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レクイエム

 神の救済?


  一億人を越える犠牲者数


 「犠牲者が全員 消滅したのは、 不本意ながら 助かりました。」ギュンターが 呟く。

「遺族にはわるいがのう…、 感染病などの 2次被害は、 考えずに済んだわい…。」ファフナーお爺ちゃんは タメ息を吐いた。

「人間、 ここまでの惨事を目の当たりにすると 感覚は、 麻痺するんだな…。」再度、 プロジェクターに映しだされた映像に レインも呟く。

「誰が 犠牲者達を、 消しているの? 神様? 女神様?」セーラは、 ポロポロ涙をこぼしている。

「魔王じゃないことを 祈るぜ!」スコットは イマイマしそうだ。

「で? 次は? 私達は 何をすればいいんだ?」アオコアン 話しが早くて助かる!

「帝国民の安全確保、 アオコアンさんは 聖国民の、 安全確保です!」ボクは、 神様ではないので 世界中は救えない。

 しかし、 救おうとは出来るハズ!

「消滅した人々は、 猛毒 それも、 摂取後四時間程度経過後死亡していました。 生物学的ではない 人工的な猛毒でです。」スピカからの 調査結果を そのまま告げていく。

「まだ、 どこか狙われるというのかの?」ファフナーお爺ちゃんの問に、

「ボクが犯人なら、 来月に開催予定の 帝国主催の産業祭を狙います。」

「そうだな、 私も犯人なら 同じことを考える。 兎に角 聖国でも厳戒態勢であたりたい。 時間がおしい。 」アオコアンは 今にも立ち上がりそうだ!

「そうですね! 今後の経過報告と会議は この魔導具ノートパソコンで、 行ないましょう。」円卓を囲む全員が、 転移していった。



✡✡✡✡✡


 ずっしり重い 真っ白なシャコ貝を片手に、 キラキラと 煌めく海面に浮かんできた、 シエラ(ラファエル)は、 明日9歳になる。

「アラン! コレで賭けは 私の勝ちです!」7キロばあるだろう 立派な2枚貝を、 ボート上の アランに手渡す。

「呆れた大きさだよ! お祖母様が 腰を抜かす位さあ!」どっこいしょっと、 笑いながらシャコ貝をアランが受け取ると シエラは、 また キラキラの珊瑚礁に 潜って行ってしまう。

「アイツ、 凄腕の海女さんになれるな?」アランは、 のんびり プカプカ浮かぶ、 反応しないウキを眺めながら 独り言を言った。


 南グレートリーフ諸島に浮かぶ 小さな無人島に、 シエラとアラン兄妹は 遊びに来ていた。

 この島は、 海が大好きな 祖母のお気に入りで 何度も遊びに連れて来られたのだ。

 アーティファクトの スーパーヨットを、 10歳の誕生日プレゼントに貰うと シエラは、 早速 遊びに来ていた。

 暫くして、 海面に浮かび上がった シエラは、 ガサガサと これ又特大サイズの 伊勢海老を差し出す!

 「そろそろ帰ろう! 夕飯に遅れると セバスチャンがうるさい!」右手を差し出すと シエラは、 しぶしぶ ボートに揚がって来た。

 本島の港には、 大小様々な船がいるが シエラのスーパーヨットは、 一番美しい。

 南グレートリーフ諸島連合国第一王子アランは、 王妃が産んだ最初の男の子だ。

 側室が母親のシエラは、 第二王子で 二人は、 全く同じ日が誕生日だった。

 王妃は、 産後の日だちが悪く もともと、 病弱だった為 アランと、 シエラは 祖母に預けられ、 珊瑚礁で育った。

 明日、 二人は 誕生日を迎えたら 初めて、 別れて暮らすことになる。

 第一王子のアランは 城内に残るが、 自由を求めたシエラは スーパーヨットを貰い、 冒険者になる。

 「私は、 海の帝旺になる漢だっ!」どこかで聞いたことのある言葉を 幼少の頃から、 のたまうシエラに、 執事長セバスチャンは 振り回され続けていた。

 

「大漁大漁! タコに シャコ貝に、 伊勢海老! 刺し身にバター焼き! グラタンもいいよね!」イロイロと まわりを、 ヤキモキさせているシエラは、 天真爛漫 我が道を行く、 怖いものなしな お子様だ。


 夕食後、 家族でのお茶の時間に シエラは、 お得意の 爆弾発言をする。


「明日早朝、 私は スーパーヨットで 七つの海に出る! コレは 決定事項なんだ! 時々 多分、 10年に1回位は 母港に帰還するから 心配せずにいてほしい!」家族も 家来達も、 予測していたので 諦めたように、 全員頷く。

「ついに 行くんだな?!」

「ごめんね! アラン! 私だけ、 我儘言って!」アランと シエラは、 それぞれ 全く違う人生を選らんだ。 

 ごく自然に・・・



 翌日、 大勢に見送られ 出航したシエラ。

青い大海原で 呟く


「欲張ると いいことはないぞ・・・」





✡✡✡✡✡


 スコーピオン大公国 大公シャンドールは、 豪華絢爛な天蓋付きのベッドで、 ブルブル震えながら 朝を迎えていた。

 隣国を抹殺し、 豊かな国土をのっとる!

戦争ではなく、 長期間策略をめぐらし 遂に昨夜決行し、 大量虐殺に成功した!

 成功して、 本日より 隣国へ、 何食わぬ顔で 災害救援活動の名目で、 国軍を引き連れ乗り込み そのまま、 なし崩し的に 隣国を乗っ取る計画だった!

 深夜零時まで、 計画は順調だった。 一億人超えの虐殺事件! しかし、 その犠牲者達が 跡形もなく消えてしまった!

 人外の仕業だ! スパイ達からの 驚愕の報告。 シャンドールは、 神の逆鱗に触れたか 魔王の方か?!と 現在まで、 怯えて過ごした。

 隣国を乗っ取るどころか、 シャンドールは 地獄に落とされると ソレしか考えられなくなっていた。

 何故、 隣国など欲したのだ?! スコーピオンは砂漠しかない国だが、 オアシスは素晴らしい恵みに 満ちていたのに!!

 大公シャンドールは、 ソレでも 地獄に落とされようとも、 隣国への遠征には 行かなければならない。

 人外の力! シャンドールは 自らも、 消え去る覚悟を纏い レクイエムを幻聴しながら、 国軍に 出陣命令を出した。

 読んで下さりありがとうございますm(_ _)m

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