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紅夜様
私は、叫んでいる男たちのところに割って入っていく。
男たちは、最初、は?って顔をしていたけれど、私を見て、でれっとした顔になる。そして場所を譲ってくれる。
まぁ、当たり前だけど。私はかわいいからね。許される。当たり前。
そして男子から譲ってもらった場所から、だるそうに校舎に向かって歩いてくる紅夜様を眺める。
はぁぁぁ……。
かっっこいい。紅夜様ぁ……。
今日もかっこいい。
大好き。
私の幸せタイム。
でもそれはすぐに終わってしまう。
紅夜様が校舎に入ってしまったから。