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痛い
なにを……っ
キッ、と瑠奏を睨もうとして、私は気づいた。
気づいてしまったんだ。
気づきたくなかった。
よく見なければ気づかないほど小さく、紅夜様が瑠奏に微笑んでいることに。
あんまり笑わない、あの紅夜様が。
瑠奏に向かって。
なんで。
こんな女が。
こんな地味子がっ……!!!
お腹がぐるぐるする。
胸が、苦しい。
痛い。
痛い。
痛い。
むかむかする。
もやもやする。
ねぇ。
この女は、
貴方にとって
特別なの?
私はその瞳に映れない?
私にその笑みが向けられることはない?
私は貴方の隣を歩けない?
私は
私は貴方の特別にはなれないですか?




