第31章
「えっと、薬草を大きい物と小さめな物
に分けて……、水で洗って……」
「何やってるの?」
「ああ、リリアンさん。ちょっと頼まれ
ていたものを作っている最中です」
「ふうん……」
(ルシェットさんと共同作業をすれば
質も高くなると思いますが……)
その肝心のルシェットは、ほとんど寝て
いることが多い。とりあえずよく寝かせ
ておく。
(多分、体力も魔力も切れているのだろう。
下手に起こして事故になっても困る)
「ふぅ……」
濃縮されたコーヒーにやや多めの冷たい
ミルクを混ぜ合わせたものを、一口飲んだ。
その後砂糖も少し入れまた一口飲む。ミル
クと砂糖のおかげで幾分飲みやすい。
水のついた薬草の水気を布でふき取る。
ふき取った薬草を細かく刻み、乳鉢の中に
放り込んだ。
ごりごりと音をしながら薬草が潰れてゆく。
薬草の中の細い茎を取り出す。
布で潰れた薬草を包み、絞る。布が薬草色
に染まってしまったが仕方ない。
ここで薬草ポーションは完成だが、更に煮
詰める必要があるのだ。
ポーションの原液を鍋に移して煮詰める。
ややトロミがついたところで、冷ます。
冷ますのを待ちながらコップに残ったミル
クコーヒーを飲む。
(あれ……?)
何気なくポケットを探ると飴の小袋が1つ
入っていた。
(誰かに貰ったんでしょうか……)
小袋を破り中身を取り出す。飴は少しべた
ついていたが匂いなどに問題ない。
(これは……キャラメル味かな?)
飴を舐めながらポーションが冷めるのを待
つ。しばらくたつと鍋から湯気が少なくな
ってきた。
(これでいいかな……)
じょうごを使い鍋の中身を瓶に詰める。薬
草入り瓶が妙に輝く見えるのは気のせいだ
ろうか。
濃縮ポーションは5つ出来た。普通のポー
ションならもっと沢山出来るが、こちらの
方が1つ辺りの単価は大きい。
(今度からルシェットさんと共同作業にし
ましょうか)
とはいっても共同作業は全部ではなく時々
にしておこうとエリュニスは思った。
(そろそろポーション作りの依頼だけでは
なくて色々やってみてもいいかもしれませ
ん……。
そうだ、前にルシェットさんからミアナち
ゃんがいたという場所に行ってみることに
しましょう。ルシェットさんも一緒に行く
のでしょうか? とりあえず声をかけてみま
しょう)




