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第16章

「そろそろできたかなぁ?」

弓矢で的を射っていたリリアンが聞き返す。

「できたって何をよ?」

「えっと、……新しいローブ。これは、ず

っと前に作ったから」

「2人で洋服屋さんに行ったときに頼んだ

んですよ」

「ふぅん……。いいなぁ、こっちはあまり

一緒に行動することがないのに」

「セヴェル君に頼んでみてはどうでしょう?」

「えぇー? あいつはそんなに愛想いいは

ずないんじゃないかなぁ?」

「照れくさいんだと思いますよ」

「うん、あれで悪い人じゃないと思う」


「俺になんか用か?」

「えっと、その、大した用事じゃないんだ

けど……」

「用件は何だ?」

「その……2人で散歩でもしない? 色ん

なお店を見て回るの」

「……まぁいい。ちょうど俺も暇してたんだ」


どこかに鍵のかかった場所がある。そこにいる

1人が部屋の中で何かをしていた。

「ハァ、ハァ……ハァハァ……」

その時、首に着けているペンダントが黒く濁った。

「おい! そこで何をしている!」

「ぼ、僕は何も」

「……その下半身でか? 上に報告するからな」

「そんな……!」

「ここをどこだと思っている? しばらく

頭を冷やせ! ……おっと、今後問題が続

くようなら罪が重くなるからな」

扉に鍵をかけると、職員は去っていった。


セヴェルとリリアンは食材店に来ていた。ち

ょっと珍しいものも沢山取り扱っている店だ。

「うわーっ。ほしいものが沢山!」

「……しかし、値段が高い物も結構あるな」

「これと、これください」

「ありがとうございました。次のご利用もお

待ちしています」


「うーん、これもいいなぁ」

「なんだ、そりゃ?」

「スプレッドよ。雑穀入りやドライフルーツ入り

とかの色々なパンに塗るの。」

「少し高めな気もするが……まぁ、いいか」

「あとはチョコとかのお菓子と飲み物も……

よし、これで全部ね」

「随分買ったな」


「ただいまー」

「おかえり。セヴェル、リリアン」

「2人共おかえりなさい。たくさん買いましたね」

「うん、結構買っちゃった」

「まとめ買いしたからな。これでしばらくは十分だ」

「……そうね」

そういうとリリアンは残念そうな顔をした。

「……暇なときは声かけろよ、リリアン」

「またつきあってくれるの?」

「ま、たまにはな」

その時セヴェルが少し笑ったような気がした。


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