ダンジョンへ
アオコアンは、 教皇なので 大聖堂から出ない。 外出など 何年もしておらず、 大聖堂の中で ほぼほぼ毎日、 同じルーティンで生活している。
用事があれば、 相手方が出向くし 日常の雑用など、 配下が全部担う。
アオコアンは、 決断し 命令する。
アオコアンは、 専用のプールのようなお風呂で 青空を見上げながら、 ふと気まぐれを起こす。
待ち合わせ
「「おはようございますっ! 皆さん!」」セーラとレインは、 パタパタと走って来た。
「おはようレイン! セーラ!」ボク達は、 朝の挨拶後 魔物の森へ向け歩き出した。
打ち合わせは、 歩きながら行う。
「魔物の森は、 通称で デメーテル遺跡大森林という位、 広大なんだけど 食糧や飲料水は、 ちゃんと準備出来てるのかい?」スコットが 二人に確認する。 大事な事だ。
「ハイっ! オレ達 大型倉庫2つ分位の、 時間停止アイテムBOXを 貸し出されてるんです! 孤児院から!」
「専用になってるので、 貰ったのと同義です!」セーラも、 笑って答えるケド ビミョーだよ? ソレは。
「そうか…。 まあ、 準備がキチンと出来てるなら あとは、 現在での 連携だけど、 君達は どうしたい?」ギュンターも 最初少し、 何か引っ掛かる表情をしたけど 普通にまた、 二人に尋ねた。
「今回、 オレは 本物の勇者になる為に、 聖剣エクスカリバーを 手に入れたいんです!」
「私達だけじゃなくて、 世界中に 仲間達が散らばって、 聖剣エクスカリバーを探してるんです!」セーラも サクサク答える。
「なので、 遺跡ダンジョンに案内して貰えたら あとは、 基本自分達だけで ダンジョン攻略をしようと考えています。」レインは、 スコットとギュンター相手には、 キチンと敬語を使っている。
「うーん…、 遺跡ダンジョンは 深層には、 Sランクのボスがいるし 最下層の大ボスは、 ベヒモスで SSSランクだぞ。 お前達だけでは まぁ…ムリゲーだな。」スコットは、 ハッキリ駄目出しをする。
「そうだね~。 私達と一緒に行動して レベルアップしながら、 まずAランク冒険者に 最低でもなるんだね? ギルマスには、 夕べ話しはつけてあるよ。」ギュンターも 丁寧に説明する。
「「えぇっ?! デメーテルのギルドマスターさんに相談?」」うん ハモったね。 レインとセーラ。
「ああ、 受付嬢と君達の コント(受け答え)は、 ギルド内で筒抜けの 事情丸出しだったからね。 まぁ 公明正大な目的は、 ある意味で 好感がもてたよ。」
「だなあ…、 ガハハハっ! お前ら、 面白いかったぜ?」スコットも笑っている。
「オレ達は、 スコットさんとギュンターさんが 一緒だと、 安心感ハンパないですが ソコまで、 面倒かけるのは 心苦しいです。」レインは 素直に心情を吐露する。
「遺跡ダンジョン攻略は、 長期間になりますし、 お三方(おっ! ボクも入った!)の大切な時間を 私達に使って頂くのは、 心苦しいです…。」セーラ達の言い分は 正論だよ。
「普通はそうなんだよな? だから、 ギルマスが出てくるのさ! オレ達 ポルタフォルトゥナパーティーは、 デメーテルの冒険者ギルドから お前達パーティーの、 Aランク昇進を テストする依頼を受けている。」
「そうですね、 そういうコトなので 遠慮なく、 私達と一緒に行動して下さい。」
「Aランクに なれるよ! きっと。 レインとセーラならね?」ボクも応援する。
「「ありがとうございますっ!」」二人は、 ホッとしたよ。
「無論、 聖剣エクスカリバーを発見出来たら レインに、 挑戦してもらうぜ? オレらに は 無用だしな。」
「同じ場所でも 聖剣は、 持ち主を選らんで出現しますからね? レインが 勇者としてエクスカリバーに認められれば、 エクスカリバーは出現しますよ、 きっとね?」ギュンターも 何か予感がするのかな?
「ボクも 聖剣エクスカリバーが、 出現するように思えるよ。」
「「えぇーっ!!」」イヤイヤ、 驚く所じゃないよ?
ソンな話しをしながら、 デメーテルを出た。 暫くは、 帰れないだろう。 門番のイワンさんの側には、 司祭様とモモコ先生が こっそりレインとセーラを、 見送ってくれてる。
「「行ってきますっ!!」」二人は 元気に挨拶した。
スコットとギュンターが、 ちょっとだけ殺気をモラシながら 草原を歩いて行く。 つまりは、 面倒な小型の獣や 魔物は、 寄って来ない。 なので、 ギルマスからの 一番の依頼、 レインとセーラの事情を 聞いていく。
「不思議だな? 二人共に 8歳までの記憶がないのか? ソレも 何組も、 お前らみたいな聖女と勇者のタマゴがいるんだと?」スコットの言う通り 不自然に過ぎる。
「そうなんです。 勇者育成プログラムと説明されてて 普通の孤児達とは、 全く別待遇でした。」セーラは、 パーティー毎に 拠点となる庭付きの一軒家をあてがわれ、 パーティー毎に 専属の指導員がいることも話す。
「今回は、 外国への長期遠征なので 指導員はついてこなくて。 少し不安だったんだ。」
「そうなの。」えへへと笑うセーラ。
「で? 一番偉いのは、 アオコアンという 教皇なんだな?」スコットが 確認する。
「そうです。 孤児院の総責任者は 教皇様なんです! 教皇様は、 慈悲深く 素晴らしい方です!」セーラは、 自慢げにない胸を張る。
「で? 聖剣エクスカリバーを手に入れて 勇者になったら、 レインは何をする気だ?」スコットの直球!
「魔物に襲われる恐怖や不安から 人々を護ります! 魔王や魔族が出たら 討伐します!」うんうん 正論だ。
「そうか、 なら もし、 他の勇者のタマゴが 聖剣エクスカリバーを手に入れたら、 レインはどうするんだ?」またも 直球! スコットは、 直球ピッチャーだね。
「英雄になります! オレ達は、 拠点地域の 護りのカナメになり 聖国の平和を護る活動をするんです。」正論だよね。 間違ってはいない。
「私達、 時々 同じ境遇同士で、 ご飯食べて話し合ったりするんですが 記憶喪失の話しは、 タブーになってて。 もう、 前だけみて 生きて行くと、 最後は落ち着くんです。」レインとセーラに聞く限り、 各組みでの 蹴落とし合いとかは、 特にないらしい。
誘拐されたんではなく、 あくまでも 記憶喪失の、 有望な孤児を 特別プログラムで、 育成しているという スタンスなんだよね?
誘拐なんかしないで、 堂々と 育成人員集めたら良かったのに。 不可解だよ。
そろそろ魔物の森に入る。 レインとボクが前衛、 セーラを真ん中にして スコットとギュンターが、 後衛になる。
臨時パンデミックとしては、 最強の布陣だ。
スコットとギュンターが 殺気を消したので、 魔物は 襲ってくる。
雑談は終わりだ。 戦闘開始!
「11時方向から コカトリスが二匹! 狩るかい?」
「余計な戦闘は避けて 早目に遺跡ダンジョンを目指そう! 走るぞ!」ギュンターの指示が飛ぶ。
ボク達は、 魔物の森を 走り抜けて行く。
「今日は、 早目に 野営地を探そう。 休める時は、 休んどかないと スタミナが切れたら終わりだからな。」
「明日は、 遺跡ダンジョンの入口に着きます。 並みの冒険者なら 3日の行程を 1日半で踏破したスタミナと 足場の悪い森を走れる技量は、 評価できます。」ギュンターに 褒められて、 レインとセーラは嬉しそうだ。
「魔物避けの 結界魔法が付いたテントだ。 見張り番ナシで 飯食ったら寝るぞ!」スコットが アイテムBOXから、 大型テントを ポイっと 投げる。
ぽヨよーんと テントは、 自立した。
「「ひゃあーっ!」」驚く声も ハモるレインとセーラ。
「テントが ヒトリデニデキアガった!」レインの目が真ん丸になる。
「見張り番要らないんですか?」セーラのいう通り 冒険や探索で、 大変なのは 寝ないで見張り番することなんだ。 見張り番地は 本当に嬉しい。
「その上 美味しい料理も食えるぜ? オレは、 最高の料理人だからな!」へへーんと 得意げなスコットは、 テント内の丸テーブルに セッセと 海鮮料理を並べていく。
そう、 アレです。 道中の不思議スポット 海繋がりの川で 沢山捕獲した獲物達ですよ。
「「海鮮っ!!」」イチイチ驚いてたら この先大変なので、 そろそろなれてね? レインとセーラ。
大満足な夕食を済ませ お茶をしながら、 明日の流れを確認して、 それぞれの寝袋に入った。
レインとセーラは、 フカフカの寝袋に またまた目を丸くしたけど、 入った途端 疲れから入眠してしまった。
1日中 ガンバって移動したからね。 明日も 全力だから しっかり、 休んで。
寝袋に入って 暫くスピカと情報交換し、 ボクも 早目に眠りについた。
「おはようございますっ! スゴい寝袋ですねっ! 生活魔法付 空調まで付いた寝袋なんて! 夢のようです!」レインとセーラは、 朝から テンション高めだよ…。
「ダンジョンなら、 砂漠地帯や 氷雪地帯の設定もあるからね? 外気温への対応は 基本だよ。」ギュンターは、 朝食に おにぎりをチョイスしている。
「おにぎりは パンより好きです!!」初めてのおにぎりに感動するレイン。
「私は、 やっぱり サンドイッチが好き!」セーラも 食欲旺盛だ。
「今日は、 いよいよダンジョンだからな! ふっ、 左眼が疼くぜ!」厨二病発言スコットさんや? 左眼普通で義眼じゃありませんよ?(笑)
「スコット、 年甲斐もない アホな戯れ言ですね?」ギュンターは 辛辣だね。(笑)
「「パチパチパチパチ!」」ハイソコ 拍手して、 小芝に受けない!
「と、いうことで チームメートも上々! 昨日と同じ フォーメーションで サクサクとダンジョンまで行きますよ!」ギュンターが キッチリ締めてくれた。
昼前には、 遺跡ダンジョン入口に到着。
容姿誘拐事件は、 ダンジョン攻略後の 教皇の出方をみてからに なるだろう。
「行きますか!」ボクは、 レインとセーラをポルタフォルトゥナのパーティーメンバーとして 仮登録。 安全バフもかけまくり ダンジョン内に踏み込んだ
アオコアンは、 豊穣都市デメーテルに転移して来た。 教皇の正装ではなく 上品な私服。
白に 瀟洒な縁取りのスーツ姿に、 神々しささえ 醸し出されており、 街の人々は 近寄りがたく、 アオコアンに 道を空けていく。
モーゼの海渡りみたいに 人波が、 左右に分かれ様は 壮観でもあった。
但し、 アオコアン的には 当たり前の光景なのだ。 デメーテルのメインストリートで 目立ちまくるアオコアンの様子は、 速攻で デメーテルの上層部や ドロシーに報告された。
読んでくださりありがとうございますm(_ _)m
いいね! コメント等お願いしますm(_ _)m
ブックマーク喜びます(≧∇≦)b




