第14章
「はぁ、疲れた……」
「すみません。しばらく留守にしていて」
「久しぶりだな……ってなんだその荷物
は」
「もう。留守にするっていうなら連絡く
らいよこしなさいよ」
「随分大荷物じゃない、どうしたのよ」
「これはポーション類です」
「確かにポーションは買ってばっかだな」
「買っていたらお金がかかるから」
「確かにそれもそうね」
「それでこの大量のポーションか」
「うん、そう……」
「一回の依頼で全部使いきらなきゃいい
が……」
「大丈夫。……多分」
「これで依頼が沢山こなせるわ」
「今回の依頼は蝶集めです」
「蝶ってもしかしてこのリボンのもとに
なった?」
「ええ、そうです。1匹からでも依頼達
成ですけどたくさん集めれば集めるだけ
報酬が増えますよ。頑張ってください」
「ここが蝶が多い場所だな」
着いた場所は花畑だった。蝶に混ざって
蜜蜂もいるようだ。
「花が沢山でいい香り……花の蜜につら
れて蝶や蜂が集まってくるのね」
「さあ、捕まえるぞ」
「そりゃ、2匹目!」
「セヴェル君は早いですね」
「まぁな。足が速いほうが有利だろ?」
「えいっ、……1匹目! 捕まえたわ」
「……私も1匹捕まえた……」
「僕は駄目ですね。残念です」
「……よし。4匹捕まえたぞ」
「集めたのはいいけどお腹が空いた……」
「そうだと思いました。昼ご飯にしまし
ょう」
今日の昼ご飯は暖かいミルクティーとレ
タスとハムのサンドイッチ。それにさつ
まいもと林檎のサラダだった。
「うん、旨いな」
「そうね。サンドイッチは美味しいし、
なんだかホッとする味ね」
「あっ、蝶が近づいてきた」
「ふふ、捕まえました」
「よかったわね、エリュニス」
「はい。1匹目、捕獲できました」
「えーっと……全部で8匹だな」
「はい。お願いします」
「うむ、ほらよ。報酬だ」
渡されたのは4万ルクスだった。これで
しばらくは金に困らない事だろう。それ
に、ポーションがまだたくさん余ってい
るので買い足す手間も金を払って買う必
要もないのは大きかった。
「さて、一息ついたし何かいるものはあ
るか?」
「うーん、どうしよう……」
「それじゃ歩きながら考えるか」
「そうしましょうか」
4人は歩きながら街の細道に歩いていっ
た。