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危険性
俺は思う。
なぜこんなにも亜瑠は紅夜に執着するのか。
本人は『恋』だと言っているが、これは違う。これは執着だ。なぜここまで亜瑠は執着している。
新しくできた姫である『瑠奏』。
表向きでは瑠奏の味方になるようだが、亜瑠の瞳は、憎悪に染まっている。
紅夜の袖を瑠奏が握ったとき。
紅夜のことを瑠奏が呼び捨てにしたとき。
紅夜の姫と言われているのに紅夜以外の男に触れたとき。
亜瑠は瑠奏のことを殺したい、と瞳で叫んでいた。
俺は分かっている。瑠奏は紅夜のことを愛していない。そしてそれを亜瑠は気づいている。
それは危険だ。
なんといったって、亜瑠には前科がある。
亜瑠は昔、紅夜の婚約者の精神を壊した。
誰にも知られず。




