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幸せ
「……いえ、当たり前のことをしたまで、なので。お礼は言わなくて大丈夫です」
瑠奏のことなのに、紅夜様が私にお礼を言うのは、違う。
「そう、か?」
こてん、と首を傾げた紅夜様も、いいっ!
……頭が暴走する。待って。落ち着いて私。
「こ、あの。」
あっぶない!!紅夜様って言いかけたっ!
「なんだ」
「いま、幸せ、ですか?」
こんな質問をあんまりよく知らない人から聞かれても、疑問に思うだけだろう。
だけど。
だけど私は紅夜様の口から『幸せ』という言葉が聞きたい。
その言葉で、私は覚悟を決める。




