王様と司祭
お月様に行くまでではありませんが同性愛について描かれています。
苦手な方は飛ばしてください。
(次の話で概要を書く予定ですが、次の話をまだ考えてn)
あっ後途中で視点が変わります。
「思った以上に賢い子だったな」
リンとの会談があった日の夜、この国の王様は寝酒を飲みながら呟いた。
「そうですね。意思の強い瞳をしていました」
王の呟きに応じる声もある
「やはり、彼女は本物の聖女なのか?」
王の目には第二王子と同じ年ごろの娘にしか見えなかった。
「はい。立派な聖女様でしたよ。隠してるのか本人に自覚がないのかこの国に貢献する気がないのかわかりませんが、魔力があふれ出てました。」
たぶん、抑制してあのレベルですよ。
「そうなのか」
隣でフッと息をつく彼を王はもっと自分の元に寄せた。
クスクスと笑いながらいけませんと注意されるが本気でないことは理解していた。
自分も第一王子のように『真実の愛』で囲っていればこんな役割を命令する必要がなかったのだろうかと、珍しく悩んでみる。
いや、私は悩む事など赦されぬ立場だ
王妃とも良好な関係でいる。彼女は自分の責任をほぼ終えた。後は自由だ。
私以外の相手と心を通わせても仕方ないと思っている。なぜなら私にもそのような相手がいるからだ。
この国は、少しずつ歪んでいた。
私がこの国の王になる時、前王に言われたことがある。
『もうすぐこの国に聖女が現れるだろう』
聖女の事は国を治めるものにしか伝えられない。
なぜ聖女は降臨されるのか
世界を救うために降臨されるのか
いや ちがう
彼女は最後の審判
この国の王が治めるべき器がどうかを
認められれば次の王太子がこの国を引き続き治める
認められなければ何らかの形で私が断罪されるだろう
例えば獣人達の反乱
例えば魔法騎士たちの反乱
次の王は聖女が見つけてくるらしい
血筋など関係ない
身分なども関係ない
聖女を中心に国が生まれ変わる
いっそ、その方がいいのだろうか?
民達は幸せになるのだろうか
貴族共はあがくのだろうか
思考の波に漂っていると
「深酒は体を壊しますよ。そろそろお休みください」
彼はいつも神と王を第一に考えてくれる
昔は私の方をもう少し優先してくれたが
「ああ、そうだな」
「お前も一緒に…。どうだろうか」
その人はすごく慎重に言葉を選んだのだろう。
いつもの私なら明日のお祈りに障りますのでと断るが今日はその言葉に乗りたくなった。
魔法の素質があった私は本来なら騎士たちと一緒の学舎に行く予定だったが何処から聞いてきたのか、ある日あの人に呼び出されて神殿に行くように言われた。
騎士たちの魔法使いの扱いの酷さは耳に入っていたが高位の貴族にそこまで危ぶんではいなかったのだが、あの人はそうでもなかったのだろう。
本来使ってはいけない力で私を安全な場所に移動させた。
幼い頃からずっと一緒に過ごしてきた、いつか私はあの人の為に働きたいと思っていた。文官になればあの人に書類を渡しながら意見を述べ合える仲になると思っていたのだ。
もうすぐ私は聖女様と共に王宮を離れてしまう。あの人と、こうして夜を過ごす事も出来なくなるだろう。
最後に
最後に
神よ貴方様よりあの人を今夜だけ優先しても良いですか?
最後までお読みいただきありがとうございました。




