表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

でも、不老不死は本当に良いことでしょうか

不老不死は、人間にとって永遠の夢でした。でも、不老不死は本当に良いことでしょうか。今回は、それを生物学的に考えてみたいと思い、テーマに選びました。人間が老いもせず、死にもしなければ地球上に人間があふれてしまいます。

一見、不老不死に見える生物は存在しています。例えば今回取り上げたベニクラゲ。でも正確にいうと、同じ個体がずっと不老不死なわけではありません。ベニクラゲも老化していきます。老化したベニクラゲは、ポリプという赤ちゃんの状態の細胞をつくり、そこからもう一度、生き直すのです。老化した細胞は死んでいき、一方、ポリプとなる若い細胞が生き残ります。若返りといってもいいですね。

これはいうならば、植物が一旦枯れるものの、また新芽を出して成長することに似ています。

しかし幼生のベニクラゲには天敵も多く、ほとんどが他の魚などのえさになってしまいます。なので若返りの技を持っていてもベニクラゲが増えすぎることはありません。自然のバランスはうまく保たれているのです。


自然のバランスが保たれる例として、素数ゼミを取り上げました。13年周期と17年周囲で発生するセミです。二種のセミが同じ年に出現するのは、13と17の最小公倍数である221年に一回だけです。こうすることで同じ森林で資源をめぐって競合することをできるだけ避け、棲み分けているのです。また、同じ種が一気にたくさん発生することでパートナーを見つけるチャンスも増えます。

日本には素数ゼミはいません。そのかわりニイニイゼミ、ミンミンゼミ、アブラゼミ、ヒグラシなどは少しずつ季節をずらして出現します。また好みの木や生息場所もすこしずつ異なると考えらます。このセミたちも自然のサイクルをうまく利用して棲み分けているわけです。

このように自然界では生物はお互い譲り合って、バランスをとって生存しています。

一つの世代が寿命を迎えることで、次の若い世代に場所や資源をバドンタッチしているのです。

つまり生物の死は、ある意味で利他的(他の生物のためになる)なのです。

これは限りある地球資源の中で多様な生物たちが共存していくための、長い時間をかけて形成されたバランスです。あとから来た人間は、地球資源がすべて自分たちのものだと思っているかもしれませんが、人間も、環境全体や他の生物のことを考え、もう少し利他的に振る舞うことが大切なのです。


不老不死の問題点はもうひとつあります。もし、ずっと生きていることができれば、人間はきっとみなすっかり怠け者になってしまうことでしょう。だって今日できることは明日でもできるからです。今日は今日しかないからこそ生きがいが生まれるのです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ