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side アオコアン

 思い通りに生きて来た! ただ 一点を除いて。

 教皇の長子に生まれ、 容姿も 頭脳も、 運動能力さえ 神童と奉られるほどに。

 この世の全ては、 思い通りになるハズ・・・

 ただ、 一点…、 


  風習と しがらみ


 アオコアンは、 双子だった。 一卵性双生児の兄の名前は アオコアン、 ただ一つだけ 自分にないモノを、 兄は持って生まれた。

 兄は、 自分より 15分程早く生まれた。  正妃の初めての出産で 継子たる男の子に、 国中が喜びに沸いた。 アオコアンは、 産湯を使ったあと 素晴らしい産着に包まれ、 聖女達ち見守られる中 教皇自らその腕にいだき、 バルコニーでお披露目されていた。

 兄が、 祝福の渦中にいる中 ひっそりと生まれた女のコは、 ひっそりと 正妃の実家に引き取られ、 居なかったことになっていた。

 

 双子は、 獣腹と忌避される聖国では 最悪、 一人は処分される運命でもある。 ただ 産道を通った順番で 生死さえ危うくなる。

 ひっそりと、 生かされたのは もしもの時の、 スペアという 役割の為だった。

 兄のアオコアンと、 全く同じように 育てられた。 兄の表情のクセ、 喋り方 歩き方等、 本当に全てが 刷り込まれていった。

 兄が、 なぜ同じ名前なのか? 同じ仕草をするのか? アオコアンは 不思議に思ったし、 不愉快だった。 

 教皇の継子アオコアンは、 私なのに? と。



 兄アオコアンが、 5歳の誕生日に 国中で、 誕生祭が行われた。 一週間も開催された最終日に アオコアンは、 毒殺される計画だった。 盛大な誕生祭の中、 正妃の実家は 重苦しい空気が漂う。

 アオコアンに 自分の乳を飲ませ、 母親がわりだった 聖女は、 自分がデキる全てのことを アオコアンに施す。

 兄アオコアンのスペアとして 育てるフリをして、 自分が育てたアオコアンと すり替える為の全ての計画を立て、 実行していた。

 5歳のアオコアンは、 生誕祭最終日 継子アオコアンに、 晴れてなった。

 教皇と正妃に、 初めて抱いて貰った。 

 両親は、 生誕祭最終日の夜 打ち上げられる花火を観ている、 アオコアンが 朝から、 既に入れ替わっているなど 考えてもいない。

 アオコアンは、 自分の誕生を祝う 盛大な花火を、 晴れ晴れと観ていた。

 5歳のアオコアンは、 それが当たり前で 兄アオコアンは、 自分の為に今まで 生かされ表舞台にいたのだと考えていた。

 そして、 5歳のアオコアンは 兄アオコアンの記憶すら、 失くしていった。

 記憶改竄という、 忌まわしいユニークスキルを習得したユエの、 自分に都合のよい行ない。

 誰も疑わない。 記憶改竄という ユニークスキルで、 何なら国中全ての記憶だとしても 改竄する異能が アオコアンには、 あるのだから。


 アオコアンは、 乳母の聖女と二人で エメラルド聖国の全てを、 手に入れた。 まだ、 30歳になったばかりで、 教皇の玉座に座った。

 アオコアンと、 乳母の聖女の野望は 世界征服計画へと、 増大して行く。

 アオコアンは、 全て思い通りに 全て手に入れられるハズなのだから。      



… カッツーン… カッ! カッカッ… 


 アオコアンのブーツは、 磨きあげられ その容姿を、 映す大理石の床を叩く。


 誰もいない 静寂の大聖堂で、 ソレを感じるのが アオコアンは好んだ。




 ビーコンは、 アオコアンを観察する。


 ビーコンは、 アオコアンの全てを 調査する。


 ビーコンは… …



 読んでくださりありがとうございますm(_ _)m

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