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第26話

「ねぇ、起きなさいよ」

「……うーん……あ、リリアンさんですか……」

「もうみんな起きて朝ご飯食べてるわよ」


朝ご飯はトーストと目玉焼き、良く焼いたベー

コンにリンゴジュースだった。目玉焼きには少

し塩コショウされている。トーストにバターを

のせてかぶりつく……と、バターのしょっぱさ

が口中に広がる。ナイフで目玉焼きを切り、口

へと運ぶ。少し塩気が足りなくなるかもと思い

ながら、ベーコンも食べる。これなら塩コショ

ウはいらないようだ。

一通り食べ終わったらジュースを飲む。口の中

がさっぱりするのが心地がいい。

顔を洗って歯を磨く。寝間着から普段着へ着替

えて髪をとかして縛る。

「行ってきます」


エリュニスは一人で出かけた。行先は魔法道具

やポーションやそのレシピ本を取り扱っている

店だ。

店に入ると薬草や毒消し草が乾燥された状態で

つり下がっている。ポーションもあるようだ。

店のレジの小脇にグミや飴といった菓子が並ん

でいる。しかし普通の菓子よりかなり割高だ。

「あの、これは……?」

「ああこれは薬草が練りこまれた菓子だよ」

「そうですか……えっと、ポーションのレシピ

本を探しているんですが」

「それならばこれはどうかな?……ポーション

と少し違うが、魔物が寄ってくる匂いのついた

ものと逆に遠ざけるのものとセットだよ」

「じゃ、それをください」

「まいどどうも……あっ、そうだ」

「何ですか?」

店主はレシピ本が入った紙袋に小さなビニール

袋を入れた。

「……あの、これは?」

「薬草入りのグミだよ、サンプルなんで使って

みてくれ。気に入ったら是非色々なものがある

から……頼むよ」

「ありがとうございます」


エリュニスは森にきていた。ここはルシェット

が小さい頃から寝泊まりしていた森だ。

(ここからは素材集めかな……? うーん……

ルシェットさんを連れたほうがいいんでしょう

か……)

幼いころから薬草を見つけて売ったり、ポーシ

ョンにしてから売ったりして生計をたてていた

彼女は魔法だけでなく薬草学がある。……とは

いっても、レシピ本に頼るべき部分がかなり多

い。レシピ本にはポーションの作り方だけでは

なく、材料の薬草がイラスト付きで載っていた。

レシピ本の材料を見ながら薬草を採取し、バッ

グの中に入れた。


(……ふぅ。まだ時間は残っていますが、皆の

事が気になります……。でも)

自然と足は小屋へと向かっていった。ここで泊

まってゆくことはしない。床に座り少しだけ目

を瞑る。


「……ん、あれ……?」

気が付けば夕方だった。そろそろ帰らなければ

いけない。立ち上がって服をはたいてホコリを

落とし、帰った。


「……あ、あれ?」

「エリュニス! ミアナちゃんが……!」

ミアナの姿がいない。貸し住宅の中をくまなく

探したらいなかった。

「そんな……! ……僕のせいで……」

「何か心当たりは?」

「エリュニスにそっくりの男がいたの……違う

のはボブカットの髪型で……」

「……! 兄さんだ……。 ……すみません、

探してきます」


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