2 先輩と森のススメ
今はコレが精一杯
ぜぇぜぇふはぁぐへら
くっ、この先輩は化け物か。2時間以上森の中を歩きっぱなしだというのに息一つ切らさない。
む、寧ろ鼻歌を歌える程に余裕でいらっしゃる。
私なんて既に足が棍棒のようになってるのに休んでよ、この体力バカ女!
我はインターバルを所望する。
も、もぉダメ。汗で前が見えない。ばひんばひん
真白先輩が後方に居るわたしをチラ見。
ま、ましゃか心の声が聞こえたとかですか?動揺でちょっとキョドってしまう。
「ちょっと休憩にしちゃおうか。疲れたし」
「ぎゅーけえ?」
ふひ~、やっと休憩できる。
神様、真白様、ありがとうごぜぇますだ~。もう足パンパンで歩けません。
まるで生まれたての小鹿のようにプルプル状態です。マジで体力の限界5秒前です。
「・・・・・しかし後輩、体力ないな」
「ず、ずびばぜn・・・」
「なんか良さげなモノ見つけてくるから後輩は此処でオトナシクしてるよーに」
答える気力もないので頷く事で肯定する。そして、先輩は森の奥へと消えていった。
少し落ち着いてきたので、冷静に考えると今一人です。
静かな森。ここまで何も起きなかったので考えなかったのだが、可能性としては考えられる。
未知とのエンカウント。
異世界=モンスター・・・弱肉強食・・・・ワタシ、マルカジリ。
そう考えてしまうと、急に怖くなった。
「せ、先輩。先輩、先輩、先輩、せんぱ―――い!」
「ん、呼んだ?」
帰ってきた先輩の声を聞いてホッとする。
このまま森に置いてかれていってしまったのかと不安だったのだ。
「良かったです。なかなか帰ってこないから心配したんで・・・すよ?」
ビクッ (((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル
有り得ない光景を見てしまった私はその場にへたり込んでしまった。
「丁度良い乗り物を見つけたのでな、なんか森の外まで案内も出来るらしいぞ」
おそるおそる鑑定してみる。
《アースドラゴン》
名前:ナシ
LV 352
HP 30/16800 MP 840/9850
『 メッチャ凶暴。人を見ると襲ってくる危ない凶竜。
見かけたら、逃げることを強くお勧めします。
防御力が高く、その牙は岩をも砕く。「土」属性 』
間違いじゃなかった。初ドラゴンは3~4メートル位の巨体の持ち主であった。
ドーはドラゴンの怒♪
「それ・・・ドラゴンじゃないですか、どうしたんですか?」
よく見ると、アースドラゴンさんのお顔はボコボコだ。
襲ってくる気配は感じられないので、危険じゃないよね?
凶暴って解説の割には、なんか大人しくしてるよ?
「このトカゲの事?洞窟で暇そうにしてたから足代わりに丁度いいと思って連れてきた。これに乗れば、今日中に森を抜けられるぞ」
「それはそうかもですけど、よく連れてこれましたね」
「根気よく話せば、言葉が通じなくても心は通じ合えるのサ」
正直、アースドラゴンの乗り心地はあまり良くなかった。
ゴツゴツしてお尻が痛い。揺れる。痛い。
歩くよりは百倍マシだけど、尻ダメージが高めだ。
先輩曰く、風の谷の少女の真似がしたかったが異世界の魔物には通じなかったらしい。
本気でガブガブされて、キレちゃったそうだ。
そして、飛べないドラゴンはちょっと大きめなトカゲだと言い張った。
ほら、怖くないでござるよ。《ガブッ》こわ・・・く バシッドカッ
怯えていただけなんだよね? ね? コクコクッ