7 先輩と宿屋
貴族ご一行とは、お別れです。
また、どこかで出す予定。
だって冒険に宿屋はデフォで外せない。
「先輩。町に到着したのはいいですけど、私達無一文ですよ。どうしましょう」
「御二人が良ければ、当家の別邸にご招待させて頂きたいのですが、ご予定は如何でしょうか?」
お嬢様が困っている私達に救いの手を差し伸べてくれた。
おお、流石は貴族。これは願ってもないチャンス。
今行かずしていつ貴族のお屋敷を拝めるのか、今でしょ!
「折角だが、丁重に断らせて頂く。暫くは拠点となる宿を早めに見つけておきたいのだ。縁があれば、また会えるだろう。ゆくぞ、後輩」
「そうですか。残念ですが、いずれまたお会い致しましょう」
な、なんですとー!今じゃなかったのか?
ああ、先輩のばか~~ッ。
こうしてお嬢様と老執事との別れもあっさりと済ませてしまった。
「でも、先輩。宿屋って言ってもお金はどうするんですか?」
お腹が減りました。
もう動けません。
お風呂入りたい。
「あるに決まっているだろ」
「日本のお金は使えませんよ?異世界ですよ、ココ」
「お前は私を馬鹿にし過ぎだ。トカゲが気前良く色々くれた中に、ちゃんとお金もあったんだ」
そう言って先輩が私に硬貨が沢山入ってそうな袋を見せつけてくる。
ジャラジャラ
働くトカゲさん・・・うん、無い。
あのトカゲさん、よくよく考えるとめちゃくちゃレベルが高かった。
確かレベル300台だった。詳しいステ確認しなかったけど、だけどHPが万台突破してた!
そして、アースドラゴン。メチャクチャ強い→冒険者が戦う→敗れる。
装備品やアイテム、所持金。
先輩がチョチョイと捕まえて連れてきたから気付かなかったけど、あの竜って森の主ジャネ?
大人しい竜だから、そういうものだと思ってたけど、それしか考えられない。
「後輩、ここにする」
「・・・・・・此処ですか?」
先輩はこの世界の文字が読めているのだろうか?
これはナイ。
日本で、こんな事書いてる所があったら絶対入らないヨ。
店の名前を考えた人は頭がオカシイ。
そして、のこのこ入るお客も変だ!
【宿と食事処 ぼったくり亭】
店名に堂々とぼったくる気満々って書いてますですぞ!
ここは止めておいた方が・・・って入って行っちゃった。
私も後を追い掛ける。
「いらっしゃいませぇ~。二名様ですね。お食事ですか?お泊りですか?それともタ・ワ・シ!!」
看板娘が素敵な笑顔でお出迎えしてくれてるのは有り難いけど、タワシに何の需要があるn。
まさか、店の裏から怖いオジサンが出てこないよね、ここ。
スマイル合計ウン百万円請求(。_。)(゜д゜)とか言われたら泣くよ、店名ぼったくり亭だし。
「一泊いくら?」
「ご宿泊は一泊2日で御一人三千ヴェリス。食事は朝夕込みのお値段です」
通貨単位はヴェリスらしい。
だが、私にはその3千ヴェリスが高いのか安いのか判断が出来ない。
料金比較サイトおいでませー!
「この宿、お湯に浸かる事が出来るのか?」
「お客さん、良く知ってるね。宿屋でオンセンに入れるのは、ウチだけだよ。昔、この宿屋を利用した勇者様がね、お湯に入りたいって造ったらしいんだけど、そのお陰で繁盛させてもらってます」
勇者、グッジョブだあー!
「取り敢えず、3泊お願い」
「ご一緒のお部屋にします。それとも別々ですか?」
「一緒でお願いします!」 この台詞は私。
「じゃあ、一緒の部屋を」
「承りました。ここに名前と人数を書いてください」
先輩が宿台帳に記入してお金を支払ってる間に部屋の鍵を渡された。
「まいど、それではお客さん達のお部屋は2階の左角にある【灼熱の間】だよ。食事はカウンターの隣。温泉は反対側を真っ直ぐだよ」
「食事は直ぐ出来る?」
「大丈夫だよ。ウチはそこんじょそこらの店より美味いから楽しみにしてね。ああ、お部屋で食べたいならそれでもいいよ」
「いや、折角だから店の方で食べるよ」
娘さんのステータス確認。
名前:ナナリー
職業:看板娘 LV 5 年齢:12歳
HP 32/32 MP 6/6
【スキル】 経営学〈初級〉 料理〈手伝い程度〉
【プロフィール】以前は、店の手伝いなんか全くしなかったのに最近、積極的にお店の手伝いをするようになって、もしかすると好きな男の子でも出来たのかねぇー。
中級鑑定さんは、少し鑑定内容が増えたっぽい。
このプロフィール書いたの誰?ナナリーさんのオカンですか?
毎度、読んで戴きありがたうござるます。
話のストックは無いし、設定も適当で、それでも話は出来上がる。
私は説明書は読まないタイプだ!媚びぬ、恥じぬ、省みぬッ!!
ホント意味不明でスマソ m(__)m