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真っ暗
ちょっと短いです(´・ω・`)
そう頭に思い浮かんだ瞬間、目の前が真っ暗になる。この世界は私にとって価値のないものになる。
隣で嬉しそうにペラペラと聞いてもいないことを喋ってくる男の声すらも聞こえなくなる。
ただ、紅夜様の声、姿だけが聞こえる、そして見える。
一歩、紅夜様の隣にいる女に足を踏み出そうとして、思い出す。
これまでの紅夜様に恋した愚かしいまでの愚行を起こした女達のことを。
ここで私がなにかしても、それはもう紅夜様の視界から消えるだけ。いままでなら、紅夜様の横にどれほどの美女が立っていてもどうでもよかった。
だけど、今回は違う。
紅夜様が女に笑ったんだ。
それがどれだけ珍しいことか。
許されない。




