出会っちゃいました
その彫り師にタトゥーを彫られたものは死ぬ。という噂。
その彫り師はデスと呼ばれている。
デスと呼ばれる彫り師は、死を望んだ者にタトゥーを彫っているという。彫られた者はほとんどがその翌日に死を迎えている。という噂。
しかし、その彫られるタトゥーは依頼人にとって『大切なもの』を表現し・・・・
依頼人を安らかに殺す・・・・という噂。
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「なにそれ?売れない噺家の怪談?むしろロマンチック?」
「龍子!これは怪談とかじゃなくて本当の話なのよ!ほら、最近の新聞であったじゃない!OLがバーで突然死んだ話よ!」
「あー。あったわね、そんなニュース。1週間前じゃなかった?」
龍子は友美の話で、前の夕方に見た午後のニュースバラエティを鮮明に思い出した。
そこで司会をしている初老の男ニュースキャスターがお気に入りでよく見ている。その時のニュースはすごく印象深かったから良く覚えていた。
男ニュースキャスターのカツラのズレ具合がここ一番だったからだ。翌日にはネットニュースのトレンドに、男ニュースキャスターのズレ具合が大拡散されていた・・・・今でも、思い出すとニヤケてしまうw
「そう!そのOLがバーの前に行っていたのが彫り師『デス』の作業場らしいのよ!」
「どこ情報よそれ?そんなことニュースではいって無かったじゃん」
「あるネットの情報でね、OLが死ぬ前に歩いているところを見かけた人がいるんだけど、その見かけた人っていうのがたまたまタトゥーマニアの人でね!?その人がOLの太ももから覗いてたタトゥー、デスの作品の特徴がすごくでてたんですって!」
龍子はその胡散臭い話に嫌気がさして、校舎の中で一番景色がいいと言われているこの3-2教室の窓から、綺麗な夕陽が山に重なる様に目を移した。
だいたいネットの情報なんて、真実が書いている確率2%あればいい方だとあきらめをつけて見るものだ。信じられる記事はゲームの攻略情報くらいなものだ。
「は~!デス様に一度でいいから彫って欲しいわねー!」
「友美あんた死にたいの?彫られたら死ぬんでしょ?」
「そういうんじゃなくて!死にたくないけど、ちょっとそういうロマンチックな物語に巻き込まれてみたいと思わない?ってこと!」
「馬鹿見たい・・・・」
そう言って龍子はバッグを持って教室を出た。
いつもの帰り道、友美は学校から近いので校門から早々に別れた。
龍子はいつもの道が通行止めになっていたので、いつもは絶対に通らない細道を行く事にした。暗くてジメッた箇所があるからあまり通りたくないのだが、まあ今日はしょうがない。
「デスって何よ?うっさん臭い源氏名なのかしら。もうちょっとかっこいいのあるじゃない。鎌を意味してサイスとか、合わせてデスサイスってのが一番しっくり来る!そう!死奏のデスサイスとか!」
龍子は高校三年になって若干の中二病だった。
「いいね・・それ・・これからはそう名乗ろうかな・・・」
突然、後ろから声がした。とてもか細く、聞き逃してしまいそうな声。
後ろを向いた龍子の目に映ったのは、死神という表現が似合いそうなヒョロイ男。24歳くらいだろうか。
「どうも・・・デスです・・・お客さんですか?・・・サギョバ・・・丁度その・・奥なんですよ・・」
ああ。あなたがデスさんですか。すごいタトゥー入れまくった体してますね。納得ですね。ピアスもまがまがしいですね。
デスさん?今この瞬間、貴方の脳天目掛けて拳を振り下ろそうとしてる警官姿の大男居ますけど大丈夫ですか?
あ・・・あーー
私はこの出来事からしばらく、この不思議な彫り師と関わりいろいろなことに巻き込まれちょっと濃い体験をしていきます。そんな物語::::
「ぎゅばぁぁ・・・」
ああー。そんな物語です。
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文章作るの初めてなんで至らない部分あったらごめんなさい。ストーリーはだいたいもう決まってる短編程度ですが、仕事の合間に書いていくつもりですw
長い文章を書くの苦手なので克服できるよう頑張りますw