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魔王様と7人の勇者達

作者: 黒斬行弘

 「よく来たな愚民ども!()が魔界を()べる魔王、ルシ・・・」


 「いーや、やっぱり俺の名前が先だ!」

 「はぁぁぁ?、お前この道中で何かの役にたったか?」

 「まてまて、ここは間をとって私が先に名乗ろう」


 ふぅ、またである。さっきから余が名乗ろうとするとこれだ。


 あ、自己紹介が遅れたな。余が、この広大なる魔界帝国(ていこく)を支配する真の王者魔王である。うむ、楽にして良いぞよ。


 さて、今日も懲りずに人間どものパーティーが余を倒さんと参ったのだが、何と、誰が一番最初に魔王である余に名を名乗るかで争い始めたのじゃ。まあ、余ほどの有名人になれば、我先に名前を覚えてもらいたい気持ちもわからんではないがな!


 あと、誰が取り決めたのか忘れたが、魔王と勇者が対決する時には、"お互いに名乗ってから"という取り決めがある。なんでも歴史の授業の時に、誰が魔王と戦ったのかの記録がわからなくなるのだそうだ。これは魔界、人間界で共に採用(さいよう)されたので、嫌でも従わねばならん。


 とはいえ、そろそろ誰が最初に名乗るのか決めてほしい・・・。


 「あーこれこれ、お前たちの名前は全員分ちゃんと余の胸に(きざ)み込んでおくから、けんかせずに仲良く自己紹介しないさい。」


 どうじゃ!この貫禄と寛大さ!そこらへんの中ボスクラスのやつらだとこうはいかんぞ?余の配下の「魔神ゼスト」あたりだったら、今頃貴様らは消しくずじゃ!


 「あー?うっせえーんだよじじい!」

 「今大事な話してんだから黙ってろよ」

 「たまにいるよな、全然空気読まない奴www」


 ・・・・・・・。


 なんじゃとおおおおおおお!さっきから黙って聞いておれば良い気になりおって!余が本気を出したら、貴様らのような連携(れんけい)ゼロの人間共なんか一撃(いちげき)なのじゃ!喰らえ超必殺魔法スーパー・デラックス・スペシャルサンファーアーーーーーーイs・・・・


 7人の勇者「必殺ドリームソーーーーーード!」


 ぐほっつっふうぉおおおおおおおおおお!その瞬間わしの体は(はげ)しい衝撃(しょうげき)と共に空中をまった。なにそのださい必殺技名・・・・・・。あと何で急に連帯感れんたいかん)アップしてるの?


 ごおおん!という音と共に余の体は地面に(たた)きつけられていた。


 「なんだこいつ?急にキレたんですけどw」

 「あれじゃね?切れやすい現代っ子じゃねーの?」

 「魔王が現在っ子とか何それウケるんだけどwww」


 くっ!こんなふざけた者共に負けるとは・・・悔しいのじゃ!そもそも、あれだけ喧嘩(けんか)してたのに、余が攻撃した途端(とたん)息ぴったりで攻撃してくるとかなんなの!?


 「さてと、ちょっと前後しちゃったけど名前言っとかなきゃな」

 「じゃあもう年齢順(ねんれいじゅん)で言っちゃう?」

 「あーそれいいね!そうしようぜ」


 そう言いながら勇者一行ゆうしゃいっこう)はそれぞれ名乗っていった。いくらふざけた勇者とは言え、ルールはルールなので、余も名乗らなければならないだろう。勇者達よ!誇るが良い!この最強最悪(さいきょうさいあく)の魔王を一撃(いちげき)で倒したのだからな!そして伝えるが良い!我が恐怖(きょうふ)の名を!


「我が名は、ルシ・・・・・・・あれ?」


 余が最後の力を()(しぼ)って名前を叫ぼうと前を見たら誰も居なくなっていた。


「あれれえええええええええ?(泣)」


これが、史上最悪(しじょうさいあく)|(自称)(じしょう)と恐れられた余の最後であった。余、まだ名前名乗ってなかったのに・・・・。


-完-

お読みいただきありがとうございました

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