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小雪
私はこれからどうするべきか。
もちろん、あの女を排除する。
どうやって排除しようか。
まだわからない。
なぜ。
なぜ、紅夜様はあの女に笑いかけていたのだろう。
婚約者だから?
いや。まだ婚約者という発表はされていない。されていなければ、まだ間に合う。
あの女を排除できる。
コンコン
「入るぞ」
適当なノックと共に、ずかずかと入ってくる小雪。
「あら、今日は来れないんじゃなかったっけ?」
皮肉げにそう言う私を、小雪は弱った、と言うような顔をして、両手をあげた。
「降参のポーズ?なんのマネ?」
「いやいや。愛しいご主人様の誕生日におめでとうを言わないやつは従者失格だな、と」
ちらり、とベットの脇に置いてある時計を見る。
「あら、ぎりぎりね」
11時50分
「そーですよ、急いで帰ってきたもので」
あらあら、とくすくす笑っていると、ベットの横にきて、跪いた。
「愛しいご主人様。誕生日おめでとう」
まるで、本当に従者と主人のように。
絵本で言うのならば、姫と騎士のように。
小雪は私に跪く。




