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ソファ
ソファに夢中になってた私は、ふっと、意識がソファから離れる。
……あれ?
私はふと、周りを見る。
はい?
前の黒いソファに紅夜様。
その向かいにふっわふわの真っ白いソファに座った私。
それ以外誰もいない。
あれ?
え、紅夜様と2人っきり!?
ちょちょちょちょちょ、ちょっと、まって、なんでいつのまに!?
「さっきも言ったと思うが、瑠奏を助けてくれてありがとう」
その言葉で、興奮していた頭がスッと冷えた。
まるで冷水を浴びせられたかのよう。
紅夜様の口から『瑠奏』って聞きたくなかった。
瑠奏の口からも『紅夜』って聞きたくない。
でも私はそんなことを言える資格がない。
そんなことを言ったら、こんな幸せな時間がもう一生訪れることはなくなるだろう。
紅夜様の幸せのためならば。
この身を犠牲にしてでも。




