第18章
「あー。暇だ……」
セヴェルがベッドに寝そべってゆっくり
と目を閉じる。
こんな時は嫌なことを思い出してしまう。
「こんにちは。君がセヴェル君だね?」
肩につく位に切りそろえた銀髪とサファ
イアブルーの瞳が印象的な少年だ。
「ああ、そうだよ」
後ろには何か人影が見え隠れしている。
「ほら、私の後ろに隠れてないで出てお
いで」
「……はっ、はい……。……あ、こんに
ちは」
髪の色も瞳も背丈もそっくりな少年。た
だ違うのは髪が長いことだった。
「その髪の長い子は?」
「私の弟だよ。私が適合者に遭うと言っ
たらついてきたんだ。あいさつしなさい」
「……あっ、あの。……エリュニスです
……」
「ふーん、ところであんたの名前は?」
「シャリオだよ」
「……というか俺に聞かれるまで自己
紹介もないんだな」
「自己紹介しろと聞かれなかったから
ね」
……この時、何かが可笑しい感じがし
た。けれど特に気にも留めなかった。
だが、それが過ちだった。
「あ、兄さん。 ここに僕が居たら邪
魔だよね。……僕、家に帰るから」
「別にそんなことはないよ」
「……でも、帰らないと怒られるから。
それじゃ、さようなら」
「何なんだ、あいつは」
「いつもの事だよ、気にするな」
「……いつもって……」
「弟は時々僕にくっついてくるんだ」
「……で、その度に怒られるのか」
「そうだよ。 ……いずれ離れる時が
来るよ、そうしたら弟も分かるさ。
それじゃ、本題に入ろうか。……私と
暮らさないか?」
「……はぁ!?」
「正確には私と共に暮らしながら依頼
をしていくんだが……」
「な、なんでだよ!? どうして俺と
お前の野郎の2人組で暮らさなきゃい
けないんだ」
「こればかりは仕方がないんだ。それ
が適合者とその保護役である私との決
まり事さ。 ……それとも、嫌なのか
い?」
「嫌に決まってるだろ!」
「……ふむ。それなら一緒に暮らすの
は辞めて依頼の時だけ会おう。」
「……まぁ、それならいいが……」