3 けら
前回のあらすじ
変なのが現れた。
俺が意識を戻すと、ちょうど眼神が現れたところだった。
『なんでじゃ、なんで知らんのじゃ』
眼神が俺に詰め寄る。
実際は動いていないんだが。
『わしの御朱印帳には、お主には説明したってあるんじゃが』
御朱印帳って、、文化が混ざってるな。
『まぁ、よい。視界の端に三本線があるのが見えるかの?』
言われた通り、視界の端に目を向ける、、、が。
常識的に考えてあるわけ無いか。
まぁ、常識的におかしいことはあったが。
そのことを眼神に伝える。
「なかったぞ」
『そ、そんなわけが』
眼神が慌てた様子なのに対して、女は呆れたように手で顔を覆っている。
「あー、もう」
しびれを切らした女が叫んだ。
実際、眼神がどこか行ってから長い時間が流れた。
空の色はきれいな青色から赤みがかった青色になっていた。
俺は眼神に危険はないと判断されたようで縄をほどかれていた。
女はすげー嫌がってたけど、眼神の心からの説得で渋々承諾した。
そういえば、眼神が『わしの安全のためじゃ』とか言ってたっけな。
空が夜に差し掛かった頃、やっと眼神が現れた。
あれから、女の話し相手を何時間もして、めんどくさくなってきたところだった。
『お前の詳細が分かった』
女に気づいていないような、勢いで話しかけてきた。
自分で無意識に息を呑むのが分かる。
次の一言は、思いもよらぬ一言であった。
『いや、やはり教えないでおこうかの』
一気に、全身を脱力感が駆け巡る。
あのあと、眼神がどこかに女を連れて行った。
そういえば、女の名前が分かった。
一つ上の18歳で名前は華蘭、そう呼んでと言われた。
最初、口頭だけで聞いたときはなんで虫?と思ったが、字を教えてもらったら本人はそんな事考えてないと思った。
俺がウトウトしてきた頃、眼神と華蘭は帰ってきた。
ちなみに眼神はワープみたいに移動していた。
あの白いのがないと喋れないっぽい。
『夜遅くに悪いんじゃがのう』
夜もすっかり更けた頃、眼神が話しかけてきた。
『今から上位神様のところ行ってほしいんじゃが』
正直眠くて、行きたくない、、、が。
「行かないとどうなる?」
俺は行きたくないがために眼神に尋ねてみる。
『うむ、早朝でもいいんじゃが』
行かないという選択肢はないようだ。
『そろそろ崩壊が始まるからのう』
その一言で俺は固まってしまう。
「ちょっと待て、、、今、なんて言った」
『じゃから、崩壊が始まると、』
「早くそれを言え」
俺は、話を遮って言い、準備を始める。
準備と言ってもただ、身支度を整えただけだが。
眼神はびっくりした様子で頼りなくうろたえている。
「今から行こう」
俺がそう口にすると、眼神は先程の態度を改め、緊張感を感じているようだ。
『おぬしは身支度を整える必要はないんじゃがな』
その言葉が合図かのように、唐突に強力な眠気が襲ってくる。
俺は眼神の言葉に疑問を覚えたが、眠気のせいで何も考えられない。
眠い、、。意識が、、保、てな、、い、、、、、。
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