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寝起きは酒臭い

鼻元がどうも臭い、すごく寝苦しい、寝てられない。

「寝苦しい」でひとつ思い出した。俺は大勢の人間に一度問いたい。

寝起き前ってすごく思考がぐちゃぐちゃになって常識的な考え方が出来なくなるという状態に陥らないだろうか?しかもそのまどろみというかフワフワした状態というのは何か気持ちが良くて目を覚ますのは物凄く、この上なく不快なものとして感じてしまう。


「こいつウチが昔飼っていたキメラに似ているな、特にこの間抜け顔が」


少女の声だ、いや、それにしてもハスキーな声だ、それに口を開く度に俺の鼻元に不快な匂いがただよう、正直気分が悪い。


「あ?キメラ飼ってたのかって?この国じゃ違法なのくらい知ってるよ、昔くそ親父が野生の犬に魔法で無理やり死にかけのミミズと無理やり融合させたんだよ」


誰かと会話しているようだな、しかもその会話相手の口臭もとてもじゃないがまともな匂いとは言い難い、というかどいつもこいつも。


「酒臭い!!!お前ら飲みすぎだ!!!ブレスケアでもつまみにしたらどうだ?!」


ついに匂いに耐えられなくなってしまい、ぐちゃぐちゃなまどろみ思考の状態で叫び散らかしてしまった。考えが整理できていないのを表すかのようなしょうもないツッコミであったことも自覚している。


「頭に響くなぁ、急にノイジーモンキーみたいな鳴き声出すなよ」


なんだよノイジーモンキーって、そんな名称のサルは聞いたことがないぞ。

その珍妙な名前を口にしたのは少女であった、少女と言い表すには少し大人びている、しかし、少女という言葉を容赦なく打ち消す一つの問題点があった。


ワンカップ片手に公園でベンチを占領しているホームレスより酒臭い。


「お前今から喉に手を突っ込め」


思わず俺の口から洩れてしまう、ほんとに不意に漏れてしまった。

少女はキョトンとして首を傾げている。


「なんでだよ?」


「お前口臭すぎ、ゲロ吐いて胃の底からうがいしろ」


恐らく今までの人生で初めて女性にこんな最低なことを口走ったと思う。

それくらい臭かったし、その言葉を言った瞬間、少女の拳が俺の眉間に真っすぐ飛んできて、俺はまた意識を失った。


「おーーーーーーーい!!!この街にシルバーウルフの群れが襲いにくるぞーーーー!!!」


頭に響く、クソガキの声だ。

俺の幸せに満ちたまどろみの時間がまた遮られようとしている。


「またホローか、あのガキよく飽きもせず毎日大ボラ吹けるもんだ、町の合唱団にでも入ればいいのに」


次は聞き覚えのある声だ、というかあのワンカップ女の声だ。


「なんだ俺の意識を飛ばした後しっかり介抱してくれてたんだな」


まだはっきりとしない意識のまま体を起こして少女に問いかける。


「あ、失礼間抜け男。ようやくお目覚めか、私のアルコールもすっかり覚めちまったよ」












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