃない男とわたしがくっつくのを手伝わなければならないのだから。
わかっている。わたしがとっても酷いことをしているのは。
だけど。
わたしは利用できるものはなんでも利用する。
だって。
全ては紅夜様のために。




