アーティファクトユニット
魔法とは?
サイコキネシスは 魔法だろうか?
電気は 魔法だろうか?
ライターは 魔法だろうか?
ショートケーキは 魔法だろうか?
花火は 魔法だろうか?
異世界では、 何でも 魔法で片づく。
愛のカタチ
ガラスケースの中 淡紅色のほほは、 キラキラしている。
銀色の睫毛が、 クルンとかわいらしい!
ベリーショートの髪は、 虹色に煌めく!
ぷりっと紅い おちょぼ口!!
雪のように 白い肌!
今にも 動きそうな、 健康的なカラダ!
多分 全裸なのだろうが、 ナゼか 見えない所は、 見えない?
最北端のダンジョン最下層で、 ボク達は 全員硬直している。
ガラスケースの前で、 息も忘れる位 ただただ、 ジッと 見つめていた。
「 ヴィオラ? 」ギュンターが つぶやいた。
「「「「 ヴィオラ? 」」」」
「恋人の名前だ。 ある日 突然消えた恋人…。」
ギュンターは、 ポツリポツリと ヴィオラの話を語った。
「「「「「 ヴィオラ? 」」」」」
「どうするの?」ボクは、 ギュンターの眼をみた。 潤んでいる ギュンターの灰青の、 美しい虹彩!
「とにかく ユニットを開ける。 暫く 一人にしてほしい。」
ボク達は、 ボス部屋に ロボ馬車を出して、 バーベキューの準備をした。
いつもの、 バーベキュー用のテーブルではなく 来客用の、 落ち着きのある 木製の回転テーブル! 上等な 飾り気がない、 カトラリーセット。 キレイなワイングラスと ガラスのコップ。 花柄のかわいいティセット!
とにかく、 あの子に 似合いそうな! いやいや、 あの子が喜びそうな 歓迎の食事が 用意したかった!
キビキビ動く パーティーメンバーとバサラ!
最下層のボス部屋は、 高級ホテルの 上品な庭?になってしまった。
「やり過ぎたかな?」ボクは、 ちょっと 反省した。
「いいんじゃないかな?」シエラが フォローしてくれる。
「もうちっと、 派手目でも よくねぇーか?」スコットは クリスマスツリーでも、 飾りたそうだ。
「ドレスとか? かわいい服とか ギュンターは、 持っておるかのぉ?」ファフナーおじいちゃん。
「アイテムBOXには、 全発達段階の 様々な服が、 一国分は 備蓄してあるらしいぞ?」スコットの言葉に 全員が、 驚き 納得した。
ギュンターって、 ソンな人だ!
「某 有名ホテルの ディナーのお取り寄せ、 バッチリ!」
「海鮮と 肉の、 バーベキューも バッチリじゃわい!」
「おいしい紅茶と ケーキも揃ってらぜ!」
「お花も 沢山、 飾ったよ!」
ボク達は、 ギュンターと あの子を待った。
ギュンターは、 一人で暫く ガラスケースをみつめた。
何故? 今頃になって?
何故 今なんだ?
アーティファクトユニット?
どうしてこうなった?
ヴィオラ? は、 もういない…。
この幼女が 私の子?
ギュンターは、 自問自答を重ねる。
腹をくくらないと!
ギュンターは ガラスケースに、 両手を置く。
ガラスケースが まっ白になる。
ギュンターは、 ガラスケースから 3歩程離れた。
ガラスケースの上部が 音もなくスライドして、 幼女が ゆっくり上体を起こした。
幼女は、 パジャマ姿になっていた。
「おはよう パパっ!」幼女の声は かなり大きめだった。
「おはよう? 元気だな?」ギュンターは、 ちょっとだけ 微笑む。
アイテムBOXから、 可愛らしいワンピースと 赤い靴を出して ガラスケースの幼女に渡す。
「サイズは、 ワンピースと靴が 合わせてくれるよ? 魔法は使えるかな? 好きな色にも 変化するから、 やってみなさい。」ギュンターは 精一杯、 優しい声で 説明した。
「ありがとう! パパっ!」幼女は、 ギュンターの目の前で パジャマを脱ぎ、 ワンピースに着替えた。 ワンピースは、 パステルカラーでレモンイエローになり、 小さな白い薔薇の刺繍が さり気なく、 とても可愛らしい!
赤い靴に フリフリレースの靴下も、 とても似合っている。
ギュンターは、 幼女を お姫様だっこして、 ガラスケースから 出してやる。
「私は ギュンター。 キミのパパだよ?
名前を教えてくれるかな?」
「ユキ! パパ! ユキなの!」幼女は コロコロ笑う。
ギュンターは、 立ち止まって 少し考えだ。
「私のパートメンバーが、 食事? いや、 ユキの 歓迎会の準備をしてくれている。 このまま行くかな? それとも、 歩く?」
「ハイ! パパ! 自分て歩きたいから
手をつないでね?」
ギュンターは、 そっと ユキを立たせて、
手を繋いだ。
小さな白い手は、 暖かくて 儚げだ。
「うるさいのがイヤなら ユキ用のお部屋にも行けるよ?」
「パパの お友達に、 あってみたいの! パーティーは 大好きよ! あっ! パパのが う~んと、 大好き!!」ユキは、 ギュンターを見上げて とびっきり可愛い笑顔になる。
… … ズッキューン!!… …
「私の娘 ユキです。」何か 耳まで赤いギュンターが、 一言 紹介した。
「ユキです。 9歳です! よろしくお願いします!」ユキちゃんは、 ペコリと挨拶した。
「「「「 … ズッキューン!!」」」」
ポルタフォルトゥーナは 全滅した!
「あっ! あのっ! ポルタフォルトゥーナ リーダーの ハヤトです! 10歳 独身!」
「エンシェントドラゴンの ファフナーじゃもん!」えぇ~っ! じゃもん?! と、 声にならない 驚愕の目線が、 エンシェントドラゴンにそそがれた。
「料理長の スコット! 年齢不詳! 気持ちは27歳 独身!」 マジか? ソレ マジか? と、 全員が 疑いのマナコで、 スコットを見た!
「南の小国の 王子、 シエラです。 オーシャンアローのキャプテン! 年齢は 多分17歳 独身だよ?」キラリと白い歯をみせ、 シエラは 片手で 髪を、 サラリとかきあげた!
ナンジャソリャァ! モデルか? モデルなのか?っと、 全員 シエラのキザ男ブリに、 ちょっと 顔が赤くなる。
「オモシロ〜い!」キャッキャと 笑いころげるユキちゃん!
「あ〜っ! エンシェントドラゴンのバサラ。 このボス部屋の主なんだ。 人族的には 6歳位みたい。 よろしく! お姉ちゃん!」バサラが 一番、 マトモな挨拶が 出来た。
「わぁ~い! ユキおねぇちゃんですぅ! よろしくっバサラちゃん!」ユキちゃんは、 バサラに抱きついた。
ポルタフォルトゥーナは、 2回目の全滅!
「とにかく 乾杯じゃ! ホレっ! シャンパングラスを持たんかい! 行くぞい!」ファフナーおじいちゃんの檄が飛ぶ。
「 ユキちゃん! おめでとう!」
「「「「「 おめでとうとう! 」」」」」
「ありがとうございますっ!」
なにはともあれ、 某有名ホテルの スペシャルディナーは、 本当に素晴らしかった!
ゆったりと パーティーは流れ、 ユキちゃんが お部屋に移っても、 バーベキューをつまみながら お酒等を楽しんだ。
「ユキちゃん めっちゃ、 可愛らしい!」
「ユキちゃんは、 目に入れてもかわいいじゃろうのう!」
「ギュンターには、 1ミリもになくて 本当によかったぜ!」
「僕には、 フィアンセがいなくて 本当によかったなぁ〜!」
それぞれ タメ息混じりに、 つぶやいた。
「ユキおねぇちゃんは、 オレっちと ケッコンすっからね! もう ペンしたからね!」バサラが 胸を張りまくって、 びっくり返った!
ギャハハっ! アハハハっ! フォッフォッフォッ! ひぃ~っ、 お腹イタイよぉー! アハハハっ!
ボス部屋中に 笑いがあふれた!
「楽しそうで 何よりですね! 皆さんは 不思議に思いませんか? あの アーティファクトユニット! ユキには、 全く 罪はありません! ありませんが 不自然に過ぎます!」ギュンターが 苦しそうに、 超低い声で言い放つ。
し〜〜〜ん… … …。
✦至急 調査を!✦
✧了(解)!✧
✦✤ ・・・ ✤✦
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