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登場人物その1
【主人公】
加藤成香。
加藤の姓は、加藤一二三九段から。加藤一二三九段は、棋界最古参棋士であり、戦前生まれとして名人経験者最後の存命者。「1分将棋の神様」・「神武以来の天才」の異名を持つ。14歳7ヶ月でのプロ入りと言うのは、史上最年少記録である。
成香は、香車が成ることから。香車の駒の効きが、前方に離れたところまで及ぶため、長い突き武器である槍をイメージさせるところから槍と称される。英語でも槍を意味するlanceと訳され、略語はLである。コンピューター将棋LANCEは、ここからの由来である。
天野棋聖。
天野の姓は、天野宗歩から。天野宗歩とは、江戸時代末期の将棋指しで、当時世襲制だった名人には推挙されなかったが、実力十三段と言われ、後に〝棋聖〟と呼ばれるようになる。現在のタイトルのひとつである〝棋聖戦〟は、ここに由来する。棋聖の名前も、ここからの由来である。
また、14歳6ヶ月でのプロ入りとしたのは、加藤一二三九段を意識してのことである。




