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守って、とか
「あぁ、幸せ、だな」
……幸せそうな顔。いつもなら、いつもの私だったら、ここで興奮したことだろう。でも、私は、紅夜様の『幸せ』という言葉を聞いて、覚悟を決めた。
「そうですか」
なにかを感じたのか、紅夜様はこれ以上なにも聞いてこなかった。
助かった。
「で、話があるんじゃないんですか?」
守れ、かな。
「あぁ。話は、まぁ、なんだその」
紅夜様が、渋ってる。どうしたんだろう。いつも即断する紅夜様が珍しい。
「どうしたんですか?」
「いや、まぁ、瑠奏はこれからいじめられるかもしれない」
「私が見える範囲でなら守りますよ」
先に言う。守ってくれないか、とか。聞きたくない私の些細な抵抗。
「いや、瑠奏も覚悟しているから、守らなくても大丈夫だ。むしろおまえが危ない」




