第6章
「……やはり、行くというのですね」
「もちろんよ。私はずっとこの時を待っていたの」
「私達に止めることはできません」
「行ってくるわ。冒険に」
「行ってらっしゃいませ。リリアンお嬢様」
エルフードの屋敷を出て、リリアンは約束された
場所へと急ぐ。
「ごめんなさい。待ったかしら?」
「……そんなに待ってはいないけど……」
言いかけてルシェットは、たじろぐ。頭にヘッド
ドレス、フリルがたっぷり付いたロリータ風のワ
ンピースの上に皮の肩当て、ショートボウという
いで立ちだったからだ。
「やっぱり、変かしら?」
「可愛いというか、変というか……」
ルシェットは言葉に詰まってしまう。
「まぁ、何着たって似合ってればいいじゃない
か?」
「そう?これからどうするの?」
「依頼所ですよ。クエストを受けに行くんです」
「今日の依頼は……えーっと、西の草原地帯に
スライムが大量発生しているのでその討伐だね。
スライムは魔法かメイスやクラブのような叩き
属性を持つ武器でしか倒せないようだ。」
「分かりました。では出発しましょう」
「おい、エリュニス」
「何ですか?」
「俺の攻撃手段がないということとスライムの
事だ」
「スライムの事といいますと?」
「あと、あのお嬢様の服じゃ動きづらいじゃな
いか?」
「そうですね……あの、リリアンさん。動きや
すい服を買いに行きますよ」
「……はぁい」
がっかりした様子でリリアンがため息をついた。
「お客様にはこの洋服がお似合いかと」
定員が持って来たのは白色のシャツに茶色のチ
ェックの柄のひざ下のワンピースだった。その
上から皮の肩当てとショートボウを身に着ける。
「どう? 似合うかしら?」
「よく似合ってますよ。シンプルな服もいいで
すね」
「結局俺の武器はなしか」
「すみません、洋服と保存食糧や回復薬の買い
出しでお金がかさんでしまって」
「……私の出番はないのね」
「魔法……火の魔法……そうか!」
「どうかしたんだ? エリュニス」
「あのですね、火ならなんでもいいわけですね」
「それがどういう……あ! そうか」
「そう、火のつけたたいまつを投げつければい
いんです」
「早速たいまつを買いに行こうぜ、まだ少し金
は余ってないか?」
「あと少しなら……1本くらいだったら買えま
すよ」
「あの、私はどうすればいいのかしら?」
リリアンが尋ねるとエリュニスが答えた。
「リリアンさんは弓の矢の部分に魔法で火を
つけます。そうすれば魔法と同等の効果を得る
ことができますよ」
「じゃ、それ買ったらクエストをこなしに出発
しようぜ」