第22章
「ただいまー!」
「おお、お帰りミアナ。なんじゃその
大きな飴は しかも何本も」
「えっ? これ? えへへ、持ってき
ちゃった」
「2人共何はともあれ無事に帰ってき
たようじゃな。早速じゃがミアナ、こ
いつらに治癒の魔法をかけてやってく
れ」
「はーい。お姉ちゃんちょっとキャン
ディ持ってて」
「あ、うん」
と、舐めかけの棒付きキャンディを受
け取る。と、いつの間にか目覚めの花
がなくなってしまったことに気づく。
どこかに落としてきてしまったのだろ
うか。しかしそんな事より皆の体調が
気になって仕方がない、目覚めの花の
事はあきらめることにした。
「うーーーーん。……えいっ!」
横たわるエリュニスのそばに立ち、目
を閉じる。ミアナの両手から柔らかな
光が放出されエリュニス達の身体に降
り注いだ。
少しの沈黙の後、皆がむくりと起き上
がった。
「あ、あれ……?」
「やった、起きた!」
「ふぅ、 できた。……お姉ちゃんキ
ャンディ返してね」
「あ、うん。 はい」
ルシェットからキャンディを返しても
らうとミアナはまたキャンディを舐め
る事に専念してしまった。
「ふむ、無事に済んだな」
「これからどうする?」
「治療に沢山お金を使いましたから
稼がなくては」
「じゃあ、クエストかな?」
「それならちょうどいいのがあるぞ…
…あーすまんがミアナを連れて行っ
てくれないか?」
「ええっ? こんな小さい子をです
か?」
「……そういえばミアナは武器とか
持ってないよね?」
「流石にそれは酷なのでは? 治療
が専門なんですか? ミアナちゃん」
「うん、そだよ。 でも治癒の時に
力を使うから、いつも甘いの食べて
る」
「ど、どういうことですか?」
「この子はなここと菓子の世界を行っ
たり来たりしてばっかりなんじゃ。
正直面倒じゃ、それになミアナの治
癒能力を欲しているケガ人が沢山い
るんじゃ。しかも厄介な事に色々な
地域に散らばっている」
「でも、分かるんでしょうか?」
「ふふ、ミアナはエルフ族。エルフ
の中でも特に異能の力を持っている。
有名人なのだよこの子は。ただここ
と菓子の世界の部屋から出てきたこ
とがなくてな。さあ、ここからでて
外の世界を知るのだ、ミアナ」
「お兄ちゃん、お姉ちゃん。えへへ、
よろしくね」
「えっと、よろしくお願いします」
「どうしたんだこのガキ」
「あっ、目が覚めましたか、セヴェ
ル君。あなた達もこの子に救われた
んですよ」
「そうなのか……いや、助かった。
ところでこいつの名前は?」
「ガキでもこいつじゃないもん。私、
ミアナだよ」
「そうか、ミアナな」
「私はリリアンよ。よろしく、ミア
ナちゃん」
「うん、みんなよろしく」




