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第4章

セヴェルが私とデートなんて珍しいわね」

「デートじゃねぇよ、依頼のついでだ。今

日は俺一人の依頼があったんだ。さっき

終わらせたけどな」

「どんな依頼だったの?」

「そりゃ、えーとな」



『うちのギルドに盗賊が盗みに入ったんだ。

そいつをひっとらえてほしい、暗殺者のセ

ヴェルにはうってつけの任務だろ?』

『あんまり暗殺者なんて言うなよ、周りに

聞かれてたら、どうするんだ。ルシェット

とエリュニスが居なくて助かったぜ』


『へへへ、これだけあれば当分金に困らな

いぜ』

『何が、困らないって?』

『そりゃもちろん、カ……ってセヴェル!

ぎゃあああああ! 助けてくれぇえええ、

命だけは取らないでくれよおおおお』

『今盗ったのを全部おいてけ。そしたら命

は取らないでおいてやる』

『ひええ……はい、これで全部です』

金を地面に置いた盗賊はそそくさとどこかに

逃げて行こうとしたがセヴェルに捕まってし

まった。

『待て。お前、こっちにこい』

『……へ?』


『こいつがうちのギルドの金を盗もうとした

盗賊か。よくやった、セヴェル。任務終了だ』

『報酬は40000ルクスか。まぁ、こんなと

ころだろうな』



(……と、いう訳なんだが……言えるか!)

「……何が何だかさっぱりわかんないわよ。

説明をちゃんとしなさいよ」

「依頼については守秘義務なんでな。あまり

詮索するとお前、消されるぞ」

「消さっ……もがっ」

「じっとしてろ」

セヴェルが手でリリアンの唇をふさぐ。しば

らくたって手が唇から離れると、リリアンが

口を開く。

「で、どこか連れてってくれるの? 私、欲

しいアクセサリーがあるの」

「あぁ?」

「……ごめんなさい、お茶でいいです」

「……ふん。デザートもつけろなんて言うなよ?」

「ぎくっ、そ、そんなこと言ってないじゃない」

「目が言ってたぞ」

「……ルシェットには甘いくせに……」

「……あいつは特別なんだ」

「何よ、何が違うってわけ?」

「兎に角、違うものがあるってわけだ」

「ふうん。あ、お茶2つお願いしまーす」

「俺の分まで勝手に決めるんじゃねぇ!」


「お茶美味しいですか? ルシェットさん」

「……うん。このミルクティー、何か入ってる?」

「ああ、マシュマロミルクティーですね。

僕も同じものですが美味しいです。ほかに何

か食べます?」

「……いらない。エリュニスが用意してくれ

るものだけで十分。他には入らないから」

「もっと食べないと体力が付きませんよ?」

「……そうかな?……でもお腹に入らない」 


「ルシェットさん、カフェの後は走りましょう」

「え、でも杖で空飛べるし……」

「魔力切れで空を飛べなくなった時のためで

すよ。冒険者は体力勝負ですから」

「うん、分かった」

息も切れ切れにルシェットが100メートル

を走り切った。エリュニスはタイムを計って

いるようだ。

「100メートル18秒台ですか……セヴェ

ル君は何秒なんでしょうか」

「確か10秒台って言ってた」

「どこで聞いたんですか、それ……そうだと

してもセヴェル君は早いですね」

「エリュニスは何秒?」

「僕は12秒台ですね」

「走ってるとすぐ息切れする……」

「足の速さよりも先に持久力ですかね。そう

ですね、まずは500メートルを走れるだけ

の体力を作りましょう」

「ええっ、そんなに走るの?」

「僕も最初はそんなに長く走れませんでした。

すぐに慣れますよ」

ルシェットが歩くより少し速い速度でゆっく

りと走る。エリュニスが横にいてペースを合

わせて走ってくれる。しばらく走ってると疲

れてきて次第に足がゆっくりになり、歩いて

しまった。

「も…………もう駄目……限界……」

「今日はこの辺にしておきましょう。続きは

また明日ということで」

「えっ、明日も走るの?」

驚いた表情のルシェットが聞くとエリュニスが

笑って答えた。

「もちろんです。明日も頑張りましょうね」

「えっ……う、うん」

そんな優しい声で言われると嫌とは言えなか

った。だが、何とか頑張ってみようかと思う

ルシェットだった。

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