第27章
(……ここも久しぶりですね……)
貸し住宅から出てたどり着いたのは
大きな屋敷だ。
屋敷の中に入るとエリュニスそっく
りの青年が出迎えた。
「どうした? エリュニス?」
「シャリオ兄さん……! まさかそ
んな幼い子まで手を出すつもりです
か?」
「うむ。それもいいな」
「兄さん! やめてください」
「ははは。お前の困った顔を見るの
も楽しいな。 ……目的はその子だ
ろ?」
「……その子を……ミアナちゃんを
返してください」
「そうか。ミアナちゃんというのか
飴食うか?」
「飴? うん、食べる―」
「あっ! その飴は……」
「んー甘い……むにゃ……眠い……」
その時シャリオの身に着けているペ
ンダントが黒く濁った。
「兄さん! その飴は確か眠り薬を
練りこんであるものですね」
「そうだが……ミアナちゃんか……
ふむ、どうするかな。とりあえずソ
ファにでも寝かせておくか」
「今度は何をするつもりですか」
「……うむ。とりあえずここにいて
もらおうか。……そして」
「ゆるし……ま……せ……ん……に
……い……さ……ん」
「うわああああ! ショートソード
をこっちに向けるな!」
その後はあまり覚えていない……。
ショートソードを向けられた時はど
うなることかと思ったが土下座して
必死に謝ったら許してくれた。まぁ
土下座する前に多少の切り傷を作っ
てしまったが。
「あぁ、連れて行かないでくれ……」
「駄目です。連れて行くなんてせず
に会いにくればいいでしょう」
ミアナをエリュニスがおんぶし、屋
敷を出た。シャリオはエリュニスが
怒った事がトラウマになっており、
ガタガタと震えている。
「……ん……あれ? なんでおんぶ
されてるの?」
「……あなたは飴を舐めましたね。
その飴の中に睡眠薬が混ざっていた
んですよ」
「……?」
(多分わからないんだろうなぁ。…
…それに怒るのは久しぶりです)
「いいですか、ミアナちゃん。何で
も口に入れるのはやめましょう。
もらった食べ物は誰かに相談してか
ら口の中に入れてくださいね」
「……うん。ごめんなさい」
「いい子ですね」
(それにしても……兄さんには困っ
たものです)
「おかえり、エリュニス」
「ただいま、リリアンさん。さっ
そくで悪いですがミアナちゃんを
ベッドに寝かせてください」
「わかったわ。……これでいいか
しら」
「ええ、ありがとうございます。
セヴェル君達はどうしていますか
?」
「あー、あの二人ならミアナちゃ
んを探しに出て行ったわよ」
「そうですか……どのくらい前で
すか?」
「えーっとエリュニスが出て行っ
てすぐの事よ……多分もうすぐ帰
ってくるわ」
エリュニスがベッドに靴を脱ぎ横
になる。横になると眠気が襲って
くるが二人が帰ってくるまでは待
ちたい……だが、その考えは甘か
ったようだ。
エリュニスはうたた寝をしてしま
った。慌てて飛び起きると真っ暗
だ。多分全員寝ているのだろう。
セヴェル達も寝ていることを祈り
つつ二度寝をすることにした。




