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ある日村に聖女が舞い降りてきたのだが...。  作者: 鈴木 澪人
番外編

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20/27

リンとキリとその後に

 始めはキリの結婚式を阻止するために行くつもりだったのに、気が付けばお付き合いの前に結婚しちゃったよ...。

フロストさんに神父さんみたいな事をしてもらったし。

多分、普通は平民の結婚式なんて参加しないよね。

後で、お礼の手紙が品物を送った方がいいのかな?


キリに相談しよう。

そうしよう。


そして、今日は結婚式が終わった夜なのですがっ!!!

いわゆる初夜ってやつですよね!


もうドキドキです。

緊張です!


村長さんに今日ぐらいは客間に宿泊していくかい?と言われたのですが、村長のお兄さんの前領主さんも宿泊すると聞いたので辞退しました。

せっかくの兄弟の再会なんだからゆっくり話とかしたいと思うしね。


結局キリが住んでいた(もちろん私も居候していた)お家に帰宅したのです。


二人ともシャワーを浴び、いよいよ寝ようとしたとき。

私の胸はドキドキ、ドキドキ。もう心臓が口から出ちゃいそうだなと考えていると


「リン、こっちおいで」


キリがベッドに座って隣をポンポンと叩いた。

私はソワソワ、オロオロしながらキリの隣に座った。


目...。とか瞑った方がいいのかな?

でも、それって私がすっごく期待してますみたいな感じになっちゃうかな?

もちろん期待してないっていったら嘘になっちゃうけど


そんな挙動不審な私をみたキリは私の手首を掴むとそのまま自分の隣に座らせた。

そして、私の方を向くと


「リン、こんな形で突然夫婦になってしまったけど、後悔してない?」


キリは不安げに私の方を見ながら聞いてきた。

私は、うんと頷いた後


「だって、ナガリさんと結婚するって聞いた時すごく嫌な気分だった。その理由はキリの事が好きだったから。」


その言葉を聞いたキリは安心したように握っていた手首を離し、そのまま指を絡まし手を繋いだ。


「さすがに、急に結婚するとは思ってなかったけどね」


「実は、それは僕も思った」


キリと同じ考えで私はちょっと安心した。

改めてキリを見つめると、ドキドキしたり心がキュッとなったり感情がとても忙しい。


キリも私をとろけるような瞳で見つめてくれていたけど、急に真剣な表情になって


「この世界では、結婚式の後は夫婦の絆をよりいっそう深める行為をします。」


「はい...。」


「でも、僕は、僕たちはまだ早いと思うんだ。もちろん、僕だって男性だからリンに対してそういう気持ちはあるよ。」


「リンの世界では大人は18才なんだよね。今のリンは17才...。このまま一年かけてゆっくり二人の関係を深めていきたいんだけど...。」


どうかな?


キリは私を見ながらこれからの事を説明してくれた。私の事を色々考えていてくれてすっごく嬉しかった。


「うん!うん。キリの言う通りにしていきたい。私もキリの事が好きだけど、ちょっと怖かった。だけど、キリがそう言ってくれて私の事を考えてくれて本当にうれしい!」


私は思わずキリに抱き着いた。

キリはしっかり受け止めてくれる。


「これぐらいだったらいいと思うのだけど?」


キリに抱きしめながら視線を合わせるように上を向くと、少し頬を赤らめながら。


「そうだね。僕もリンを抱きしめたかった」


と言って私の頭を抱えるように抱きしめてくれた。


「本当に、本当に幸せだよ。リンが聖女様になって王都に行くって聞いた時は、心がすり潰される思いだった。」


キリの気持ちが聞けて少し驚いた。


「えっ、でもそんな雰囲気には見えなかったよ。淡々と送り出された感じがしたし。村長夫妻と共に追い出そうとしてた!!」


王都に行く日の言葉を思い出してムカムカしてきた。


キリは抱きしめていた私をそっと離しながら


「...。あの時は、王都の騎士様達も近くにいた。僕が不謹慎な言動をすると村長や村の人に迷惑がかかると思ったんだ。ごめん」


「そっか...。そうだよね。」


自分よりも村の人たちを優先したのか...。と理不尽な考えを持ってしまって気持ちが落ち込み無意識に下を向いてしまった。


そんな私の頬を両手でそっと持ち上げると


「もちろん村の人たちは僕が小さい頃から大切にしてくれたからとても大切だけど、本当は騎士様達にリンに執着していると思われたくなかったんだ。少しでもそんな表情や態度を示せばきっとリンは王宮から出してもらえないような気がして。」


キリの言葉に思わず神様との会話を教えようか考えたけど、言ってはいけないような気がした。


「多分、そんなことが王宮で起これば私は強行突破して帰ってくるつもりだったから。大丈夫だよ?」


「強行突破...?」


キリは私の言葉に顔色を変えながら、無事に帰ってきてよかった...。と呟いていた。

大丈夫だよ。私は穏健派だから。

しばらくはフォミテ村でキリと二人でのんびりと新婚生活と言う名のお付き合いが始まった。ただの同居人ではなく、旦那様というか彼氏になったキリはそれはもう優しく私をデロデロにかまってくれました。


う~幸せすぎてとろけちゃいそうだよ!


こうして私はキリと2人で穏やかで幸せな人生を最後まで送りましたとさ...。








「聖女、リン様ぁ~。どうか、どうか教会にお戻りくださいぃ~」



洗濯物を干していた私に、くたびれた様子の初めて見る教会関係者とみられる青年が足元にすがりついた。


「ゲッ、何?ちょっと洗濯物の邪魔をしないでよ!って言うかあなた誰ですかっ」


突然縋りついてきた青年をゲシゲシと振り払っていると、用事から帰ってきたキリに見つかっちゃった。

「ただいまぁ~。ってリン?えっ?浮気?」


「ちょっとキリさん?この状況でどうして浮気って思うのですか?」


顔を青ざめながら私と正体不明の青年を交互に見るキリに申し訳なくなってきたので


「もう、いいかげんにしなさい!」


と言いながらちょうどいい位置にあった青年の頭に拳骨をプレゼントした


「グヘッ、めっ女神さまは暴力を良しとしませんっ」


青年は叩かれた頭をセルフよしよししながら私を睨みつけてきたので


「じゃあ、女神様に許可をもらったら良いって事だよね?」


と掌をその不審者に向けて魔法を発動しようとした。


「キャ~。タスケテー」


「さすがに、それはやりすぎだよ!リンちゃん!」


キリの言葉で私は魔法を発動させずそのままキリの元へ走っていった。


「キリ~。怖かったよ~」


「どっちがだよ!」


私のぶりっ子に青年は素を出して全力でツッコんできた。


「怖かったのは分かるけど、あんまり無茶な事をしては駄目だよ?」

「うん!」

「じゃあ、家に入ろっか」

「うん!」


私とキリのラブラブな会話を終了するとそのまま手を繋いで家の入り口に入ろうとすると


「だからっ、話を聞いてくださいってば」


青年も私たちの後を追うように付いてきた。


「お~い!キリ?あっ・・・修羅場中だったら後で出直すぞ?」


私たちの子芝居をキリに用事があった村長の息子ナガリが申し訳なさそうに声を掛けてきた。


「「「修羅場じゃない(ですよ)」」」


「アハハッ。そうか、てっきりリンが教会の子に手を出したのかと思ったぜ。そんじゃあ、皆でお話合いでも始めようぜ。キリ、家借りるぞ」



さすが村長の息子、話をまとめるのが上手だなっ。



最後までお読みいただきありがとうございました。

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